リムーバブルヒール

先日、東京銀座にオープンした「GINZA SIX」に行った時にすごい靴をみつけました。

靴のヒールが手軽に取り替えられるというシューズです。

ヒールの取り替えはとても簡単で、中敷の下にある赤いヒモを引っ張りながらヒールをうしろにスライドさせると抜ける構造になっています。

違うヒールを取り付ける時も同じようにスライドさせるだけでOK。

ピッタリとロックされるシステムなので、とれる心配もなさそうです。

ALEGORY Parisというフランス製の靴で、3年の試行錯誤の末、開発されました。

そのきっかけはクリエイターが自分の妻の靴をみた時からはじまります。

「ヒールがその日の気分や予定に合わせられたらどんなにステキな事でしょう?」 その発想が始まりです。

ヒールのデザインや色が靴の印象を大きく左右します。しかしながら通常ヒールは靴にクギでしっかりと固定されているものなのでヒールを取り替えるということは発想にありません。特に靴メーカーの人たちは。

そのクリエイターはそのような固定観念にとらわれることなく情熱をかたむけたのでしょう。

常識にとらわれない自由な発想、創造性が革新を生み出すのだと思います。

 

人生というジグソーパズル

ジグソーパズルは一枚の絵をいくつかの小片に分解し、小片をまたはめてもとの絵に復元するものです。

ジグソーは英語で糸ノコギリの意味です。

糸ノコギリで曲線的にカットした小片は小さければ小さいほど難しく、又、絵が単色であればあるほど難しいのは言うまでもありません。

難易度が高いものは時間もかかり忍耐力も必要です。

年を重ねていくうちに「人生ってジグソーパズルのようだな」と思うことがあります。

はじめのほうは絵が何かもわからない。様々な小片を試してみるうちに少しコツのようなものを見つけます。

順調にいく時もあれば困難にあたる時もあります。

これだと思ったものがうまく合わず、時間をかけてその小片を探す。

いくつかの候補の中からやっとその小片を見つけ出す作業は、無駄の大事さを教えてくれます。

それは候補を探す過程でいろいろな色や形を覚え、次の解答へのヒントになるということです。

人生も様々な難問に答えを探し出すようなもので、その失敗が次の成功につながるといったことがよくあります。

効率重視の世の中ではありますが、無駄の中にこそ成功へのヒントがあるのではないかと思います。

人生の後半を迎える中で最後の小片をみつけて、美しい絵を完成させたいと思います。

京王プラザホテル店 オープン

2017年6月13日 弊社6店舗目の直営店となる京王プラザホテル店(東京・新宿)がオープン致しました。

京王プラザホテルは今年開業46周年を迎えました。

今でこそ東京西新宿は高層ビルが建ち並んでいますが、1971年は京王プラザホテルだけが建っていました。

現在350万人が乗り降りする新宿駅ですが、当時の西新宿は再開発がスタートしたばかり。

まっさらの街にぽつんと超高層ホテルが営業を始めたことで、人は引き寄せられ活気が生まれ、今の西新宿が形成されました。

現在の西新宿は世界中のビジネスマンや旅行者がひっきりなしに訪れるグローバルな街です。

京王プラザホテルに訪れるお客様の出身国は100ヶ国以上にのぼり、国賓や多くのVIPもお泊りになられています。

客室数は本館・南館あわせて1,437室。

巨大ホテルでありながら非常にぬくもりのある親しみやすいホテルです。

そのような歴史があり、かつフレンドリーなホテルに出店できたことに感謝しています。又、このオープンに際し、尽力していただいた全ての方々にこの場を借りて御礼申し上げます。ありがとうございました。

お近くに来られる機会がありましたら是非お気軽にお立ち寄り下さい。

私たちの直営店 「サロンドグレー/ゴールドファイル 京王プラザホテル店」 は南館3Fに位置しています。

新たなお客様との出会いのとびらが開いたことにワクワクしています。

藤田美術館

大阪にある藤田美術館の所蔵品は国宝9件、重要文化財52件を含む数千点にものぼる東洋古美術品です。

明治時代の実業家 藤田伝三郎とその長男 平太郎、次男 徳次郎が収集したコレクションで、それらを社会文化向上発展に寄与したいと藤田美術館は1954年にオープン致しました。

その藤田美術館が6月11日までの展示を最後に長期休館致します。

施設の全面建替えを予定しており、2020年の開館を目指すそうです。

藤田伝三郎は世間ではあまり知られていないと思いますが、幕末の動乱期、高杉晋作の奇兵隊に入隊、木戸孝允、井上馨、山縣有朋らと親しくしており、様々な事業を展開していました。

当時の関西財閥の重鎮で三井、三菱と並ぶくらいだったそうです。

藤田伝三郎の大阪本邸は太閤園、東京別邸は椿山荘、箱根別邸は箱根小涌園、京都別邸はホテルフジタ京都であったことからも藤田財閥の勢いがうかがえます。

その藤田コレクションの中で特筆すべきは曜変天目茶碗です。

瑠璃色の曜変と呼ばれる斑文は、まるで宇宙に浮かぶ星のように美しい輝きを放ち、品のある華やかさの中に落ち着きがあり、「器の中に宇宙が見える」と評されています。

曜変天目茶碗は南宋時代の中国で作られたとされていますが、現存するものは世界で3点のみ。そのすべてが日本にあります。

日本では室町時代から唐物の天目茶碗の最高峰と位置付けられ、時の権力者の所有物となっていました。

2020年、新しくなった藤田美術館で曜変天目茶碗を見てみたいです。

寺ドル

「お寺に人が来ない」という課題を払拭しようとお坊さんや尼さんがギターやマイクを片手に立ち上がっています。

その名は寺ドル。

仏像をバックに熱い歌でお寺をライブハウスに変身させているのです。

実際、お寺は天井が高く、音響もいいので理想のライブハウスなのです。

現役僧侶の薬師寺寛邦さん率いる2人組ユニット「キッサコ」。

アコースティックギター2本とハーモニカだけで奏でるシンプルさですが、パワフルな曲が境内を包み、ファンは曲に合わせて手拍子をしたりタオルを振り回したりと一体感を醸し出します。

一方、ライブハウスで派手な衣装に身を包み、「電飾の光背」を掲げ、仏教を歌う尼さんがいます。

その名も「愛$菩薩」、ライブを法事と呼ぶ仏教界の正統派アイドルです。

活動当初は怒られると思い、住職の父に隠れて活動していましたが、「若い人の共感を得るには同世代の活動が一番」と賛同してくれたそうです。

印象に残る菩薩をイメージした金ぴかの衣装や電光装飾の効果は抜群で、ライブをきっかけに若い人がお寺に訪れ、仏教の話や悩みを相談しに来る人も増えたそうです。

新たな手法でお寺や仏教のイメージを良くしていこうと奮闘する若いお坊さんや尼さん。

それらの活動を応援する仏教界の懐の広さにも感動します。