心のガレキ

先日、はじめて被災地を訪れました。

陸前高田、気仙沼、大船渡と訪れましたが津波の威力のすさまじさをまざまざと感じま
した。

特に陸前高田は沿岸部に街の中心部が広がっていたため、被害は甚大で街一つが根
こそぎ無くなってしまったという感じでした。

そこに立つとテレビの映像の一部分ではなく、360度広がる何もない世界が広がってお
り、震災以前に街があったことを想像することは容易ではありませんでした。

それはまさに、戦後の焼野原にぼうぜんと立ちすくむ写真とオーバーラップするような感
覚でした。

ガレキはほとんど片付けられていましたが、数ヶ所に分別して置かれている状態で、今
後日本全国で処理が進むことを期待して止みません。

市民会館や体育館等、鉄筋コンクリートの建物だけが残されているのですが、内部は津
波の破壊力のすごさを体感するような壊れようで、多くの方々が亡くなられたことを思うと
悲しみで胸がつまります。

そのような中で、7万本の高田松原のうち1本だけ倒れずに残った松を見ました。

この状況で1本だけ残ることは本当に奇跡的であると感じました。

街は復興に向けて歩み出しています。

街のガレキは間もなくきれいに処理されると思います。

しかし、被災地の方々は皆さん心のガレキを抱えています。

それを取り除くための精神的な支援が継続的に必要であると感じた訪問でした。