モルカー

モルカーとはモルモットと車が合体したものです。羊毛フェルトで作ったストップモーションアニメ「PUI  PUI  モルカー」がテレビ東京系の子ども番組で1月から放送されて大人気となっています。

1話わずか2分半の短編作品なのですが、モルカーのかわいさにたくさんの大人が心を癒されています。

フロントのにはモルモットの顔があり、燃料はキャベツなどの野菜、意思があってドライバーの運転とは別に動くこともあります。

セリフはないのですが、羊毛フェルトの形が変わり泣いたり、ご飯につられたり、困り果てたりとモルカーたちの表情は豊かです。

車社会につきもののトラブルを解決する内容ですが、そこには自分勝手な人間が描かれ、人間は愚かであるといったダークな世界観もあり、大人も飽きさせません。

静止画をコマ送りにして動いてるようにみせる「ストップモーションアニメ」という手法なので1日に撮れるのは4~5秒ほど。

監督の見里朝希さんが1年半かけて12話を制作しました。

今春には海外での配信も予定されているそう。

モルカーのかわいさは見ないと伝わりません。YouTubeで視聴できますので興味のある方は是非見て下さい。

インテル

米半導体大手インテルのCEO ボブ・スワン氏が退任しました。

インテルといえば「インテル、入ってる」のCMを覚えてる人も多いと思いますが、最近の多くのパソコンやサーバーにはインテルは入っていません。

あれだけ世界のシェアを握っていたのに状況は大きく変化しました。

背景にあるのはニーズの変化です。

半導体に求められるものが処理能力だけではなくなり、カスタマイズのしやすさが重要視されるようになったのです。

インテルに先んじたのは英国のアームという会社です。

アマゾンやアップルなどの多くの企業がアームの考案した「コア」と呼ばれる中枢部分の基本設計をライセンス契約で買い、用途に合わせてプロセッサーを自由に仕上げる方式を採用するようになったからです。

インテルの企画・設計・開発・販売からアフターサービスまで行う垂直統合型が時代に合わなくなり、ニーズが多様化する中でアームのようないろいろな企業と協業する水平分業型が選ばれていったのです。

一時期、インテルは絶対的覇者として永遠に君臨するかのように思われていた企業でありましたが、時代の流れと技術の陳腐化はすさまじい速度で状況を一変させました。

5Gの時代を迎えるにあたり、自動車や家電等にも半導体が使用されるので今は世界的な半導体不足です。

インテルは新CEOに技術畑のパット・ゲルシンガー氏を起用し、巻き返しを狙います。

今後の半導体業界に注目です。

スタジオドラゴン

昨年に大ヒットした韓国ドラマ「愛の不時着」、それ以降も第4次韓流ブームは続いています。

実は話題になった韓国ドラマの多くは「スタジオドラゴン」という制作会社が作ったものなのです。

なぜ一つの制作会社がヒットを連発させるのでしょう?

そこには理由があるのです。

日本で制作会社というとテレビ局などの下請けをイメージしますが、「スタジオドラゴン」は企画から資金調達、制作、配給まで一貫して行い、テレビや動画配信サービスに販売しているのです。

2016年の設立以降、同社は脚本家が所属する既存の制作会社や所属事務所を買収して傘下に置きました。今では約230人ものクリエーターが同社と専属契約を結び、作品を作っています。

そこには韓国を代表するエース級の脚本家たちがずらりと名を連ねており、スタジオドラゴンの独り勝ち状態になっているのです。

昔の韓国ドラマによくあるメロドラマ的な要素は少なく、そのテーマには現代社会が抱える問題を絡めたメッセージ性の強いドラマが多いのが特長です。

同社は創作の姿勢や自らの強みについてこう語っています。

「ドラマはフィクションですが現実も反映しています。視聴者はファンタジーを望むと同時にリアリティーを追求しています。韓国ドラマには誰もが共感できる普遍的な魅力があり、優れた筋書きを新鮮な視点と共に描いている点が世界的に受け入れられる理由ではないでしょうか」

「愛の不時着」が世界約190ヵ国で配信されたように、世界がスタジオドラゴンの作品に注目しています。

カタリン・カリコさん

新型コロナウイルスのワクチンが注目されています。

通常、ワクチンの開発には5年~10年くらいの時間がかかるといわれていますが、なぜ1年という超スピードで開発が可能であったのか、疑問を持つ人も多いのではないでしょうか?

そこには長年の研究を積み重ねてきた無名の研究者達の努力がありました。

その一人がハンガリー出身の生化学者カタリン・カリコさん。

彼女はハンガリーで博士号を取得した後、1985年に夫と娘と共に渡米し、ペンシルベニア大でmRNA(メッセンジャーRNA)の研究を始めました。

しかしなかなか成果が出ず、不遇な時代を過ごします。

そんな時、学内で免疫学者のドリューワイズマンさんと知り合い、2005年に共同研究の論文を発表します。

この論文も当初は一握りの人にしか注目されなかったのですが、バイオベンチャーの独ビオンテック社と米モデルナ社の目に留まったのです。

mRNA医薬は長い期間研究され、技術の基礎が確立されていきました。

従来のワクチンよりもmRNAを使ったワクチンは迅速に作ることができるので超スピード開発につながりました。

人類をコロナ禍から救うかも知れないワクチン。

その開発には名も無い研究者達の努力と人との出会いが重なりあっていたのです。