先日、東京でタクシーに乗った時の話です。
たまたま乗ったタクシーの運転手さんが、かなりのご高齢であったので大丈夫かなと少し
心配していました。
しかしながら、予想に反して運転はなめらかで、道にも詳しそうだったので安心しました。
顔の色ツヤもよく、元気そうです。
興味があったので話しかけてみました。
「失礼ですけど、おいくつですか?」
「今年で81才になります」
ちょっとビックリです。
81才のタクシー運転手さんははじめてです。
聞けば、週4回の午後の数時間のみの勤務で、あとの日は畑仕事に精を出して野菜を作
っているそうです。
その作った野菜も、自分が食べるほかは友人、知人におすそ分けしているそうです。
戦後、いろいろな職を転々としながら、日本の高度成長期に一生懸命に働いてきたそうで
す。
食糧のありがたさも、労働の喜びも知っている81才のその運転手さんは、とても充実した
毎日を送っているように見えました。
社会と自然とのつながりを絶妙のバランスでとっている生き様は、人生の達人のように思
えました。