マグロやクエといった高級魚などの水産資源を細胞培養でつくる「培養魚肉」が2022年に実用化しそうです。
アメリカのスタートアップ企業 ブルーナルがクロマグロの培養魚肉を米国で販売する予定で、価格は天然魚と同程度になる見込みです。
乱獲と人口増で消費量が増え、持続可能性の危機にある水産資源を補う食料源として期待を集めています。
世界の水産資源の消費量は増えており、魚介類の消費量は2000年の9574万トンから2018年には1億5044万トンになっています。
水産資源を増やす方法としては養殖があります。近大が実用化した「完全養殖マグロ」の場合、実際にマグロの体重を1キロ増やすには他の魚など13キロもの餌がいるといわれており、養殖を盛んにすると水産資源を消費する面があるのです。
培養魚肉は魚の細胞を培養容器で増やします。魚種を問わず培養でき、マグロやクエなどの高級魚を作れば価格競争力が出ると期待されています。
又、培養魚肉は廃棄部分がなくすべて食べられるという利点があります。一般的な魚の可食部は約60%にとどまり、頭や尾といった食べられない部位が多いのです。
培養魚肉の課題はコストのほか味や食感です。製品によっては天然ものと味や食感が大きく異なる可能性があるのです。
しかしながら普及して一般的になると、培養魚肉の方がおいしいという人たちが出てきてるかもしれません。