ソレオレ詐欺

先日、新聞で興味深い記事を読みました。

成功した事例やプロジェクトの功績をあたかも自分の手柄のようにうそぶく人が多く
なっているというものでした。

「○○プロジェクトは大成功でしたね」

「あーそれ、俺がやったんだよね」

というふうにオレオレ詐欺ではなく、ソレオレ詐欺というそうです。

世知辛い世の中なので、部下や同僚が達成した数少ない成功事例を自分の功績に
して、出世につなげようという魂胆のようです。

いずれ真実が判れば、その人は評判を落とすことになるでしょう。

それよりも悪質なことは自分の失敗を他人に押しつける、ソレキミ詐欺です。

「○○プロジェクトは大失敗でしたね」

「あーそれ、きみがやったんだよね」

失敗の責任をとって辞めることは一見潔い行為のように思われがちでですが、人事
抗争の末、あまり関係のない人が責任をとらされるという事例もあるようです。

責任をとることを必然とすると、勇気あるチャレンジ意欲がわかなくなってしまうので、
挑戦的な課題への結果にはある程度寛容にみる視点が必要であると思います。

なんでオロナミンCやねん

先日、東京で最新型の自動販売機で飲み物を購入する機会がありました。

その自動販売機は大きな液晶画面があり、タッチパネルで商品を選択するタイプです。
最大の特徴はお客さんの認証識別機能です。自動販売機の前に立つと性別、年齢等
を瞬時に識別して、おすすめの飲み物を提案してくれるのです。

以前にテレビ番組で紹介されたのを見たことがあるので、その機能は知っていたので
すが実際に見るのは初めてでした。

高校生ぐらいの若い男の子たちが、おもしろがってその自動販売機の前に立ってあそ
んでいました。すると自販機は認証してコーラをすすめていました。

次に若い女性が立つと、柑橘系のさわやかな飲料をすすめていました。

そして私も意を決して、その自販機の前に立ちました。

すると、すすめられたのはオロナミンCでした。

そしてブラックの缶コーヒーも。

「なんでオロナミンCやねん!」と心の中で叫びました。

これはまるで「疲れたオヤジを認証しました」と言っているみたいです。

それらおすすめ商品を振り切って、ミルク入りの缶コーヒーの画面にタッチしました。

「せっかくすすめてあげたのに・・・」と自販機のつぶやきが聞こえたような気がしました。

その後、しばらくその自販機をながめていましたが、オロナミンCをすすめられた人はい
ませんでした。

次回は少し雰囲気を変えて、その自販機の前に立ってリベンジしたいと思っています。

メイドインジャパンの靴下

靴下は毎日はいているのにそれほどこだわりはなく、よくある3足1000円程度のもの
を購入していました。

だから歩いているうちに「靴下がずれる」ことも気になりながらも、こんなものだと思って
いました。

そんな時、よく見ているテレビ東京系列の「カンブリア宮殿」にタビオという奈良の靴下
屋さんが紹介されていました。

日本の職人さんたちがひとつひとつ丁寧に編み立てていくメイドインジャパンへのこだ
わり、目指しているのは「靴下をはいていることを忘れてしまうようなフィット感」というコ
ンセプトは当社と共感するところが多いです。

