1000年後

平安時代の有名な陰陽師、安倍清明。

当時、最先端とされた学問の天文道や占いなどをまとめた陰陽道に関して卓越した知識を持ち、天皇や貴族たちから絶大な信頼を得ていました。

「平家物語」 「大鏡」 「今昔物語集」 にも登場し、大江山の鬼退治指導など数多くの逸話を残しています。

その安倍清明、生前より「1000年後にまたこの世に蘇る」と予言。

亡くなった1005年から1000年後の2005年、安倍清明神社(大阪市阿倍野区)にて等身大の銅像として復活しています。

予言は当たりました。

時は変わって、江戸時代に活躍した天才絵師、伊藤若沖。

青物問屋の長男として生まれるも商売に興味はなく、40歳で家督を弟に譲り隠居、好きな絵を描き始めます。

狩野派に師事し、花鳥画の模写に励みます。その後、実物写生へ移行し、特に鶏の絵を多く描いています。

天才肌の伊藤若沖は 「具眼の士を千年待つ」 と言っています。

その意味は 「自分の価値がわかる人を千年でも待つ」 という意味です。

若沖の予言は外れ、200年後の2000年、爆発的なブームが起こります。

そして今年、東京都美術館で開催された 「若沖展」 は320分待ちという入館待ち記録を樹立。

若沖の絵の価値をわかる人が増え続けています。

卓越した偉人は1000年後を想像するのですね。

1000年後とまではいきませんが、10年後、20年後の靴業界のあるべき姿を想像し、来年も一歩一歩地道に歩んで行こうと思います。

今年一年のご愛顧に感謝し、2016年最後のブログを締めたいと思います。

ありがとうございました。

皆さん、よいお年をお迎え下さい。

日本ワイン 高評価の秘密

日本ワインとは日本国内で栽培されたぶどうを100%使用して、日本国内で醸造されたワインで、最近世界で高く評価されています。

海外原料を多く含んだ国産ワインとは一線を画しています。

日本ワインの特長は、日本の伝統的な料理と同じく「繊細さ」 です。

元々、日本はぶどう栽培に適している地域です。

北半球でいうと北緯30度から50度、ヨーロッパでいうとフランス、イタリア、ドイツ、北米ではカリフォルニア、そしてアジアでは日本になります。

しかし、日本は降雨量が多く湿度が高いので、生食用には向いていますが、ワイン用としては糖度が低く水っぽいと言われてきました。

ではなぜ日本ワインは劇的に変わったのでしょう?

それは、ぶどうが変わったからです。

数年前までは生食用のぶどうに適さないものを加工してワインを作っていました。つまり残り物を加工して作っていました。

そこで世界中を回ってワインを勉強してきた人たちが、ワイン用のぶどう栽培を日本で始めだしたのです。

様々な困難に立ち向かい地域に適した栽培方法、品種を研究し、やっと開花したわけです。

そしてもうひとつは、IT技術の進化です。ぶどう畑に設置した装置で気温、湿度、降水量を管理し、勘にたよっていた適正収穫時期を決めることができました。

又、カビ系の病害をいち早く察知し、病害がほとんどなくなりました。

日本人は農耕民族で研究熱心です。

ワイン用のぶどう作りには最も適していると思います。

モディ政権 決死の賭け

インドのモディ政権は11月8日、突如として高額2紙幣の使用禁止を発表しました。

廃貨の対象となったのは、500ルピー札 (約800円) と1000ルピー札 (約1600円) で、8日夜のテレビ演説で 「4時間後に2紙幣は使えなくなる」 と宣言。

文字通りの抜き打ち策です。

使用不可となった2紙幣は身分証と共に銀行に持ち込めば、100ルピー札や新紙幣である2000ルピー札に替えることができます。

そのため連日、銀行には長蛇の列。おまけに造幣局のインク不足から交換用の紙幣の供給が滞り気味で、長時間待った末に替えられないというケースもあるそうです。

現金決済が主流のインドの国民生活が大混乱に陥っています。にもかかわらず、ほとんどの国民はこの政策に理解を示しています。

背景はインド国内の富の偏在です。

政権の狙いは不正畜財のあぶり出しです。多額の両替は所得の源泉を聞かれ、不正が露見するしくみです。

4時間後に使用不可になるという突然の発表は、富裕層の不正資金を金や宝飾品に替える猶予を与えないためだったのです。

モディ首相は「私は焼き殺されても、この政策をやめない。私と共に50日間耐えてほしい」 と涙混じりの声で訴えています。

約束の50日の期限は年末です。

モディ政権の 「ここで国を変えなければ」 という思いが伝わってきます。

ガソリンスタンド半減の理由

全国のガソリンスタンドがこの20年で半減したそうです。

そう言えば、あちこちで閉店、廃業したガソリンスタンドを見かけます。

立地のいい所はマンションになったりしていますが、取り壊されずにそのまま廃墟のようになっている所も見かけます。

これは地下貯蔵タンクの問題が大きいようです。

埋設されたタンクがあるため土地を売却しようとしても莫大な解体費用がかかるので、そのままになっているケースがあるそうです。

そのため金融機関としても担保評価しにくい物件だそうです。

そもそもなぜガソリンスタンド業界が苦境に立たされているかというと、環境にやさしいエコカー、低燃費車の普及が原因です。

最近の車は、とても燃費がいいのであまりガソリンを消費しません。

ドライバーにとってはいい話ですが、ガソリンスタンド業界にとっては死活問題です。

高度経済成長期は車社会の発展をインフラ面で支えていたガソリンスタンド。

今は地球温暖化対策の流れの中で、その役割が大きく変わろうとしています。

技術革新、社会の変化によって、いろいろな業界が岐路に立たされています。

20年後の産業地図は大きく変わっていることでしょう。