雇用を守る

11月22日 私たち株式会社サロンドグレーは創立21周年を迎えま
した。これもひとえにお客様、仕入先の皆さん、そして社員さんや職
人さんのおかげであると深く感謝しております。 

常々、恩返しができればと思っておりますが、皆さんにとって私が今
すべき最善のことは会社を維持、成長させることではないかと思って
います。

私の尊敬する経営者の松下幸之助さんが、経営者にとって一番大切
なことは、「雇用を守る」ことであると言っておられました。利益を上げ
ることよりもまず「雇用を守る」すなわち信頼してついて来てくれている
社員の生活を守ることが経営者にとって一番重要であると言っておら
れました。

この言葉は今の時代に胸にしみます。

「安心して働ける」という事がいかに大事なことか、「社員の生活を守
る」という事がいかに大切なことか、を痛切に感じ身が引き締まる思い
です。

そのために会社は利益を上げなければいけないし、お客様に支持さ
れる靴を作り続けなければいけないのだと思います。

視線、宙を舞う

先日、あるパーティーでベリーダンスを見る機会がありました。

ベリーダンスのベリー(Belly)とはお腹のことで、中東地域の伝統的な
ダンスです。

私は今までベリーダンスをあまり観たこともなかったので、興味深く観て
いました。

ダンサーの衣装は、キラキラと光るビーズのような素材のビキニのタイプ
で、肌の露出度はかなりのものでありました。

エジプトの音楽に合わせて踊るのですが、基本的な動きが「腰をふる」と
いうものでした。

時には激しく、時にはゆっくりと腰をふって踊っています。

音楽がクライマックスになってくると、より速く小刻みに腰をふります。
その様は高性能小型モーターが内蔵されているのではないかと思うほど
リズムとスピードが高速で目もついていけないほどです。

あまりに激しく官能的なので、目のやり場に困ってしまいます。もちろん
女性の招待客も多数いらっしゃるので、どこをみていいのかわからなく視
線が宙を舞ってしまいます。

しかしそれは私だけではなく、ほとんどの男性の方がダンサーが近くに
来ると上を向いたり、下を向いたり、食べ物を食べだしたりと視線のや
り場に困っておりました。

1時間あまりのステージでしたが、エジプトの音楽と伝統的なベリーダン
スを堪能した素敵な夜でした。

そのあと、ふと1つの考えが頭をよぎりました。

「中東地域は昼間でも女性は肌を露出してはいけなかったのでは・・・
でも、ベリーダンスは大丈夫なんだな・・・」

「家で鍋!」

冬が近づいて来ると、鍋のおいしい季節の到来です。

気の合う仲間たちと1つの鍋をつつきながら、ワイワイ、ガヤガヤと盛り上
がる光景はこの季節ならではだと思います。

たいてい一人ぐらいは鍋を仕切る鍋奉行がいて、具を入れる順番、食べ
る順番を各人に教え、ぞうすいを職人のような手つきで見事に仕上げて
いきます。

そして、皆がおなかいっぱいになり「あーおいしかった」と満足感にひた
ります。

鍋とはそういったものであると、思っていました。

しかし、先日興味深いアンケート記事を読みました。

若いカップルにクリスマスの予定はと聞いたところ、なんと8割以上の
男女が「家で鍋 !」と答えていました。

その理由が「安くてヘルシー」「おいしい」「まったりと過ごせる」「盛り
上がる」等でありました。

私は理由に異論はありません。しかしクリスマスのデートといえば、お
しゃれをして外食をするのが定番であり、王道であると思っていました。

家で鍋はいつでもできるし、クリスマスの華やかで特別な非日常的イ
メージとは全然合わないと、私は思ったのです。

でも、今の若い人達はそうは思わないのでしょう。

いいのか、悪いのか、わからないですけど、外食産業が大変なのは間
違いないでしょう。

「違い」がわかるということ

最近、いろいろなモノが安くなってきています。

衣料品や食べ物等、日々の生活に必要不可欠なモノを中心に様々な
人達の努力のおかけで品質のレベルをあまり落とさずに低価格な商
品が実現しています。

とてもよいことだと思います。

しかし、全てがそうであることは将来的にみて、必ずしもよいことだけ
であるとは思いません。

若い人達の行動をみていると「損したくない」「だまされたくない」という
意識が強く、チャレンジ精神に欠けた保守的な姿勢があるように思い
ます。

だから安くて、それ相応の商品になれ親しんでしまい、高いけれども
「違い」がはっきりとある商品にはあまり手を出そうとしません。

そうなってしまうと上質なモノを体感しないので、品質の良し悪しを判
断することができなくなってしまい、同質的なモノの中から価格基準で
選ぶということになってしまいます。

それはどういった現象を引き起こすでしょう?

今の20~30代の人達が日本の消費市場の主役におどりでる20年
後に現在ある「高級品」「嗜好品」市場が危機的に縮小してしまうので
はないかと心配です。

「違い」がわかるということはモノの本質を知るということで、広告、宣伝
にまどわされたり、一過性のブームにだまされることのない賢い消費者
になる一番の重要ポイントであると思います。