ぴんとこな

先日、TBS系で歌舞伎界を舞台にしたドラマ「ぴんとこな」が始まりました。

原作は100万部を超える人気漫画で、出演はKis-My-Ft2の玉森裕太、中山優馬、川島
海荷と人気スターが勢ぞろいです。

「ぴんとこな」とは歌舞伎用語で「男らしさと憎みきれない色気を併せ持つ二枚目の役柄」
という意味らしいのです。

私は完全に勘違いをしていました。

よく派出所に貼ってある指名手配犯のポスターに「この顔にピンときたら110番!」と書い
てあります。その文と同じ用法の関西系バージョン「ぴんとこな!」(意味、ピンとこないと
ダメでしょう!)とばかり思っていました。

このフレーズは、関西ではとてもポピュラーでダメ出しの場面で使われるのが多いのです。

用例としては
「あっ、あの人、女優のAさんと違う?サングラスかけててもオーラがすごいのですぐわか
ったわ。えっ、わからんかった?にぶいなー。ぴんとこな!」

だから私は、ドラマの内容を少しボケた(にぶい)役柄の人に対し、事あるごとに「ぴんとこ
な!」とつっこみを入れる関西系コメディと勝手に想像していました。

恥ずかしいかぎりです。

本物のドラマの内容は、すれ違いや勘違いの多い恋の三角関係。

ドラマを見ながら「あやめ、もっとぴんとこな!」とつっこんでいます。

酒に酔ったさま

酒に酔っている状態を的確に表現するには、どのような言葉が適正かという事を酒の席で
論じました。

このように言葉で書くと、ものすごく真面目な議論のように感じますが、たまたま飲み会の
席で話題に上がった程度です。

その席には、関西の人も関東の人もいたのですが、要約すると会話は下記のとうりです。

 関西系 「べろべろになるまで酔っぱらってしまったとか言うけどな・・・」

 関東系 「いや、ぐでんぐでんが一般的でしょう。歌にもあるし・・・」

 関西系 「ぐでんぐでんってあんまり言わへんなー。それやったらべろんべろんやろ」

 関東系 「べろべろとべろんべろんの違いはあるの?」

 関西系 「べろんべろんの方が酔っぱらっているな」

 関東系 「向うにいる人みたい?」と遠くの席の酔っぱらいを指差す。

 関西系 「いや、まだあの人はべろべろぐらいやろ。べろんべろんは何言ってるかわから
          へんし、まっすぐに歩かれへん酔っぱらいの事やで」

 関東系 「それはぐでんぐでんが正しい表現だ」

あとから考えてみると他愛もない事ですが、関西の人は表現する時に擬音語、擬態語をよ
く使うような気がします。

「カーッと暑かったので、ビールをグーッと飲んでべろんべろんになるまで酔っぱらい、次の
日にへろへろになりました。午前中のプレゼンは、ぐだぐだで、けちょんけちょんに言われま
した」

情景が目に浮かぶように思うのですが変でしょうか?

なぜ通販で買うのですか

「なぜ通販で買うのですか」という突拍子もない問いかけは、実は本のタイトルなのです。

あの有名な「通販生活」を発行している、カタログハウスの社長 斎藤駿氏が2004年に出版
した本なのですが、これが実におもしろいのです。

郵便料金を安くするために読み物をつけて有料にしたこと。

70年代に「ルームランナー」が大ヒットしたこと。

その原因を「時代の欲望を通信販売という広告にしたから」と述べています。

つまり、健康ブームだけではなく、通販ブームとの相乗効果であったと。

斎藤氏の時代を読む力、消費者の嗜好の分析は鋭く、時には論理的に、時には自虐的にな
り、読む人を飽きさせません。

そして、あのデロンギヒーターの大ヒットに結びついていきます。

元々、デロンギヒーターはさっぱり売れていない不人気商品であったそうです。

それが「寝室に置いておくと、ひと晩中ホテルに泊まっているような快適さ」というコピーが大
ヒット商品に押し上げていったそうです。

その後、ミーレの掃除機やメディカル枕等、環境を意識した商品を紹介して消費者の心を掴
んでいきます。

そこには多くの機種から1つを選んで推薦する企業の思想が感じられます。

的確な商品説明と使用者の率直な感想。

無駄な宣伝はひとつもない。

「販売とは商品の使用価値を伝える行為だ」と斎藤氏は言っています。

その斎藤駿氏が今年から社長に復帰されたそうです。

今後の活躍が期待されます。

華麗なるギャツビー

レオナルド・ディカプリオ主演の「華麗なるギャツビー」を観てきました。

舞台は1920年の好景気に沸くニューヨーク。

連日連夜、繰り広げられるド派手なパーティの主催者はディカプリオ演じるギャツビー。

しかし、誰もギャツビーの正体を知らない。

そのパーティの目的とは意外や意外・・・ネタバレになるのでやめときます。

元々、アールデコの雰囲気が大好きなので、その豪華絢爛な衣装やセットを見ているだ
けで楽しい気分になりました。

女性の衣装はプラダ、ジュエリーはティファニー、男性の衣装はブルックスブラザーズが
提供したそうです。

酒池肉林という言葉がピッタリの、ハチャメチャなムードの世界がうまく表現されており、
バブルに踊る人間の愚かな一面をかいまみせてくれます。

ちょうど映画予告で、宮崎駿監督の「風立ちぬ」が宣伝されておりました。

「大正から昭和へ、1920年代の日本は不景気と貧乏、病気、そして大震災と、まことに
生きるのに辛い時代だった」と語るナレーションにその当時の日本とアメリカの違いに改
めて驚愕させられました。