機内オークション

先日、地方へ出張に行くために伊丹空港から飛行機に乗った時の事です。
搭乗時刻近くになりゲートに乗客らが集まりだした時にアナウンスが
聞こえました。

その内容は予約数が搭乗可能数を上まわっており、お急ぎでない人は
次の便に乗っていただけないかという旨でした。
そのお礼に10,000円をわたしますという内容でした。いわゆるオーバー
ブッキングです。

しばらくすると数名が名乗り出て次の便への乗り換えの手続きをしてい
ました。その他の乗客は搭乗を開始し、全員がシートベルトを着用し、
あとは離陸を待つのみといった瞬間、前方の乗務員があわただしい動き
をしはじめ、アナウンスが聞こえました。

「誠に申し訳ございませんが、次の便にてご搭乗いただけるお客様を再度
探しております。どなたかお願いします。」
あわてる乗務員、静まり返る機内、、、
私もこの便に乗らなければ打ち合わせに間に合わないので黙っていました。

すると乗務員の中でも上司らしき女性がマイクを握りこう言いました。
「通常10,000円のところ15,000円でどうでしょう?」
「マジですか?」私は心の中で叫んでいました。このまま値は上がるのか、、、

異様な緊張感と静寂が機内をつつんでいます。この沈黙が長ければ長くなる
ほど手を上げる人も上げにくくなります。誰か何とかしてくれというムード
が最高潮に達した時、子供連れの若い奥さんがおもむろに「では、私が、、、」
と手を上げてくれました。機内の乗客が一斉に心の中で拍手をした瞬間
でした。

しばらくすると中年の女性が満面の笑顔で乗り込んできて、譲ってくれた席に
つきました。もしあの時、誰も名乗り出なかったらいくらまで値は上がったの
だろう。上がり続ける値を聞いて乗客の対応はどうなったのだろう。高い値で
手を上げた人はボランティア精神あふれるヒーローなのか?お金に執着する
守銭奴なのか?評価が分かれるだろうなと思いながら機上の人になっていました。

 

 

会社は誰のために?

私は本を読むのが好きで、いい本に出会うととても幸せな気分になります。
今年読んだ本でずば抜けてすばらしい本は「日本でいちばん大切にしたい会社」
でした。

ベストセラーなので知っている方も多いでしょうが、感動で心が震える一冊でした。
著者が5つの会社のストーリーを紹介していくのですが読んでいる途中で涙が
あふれてとまりませんでした。

その中で、いちばん私の心に響いたのが会社の使命は「社員とその家族を幸せにする」
ことが第一であるという一節です。
所属する組織への満足度が高くなければ、お客様が期待する商品やサービスを
提供することができないということです。

つまり、社員満足度を高めることが必然的に顧客満足度を高めることにつながることに
なると思っています。

まだまだ未熟な経営者ですが、もっともっと社員とその家族に笑顔を増やしお客様に
喜んでもらえるような会社にしたいと思っています。

はじめまして

はじめまして。
このたびブログを開設することになりました。
気軽に読んでいただければうれしいです。
まずは簡単な自己紹介から。私は靴メーカーを経営しています。
毎日皮革のにおいと木型をたたく音の中で仕事をしています。
靴を作る現場は想像以上に手間ひまがかかります。
裁断から仕上げまで通常の流れでは1ヶ月以上かかります。
天然皮革であるがゆえに1枚1枚微妙に違う革を使い、
同じ品質の靴を作り上げることは容易ではありませんが、
毎日のお出かけが楽しくなる1足、
大切な記念日が素敵な思い出になる1足を目指して
日々作っています。
そのような現場から日々想うことを気軽に発信できれば
いいなと思っています。
これからもよろしくお願いします。