101.4%

上記の数字は日本の携帯普及率です。

2011年12月末時点で携帯電話とPHSの合計加入数が1億2989万件と人口を上回り、人
口普及率101.4%となりました。

スマホが浸透してきたので、若い人の複数台持ちが増えたせいもありますが、赤ちゃんや
高齢者も含めた1人1台が実現した形です。

普及スピードも速く、2007年春に8割、2010年春に9割、そして2011年に100%を突破して
います。

他の消費財は世帯あたり普及率で、パソコン76.0%、デジカメ73.3%、薄型テレビ87.9%、
エアコン89.2%、温水洗浄便座70.9%、自動車82.7%と携帯の普及率は突出していると
いえるでしょう。

その反面、固定電話は年々減少し、同じ2011年12月末で3681万件と携帯の3割にも満
たない数字です。

日本の世帯数5200万、事業所数930万から逆算すると世帯の半分に固定電話がなく、当
然FAXも通じません。

新聞の実売部数も3000万ほどなので、新聞を取らずにチラシも見ない家庭がやはり全体
の半分ということになります。

情報を受けとる手段が、ここ10年で劇的に変化しているのが感じとれます。

情報を発信する側としては、どのようなターゲットにどのような手段で伝えていくかというこ
とがますます重要になってくると思います。

テルマエ・ロマエ

話題の大人気コミック「テルマエ・ロマエ」を読みました。

マンガ大賞と手塚治虫文化賞短編賞を史上初のW受賞した「テルマエ・ロマエ」は、シリー
ズ累計500万部を突破した超人気爆笑コミックです。

古代ローマ帝国の風呂専門の設計技師ルシウスは、浴場のアイデアについて悩みまくり、
現代日本へタイムスリップしてしまいます。

そこでルシウスは日本の優れた風呂文化に衝撃を受け、次々とそのアイデアを使ってロー
マに新しい浴場を作っていくというストーリーです。

古代ローマ人と日本人はお風呂が大好きという共通点があります。

単に体をきれいにするだけではなく、癒すために入る風呂文化。

ここに気付く作者の視点がすばらしいと思います。

作者はヤマザキマリさんという女性で、17歳からずっと海外に暮らし、夫はイタリア人という
プロフィールです。

そのような環境が風呂を比較文化論的に考える視点につながったのではないかと思います。

又、古代ローマ皇帝が市内のいたるところに大浴場を建設し、民衆の支持を得ようとしてお
風呂を政治的に利用していたことも興味深いところです。

いよいよこの「テルマエ・ロマエ」が映画となり、4月28日(土)より公開されます。

古代ローマ人役には阿部寛さん、市村正親さん、北村一輝さん、宍戸開さんといった日本
映画界の選りすぐりの濃い顔のキャストが勢ぞろいです。

平たい顔族(日本人)には上戸彩さん、笹野高史さんといったうすい顔の俳優さん達で、奇
跡のキャスティングといわれています。

ストーリーのおもしろさとともに、キャスト陣の顔の濃い、うすいの比較も見所のひとつだと
思います。

心のガレキ

先日、はじめて被災地を訪れました。

陸前高田、気仙沼、大船渡と訪れましたが津波の威力のすさまじさをまざまざと感じま
した。

特に陸前高田は沿岸部に街の中心部が広がっていたため、被害は甚大で街一つが根
こそぎ無くなってしまったという感じでした。

そこに立つとテレビの映像の一部分ではなく、360度広がる何もない世界が広がってお
り、震災以前に街があったことを想像することは容易ではありませんでした。

それはまさに、戦後の焼野原にぼうぜんと立ちすくむ写真とオーバーラップするような感
覚でした。

ガレキはほとんど片付けられていましたが、数ヶ所に分別して置かれている状態で、今
後日本全国で処理が進むことを期待して止みません。

市民会館や体育館等、鉄筋コンクリートの建物だけが残されているのですが、内部は津
波の破壊力のすごさを体感するような壊れようで、多くの方々が亡くなられたことを思うと
悲しみで胸がつまります。

そのような中で、7万本の高田松原のうち1本だけ倒れずに残った松を見ました。

この状況で1本だけ残ることは本当に奇跡的であると感じました。

街は復興に向けて歩み出しています。

街のガレキは間もなくきれいに処理されると思います。

しかし、被災地の方々は皆さん心のガレキを抱えています。

それを取り除くための精神的な支援が継続的に必要であると感じた訪問でした。

驚くべきラジオ通販

先日、あるFM局のラジオ通販をたまたま聴いていました。

ラジオ通販はテレビやカタログと違い視覚に訴えるものがないので、テレビやデジタルカメ
ラ等の性能や使い方の提案をするモノが多いのではないかと思っていました。

ところが、そのラジオ通販で売っていたのはネクタイでした。

男性 「今回、ご紹介するのはイタリアブランドの最新デザインネクタイです!」

女性 「素敵なネクタイですね~。お値段は?」

男性 「10500円です。お見せできないのが残念ですが、ディディールにこだわったイタリア
      ブランドの最新デザインです。」

女性 「いろいろな色とデザインがありますが、今回はどのタイプですか?」

男性 「ここにある全てのネクタイです。」

女性 「えぇ~、全部ですか?たくさんありますけど何本あるんですか?」

男性 「全部で25本あります。ストライプやドット柄、カラーもたくさんありますので様々なビ
      ジネスシーンに応じて選ぶことができます。」

女性 「25本もあれば、4月から社会人になる人にとっても困ることのない量ですね。」

男性 「更に今回はシルク製のネクタイを更に10本お付けして、値段はそのままの10500円
     で特別に提供させていただきます。」

女性 「えぇ~、じゃ35本で10500円ということですか?お得ですねー。」

思わず買いそうになりました。1本あたり300円ですからね。

興味深いのは、始めのうちは声のトーンは比較的低めで落ち着いた感じでしたが、中盤く
らいから女性が驚くたびに声のトーンが上がっていき、最後にはこんなお得な情報は他に
ないというムードになっていました。

ラジオ通販には、リスナーの想像をはるかに超えたインパクトのある提案を短い時間の中
で、ストーリー展開していく脚本力がとても重要だと感じました。

それにしても、あのネクタイはどのくらい売れたのか気になります。