理由なき繁盛店

出張先での楽しみのひとつに、地元の名店を探すというのがあります。
東京の都心部は有名チェーン店が軒をつらねており、一定のレベル以上のサービスと味
で競い合っています。
どこに入って食べても、ハズレなしという印象で悪くありません。
しかし、東京郊外となると事情が変わってきます。
駅前や商店街等では、チェーン店よりも昔ながらの地元の店が多いように思います。
訪れた店の中でも、昔からの味とサービスで地域の人に愛されているのだなと感じる店
も少なくありません。
しかし、たまになぜこの店が繁盛しているのか全くわからない店があります。
味もサービスもいまいちで、しかも値段が高い、それでもそこそこ賑わっている。
繁盛している理由を必死で自分なりに探しても一向にわかりません。
たどりついた仮説が「競合がない」ということでした。
ライバル店が出店するほどの立地でもなく、つぶれてしまうほどの過疎感もないという絶
妙のバランスで存続してきて、競合がないため改善する努力もしないという結果なのかな
と考えました。
そう思うと「このままで十分」と考える危機感のなさが一番危険であるように思います。
一昔前の小売業は安定した時代がありました。
ところが、スーパーやショッピングモールの台頭で競合にさらされます。
準備もなく、ノウハウもない店は淘汰の波にのみこまれます。
今後もその流れは変わらないでしょう。
お客様との関係性を大事にし、その地域で愛される、理由のある繁盛店をひとつひとつ丁
寧に作り上げていきたいと思っています。

天才たちの気づき

「ジェフ・ベゾス」を知っている人は少ないかもしれませんが、「アマゾン」は誰でも知ってい
るのではないでしょうか。
「ジェフ・ベゾス」は世界の消費を一変させた「アマゾン」を作りあげた人です。
興味があり、ジェフ・ベゾスの本を読んでみると、気づきから行動へ移行するスピードがとて
も速いのを感じます。
1994年にインターネットが年2300%という驚異的な成長をしていると知ったベゾスは、「今
しかない」と行動に移しました。
その頃はインターネットの可能性や将来性はまだ未知数で、気づく人は少数であったと思
います。
そして、その気づきから行動に移した人はほんの数パーセントだったのではないかと考え
られます。
ベゾスはインターネットで本を売るという行動に移しました。他の人が気づいてマネをする
前に・・・。
グーグルのラリー・ペイジ、サーゲイ・ブリン、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグも同
じような行動をしています。
彼らは何の資金もなく、アイデアと情熱だけで進んでいき、世界を変える企業を起こしまし
た。
今この瞬間でも、どこかの天才たちが私たちの気づかない何かに気づき、世界を変える準
備をしているかも知れないと考えるとワクワクしてきます。

RUSH/プライドと友情

F1レーサー ニキ・ラウダとジェームス・ハントの壮絶なる戦いの実話の映画です。
ニキ・ラウダという少し変わった名前のF1レーサーは、私の子供の記憶にはっきりと残って
います。
大やけどを負って顔半分が焼けただれた姿は、子供の私に大きな衝撃を与えました。
だからこの映画が公開されれば、まっ先に見に行きたいと思っていました。
迫力あるレースシーン、プライドをかけた二人の天才対決、70年代の空気感、どれをとって
も超一級の完成度を持った映画だと思います。
見終わったあと、奇妙な感情になりました。
心の奥にあった闘争心が沸き上がるような感情です。
死と隣り合わせというスリル、F1独特のエンジン音とスピードが男の本能を呼び覚ますの
か…。
その夜はしばらく寝られないほどの興奮でした。
映画を観た男性は同じような感情になるのか?
女性はどのような感情になるのか?
これほど見終わったあとの感想を他の人に聞きたい映画はありませんでした。

決断のとき

右に行こうか、左に進もうか、人生の分かれ道で人は悩みます。
後から振り返って、あの決断は正しかったかどうかを論じるのは簡単ですが、決断しなけ
ればならない時に判断材料が乏しい時もよくあります。
しかし、今決断しないと事態は悪化していくのは明らか…。
そんな時、判断のよりどころとして、根本的に考える思いがあります。
その決断は「人のために、世の中のために役立つのか」ということです。
まことに平凡な考えですが、実行するのはけっこう難しいのです。
悩んでいるうちに思考が内向きになり、自分のためや自分の会社のためのみを考えてし
まい、周りのことに気が回らなくなってしまうのです。
2月10日に株式会社クレッセントは創立19周年をを迎えます。
その19年間で何千という決断をしてきました。
全てが正しかったかどうかはわかりません。
これからも何千という決断をしていくでしょう。
その際には「人のために、世の中のために役立つのか」という自問自答を何度も繰り返し、
一歩一歩前へ進んでいきたいと思います。