流通サービスの様々な業種で接客のあり方を見直す動きが出てきています。
背景には自分の時間を効率的に使いたいという消費者の意識の変化があります。
東京・代々木上原にフーフーという衣料品ブランドの完全無人の試着室があります。試着室の利用は1時間1組の完全予約制で、予約時に受け取る暗証番号でカギを開けます。そこでは自分が気に入った服を誰の目を気にすることなく試着ができます。
商品を気に入れば好きな時にインターネットで注文できます。
店員による接客をしないことで顧客満足度を高めるという新しい「おもてなし」です。1ヶ月先まで予約が埋まっているくらい好評です。
小売業では今まで店員による丁寧な商品説明や手厚い接客が優れた「おもてなし」とされてきました。しかし「試着したら買わなきゃ」というプレッシャーや「小さな子供がいてゆっくり試着できない」等の小さなストレスを感じる人が少なからずいたというのも事実です。
飲食店でも手元のスマホでメニューのQRコードを読み込み、来店客が好きなタイミングで注文できるシステムが好評です。
チャット世代にとっては自分のペースではないタイミングで話しかけられるのはストレスと感じています。
店員の接客に対する感じ方は消費者によって様々です。嗜好の多様化が進む中、一人ひとりが感じる小さなストレスを除いていく取り組みはますます求められると思います。