早速買って試してみると、全然ずれないのです。

こんなはきやすい靴下があったのかと思うくらいの衝撃でした。

その秘密は、表糸の素材特性を生かしながら、裏糸とゴム糸を絶妙なバランスで組み
合わせることだそうです。

そこには熟練した職人さんたちの経験と技術が生かされています。

世界でも日本人は繊細な感覚をもっているといわれています。そんな日本人が認めた
日本の繊細な技術だと思います。

今、タビオは海を渡りロンドンで評価されています。

私たちもメイドインジャパンにこだわり、世界の人に認められる靴メーカーになりたいと
思います。

Mさんの引き際

先日、お世話になったMさんの引退パーティがありました。

Mさんはある会社を50年勤め上げ、業界のナンバーワンにさせた伝説的な方です。

いつも笑顔を絶やさず、懐の深い人間的な魅力に富んだお人柄は周りのみんなか
ら愛される存在です。

そのMさんが6月末をもって全ての役職から退くことになりました。

周囲からは相当な慰留があったようですが、その決意は固かったようです。

有志の人たちが企画したそのパーティは500人以上の出席者が集まり、会場は満
員でした。

Mさんの元気な姿をみると、まだまだ引退するのは早いのではないのかとほとんど
の人が思ったと思いますが、その会場でMさんは引退の理由を淡々と述べていまし
た。

今年の1月に妻から「最近、怒りっぽくなった」と言われたことがきっかけだそうです。

その時に一切の役職を降りようと決意したそうです。

流石です。

自らの言動の影響力を知る人の孤独な決断であったと思われます。

人間は引き際を間違うと今までの功績が台無しになってしまいます。

このような引き際で仕事を終えることが理想ではないかと思いました。

泣いて馬謖を斬る

「三国志」の中で蜀の有能な武将の馬謖が軍のルールを破ってしまい、諸葛亮に処刑
されてしまうという話です。

諸葛亮は非常に有能な武将を失うのは惜しいと思い悩むのであるが、ルールを破った
者を甘い処分にしてしまうと他の者への示しがつかないと涙を流しながらも処刑に踏み
切ります。

諸葛亮は全体の規律を守るために苦しい決断をしなければなりませんでした。

先日、こんなことがありました。

私たちの会社に長年勤めている職人さんが社内のルールを破ってしまいました。

指定された場所以外は禁煙というルールを破り、作業場でたばこを吸っていました。

本人はごく軽い気持ちで「すみません、次回から気を付けます。」ということで済むと思
っていたのでしょう。

私たちの製造スタッフは「三度目の注意である」 「社内ルールの守れない人とは信頼
関係を持って仕事ができない」という理由でやめてもらうことを進言してきました。

慢性的な職人さん不足の中で職人さんにやめてもらうことは痛手ではあるけれど、あ
えて規律を重んじることを優先させた製造スタッフの勇気ある決断を支持し、その職人
さんにはやめてもらうことになりました。

その後、その職人さんの穴を埋めるのは大変ですが、製造スタッフと他の職人さんの
中で規律を守ることの重要性が広く浸透していっているのをみると、この決断は正しか
ったと思います。

ほんの少しだけ、諸葛亮の気持ちがわかったような気がします。

メントールづくし

暑い日が続いています。

近畿地方は梅雨明けして一段と暑くなった気がします。

今年は節電の夏なので、あまり電気を使わずに快適に過ごしたいと思っている人がほ
とんどだと思います。

企業側もそのような人のために、ヒンヤリと感じる涼感グッズがこれでもかというくらい
発売されています。

私もお風呂上りに体に吹きつける涼感スプレーと衣類に吹きつけるタイプのスプレーを
購入しました。

すると家族も同じような物を買っており、一通り試してみようとある暑い夜に使ってみま
した。

まず最初に、メントール入りのボディシャンプーとリンスインシャンプーで全身を洗います。
この時点でけっこうスースーします。

次に湯船を出て、メントール入りのボディローション、風呂上りにメントール入りスプレー、
仕上げにメントールスプレーを吹きつけたパジャマを着ました。

ヒエヒエ、スースーして風邪を引きそうでした。

結論的には、やりすぎはダメだということです。

何日か試行錯誤してみたのですが、最終的に落ち着いたのが、風呂上りに扇風機に思
いっきりあたるという古典的な方法でした。

お風呂では汗をかいて、風呂上りに風にあたることが一番快適だなと思っている自分が
とても昭和な人間だなと再発見した夏の夜でした。

平均年齢でみる各国の諸事情

2010年の国勢調査速報によると総人口に占める65歳以上の人口の割合は23%で、
2005年の前回調査に引き続き世界最高でした。

15歳未満の人口の割合は13%であるので、日本は世界に類をみない高齢化社会で
あると言えます。

国別の平均年齢でみると日本47歳、ドイツ44歳、アメリカ36歳、中国35歳、ベトナム
27歳、インド26歳です。

医療の進歩により寿命は伸びていますが、国によって状況は違います。

アメリカは移民を受け入れているので平均年齢はあまり変わりません。

中国は一人っ子政策をとっているので今後急速に平均年齢が上がり、超高齢化社会
に突入すると言われています。

インドは人口抑制政策をとっていないので平均年齢は下がり続け、総人口でも中国を
抜くと言われています。

上記の例をとってみても様々な問題を含んでいるのがわかります。

移民政策には治安維持、一人っ子政策は労働力不足、人口増加は食糧問題がつき
ものです。

それら全ての問題を一気に解決することはできませんが、世界は今後、限られたエネ
ルギー、労働力、食料等を奪い合うことになるのではないかと思います。

そうなる前に日本はより一層の省エネ国家を目指し、あらゆる事態に備えなければな
らないと思います。

雨が降ることもあります

大阪は梅雨のシーズン中ですが、雨が降らなくてむし暑い日が多いです。

それもまだ6月なのに真夏並みの30度越えの日が何日も続き、この暑さがこれから本格
的に始まるのかと思うとうんざりとした気分になります。

天気予報もこの季節は大気の状態が不安定なせいか、難しいのではないかと思うことが
ありました。

先日、ふと見た某TV局の天気予報での事です。

「大阪の明日はくもり、雨が降ることもあります。」

「兵庫県南部もくもり、雨が降ることもあります。」

「雨が降ることもあります」とはどうゆうことですかと、思わずテレビにつっこみそうになりま
した。

雨が降るのか降らないのか、せめて降水確率は何%なのかを視聴者は知りたいのに「降
ることもあります」ではどっちにもとれるので天気予報と言えるのでしょうか。

昔は、明日は午後から雨が降りますので傘を持ってお出掛け下さいといった予報が主流
で、当たらなくても翌日に昨日は当たらなくてすみませんでしたといった「いさぎよい態度」
で予報をしていたような気がします。

真相はわかりませんが、当たらなかった時に視聴者からクレームがきて、はっきりとした
予報はやめようという流れになってしまったとしたら非常に残念です。

このような時代だからこそあえてリスクをとり、予報士が断言調で予報を出せば人気がで
るのではないかと思います。

「明日、雨が降るかは、はっきり言ってわかりません!」

多分、大阪中の人がつっこんでいるでしょう。

東奔西走

先週は、出張続きの毎日でした。

月曜日から広島、東京、大阪、札幌、大阪、東京、大阪とまさしく東奔西走の一週間でし
た。

内容は弊社の展示会をはじめ得意先や資材の展示会、面接、商談、セミナー等で、どうし
ても私が行かなければならなかったので、このようなタイトなスケジュールになってしまい
ました。

周りの人は、あまりのハードスケジュールに私の体調を心配していますが、本人はけっこ
う元気に楽しみながら出張しています。

飛行機、鉄道、バスを乗り継いで目的地に着く旅は様々な発見があり、興味深いものが
あります。

乗り物の窓から外をぼんやりとながめるのはけっこう好きです。

山の木々の色の映り変わりや田んぼや畑の様子、点在する集落などをみるにつけ、そこ
の自然と調和して暮らす人々の生活や営みを想像したりします。

過疎化はどのくらい進んでいるのだろうか、子供たちはどのくらい遠くの学校に行くのか、
買物はどうするのか、靴はどこで買うのだろうかと想像は尽きないのですが、答えを求め
るようなものでもないのでたいていは想像して終わりです。

しかし、たまに遠方からわざわざ私達の靴を買いに来ていただいたお客様に出会うと、出
張先の車窓の風景がよみがえってきます。

私達の靴がいろいろな季節の中で、様々な暮らしにとけ込んで活躍できればいいなと思っ
ています。

靴屋らしい顔

先日、ある地方のデパートの売場を訪問した時の話です。

その日の午後2時ごろに伺うと言っていたので、売場の方も待機されていたと思います。

ちょうど2時ぐらいに行ったところ、売場で大きく手を振っている女性がいました。

遠かったのでどなたか少しわからなかったのですが、私の後ろには誰もいなかったので
私に手を振っているのは間違いありませんでした。

いろいろとお世話になっている売場の方だろうと思い、ニコニコして寄っていくと、その方
が言いました。

「保険屋さんですよね。」

「えっ・・・ちがいますけど・・・」

「あれっ、保険屋さんじゃないの・・・」とがっくりされていました。

その様子をみていた売場の方が「この方は靴屋の社長さんです。」と助け舟を出してくれ
ました。するとその方は

「保険屋さんのような顔して来るから間違っちゃったわよ。やーねー。」

「すいません・・・」

なぜ謝っているのか、わからないままその場を去りました。

聞くと、その方はお客様で2時に保険屋さんと靴売場で待ち合わせをしていたらしく、靴を
買いながら保険屋さんを探していたそうです。

そこへ私がニコニコと保険屋さんらしい顔で(?)やって来た次第です。

しばらくすると年配の本物の保険屋のオジサンがやって来て、その女性と話し始めました。

どのような顔が保険屋さんらしいかわかりませんが、次回売場を訪問する時は、靴屋らし
い顔で訪問したいと思います。