セーブ・ザ・チルドレン

飢餓や紛争、災害等で困難な状況に陥った子どもたちを支援する国際NGO団体セーブ・ザ・チルドレン。

1919年に創設されて今年で100年を迎えます。

セーブ・ザ・チルドレンの歴史は第一次世界大戦により荒廃した1910年代のヨーロッパにさかのぼります。

当時、イギリスは敵対するドイツやオーストリアの海上輸送路を封鎖しており、食料の供給が断たれた国々では、多くの子どもが飢餓に陥っていました。

「敵国」の子どもを助けるなど考えもされなかった時代にイギリス人のジェブは妹ドロシーと共にこの惨状を社会に伝えようとします。

「私たちの国が行っている封鎖が何百万人もの子どもの命を奪っています」と書いたチラシをロンドン中心部のトラファルガー広場で配りました。

この行為でジェブは逮捕され、有罪判決を下されます。

しかし、検察側の弁護人はジェブの行動に心を動かされ、「5ポンドの罰金は自分が支払う」と申し出たのです。

それをきっかけに「セーブ・ザ・チルドレン基金」の活動が始まりました。

ジェブは戦争で被害を受ける子どもたちを憂い「ジュネーブ子どもの権利宣言」 を起案し、国際連盟で採択されました。

その理念は「子どもの権利条約」 となり、1989年に国連総会で採択され、現在日本を含む196の国と地域が批准。

人権条約としては歴史上最も多くの参加を得た条約となりました。

私たちは世界中の子どもたちの権利の実現のために活動しているセーブ・ザ・チルドレンに共鳴し支援しています。

医者の長時間労働

働き方改革で残業時間を減らそうという取り組みが全国的に広まっていますが、医療の現場では医者の長時間労働は日常的にあります。

人の命を預かるという職場なので医者に負担がどうしてもかかってしまうのは仕方がない面もありますが、あまりに過酷な労働時間を強いられると医者の方が倒れてしまいます。

長時間労働の疲れから注意力不足による医療ミスも報告されています。

国が定めた年間の残業時間の上限も普通の会社は720時間なのに、医者は1860時間と2倍以上。

日本の医療は医者の長時間労働で支えられていると言っても過言ではありません。

このような医者の長時間労働を減らそうと開発されたのが医療用アプリ「ジョイン」

これはセキュリティーを強化したラインのようなもので当直医が判断に迷った時に休んでいる医者に画像と文章でアドバイスを請うもの。

CT画像や症状を送り、治療方針が間違っていないか確認します。

医者はそれぞれの専門があるので、そのアプリを使うと専門医に適切なアドバイスが聞けるのです。そうすると医者が病院に呼び出されることが減るのだそうです。

ITの技術が人間の長時間労働から解放するすばらしい例です。

マインダー

仏教の経典 「般若心経」を解説するアンドロイド観音「マインダ―」が3月8日~5月6日まで京都高台寺で披露されています。

高台寺の後藤執事長とロボット研究で著名な大阪大の石黒教授の対談がきっかけで、仏教を身近に感じてもらおうとアンドロイド観音が実現しました。

アンドロイド観音は高さ1.95mで頭部や両手はシリコン、胴体部分はアルミニウム製。

左目の内臓カメラで参拝者を確認し、空気圧で動くそうです。

タレントのマツコ・デラックスさんのアンドロイドを手掛けた会社等が協力して作り、製作費は約2500万円。

アンドロイド観音の背景にプロジェクションマッピングで映像を流し、英語、中国語の字幕が付くので外国人にも理解できます。

「人間とは何か」という法話で、マインダ―は「相手に共感する心はロボットに持ち得ない。人間であるあなたたちに備わる力だ。」と説きます。

後藤執事長は「話す、動く、目を合わせる仏像から心の安らぎを得てほしい」と話しています。

是非、行かねばと思っています。

 

グリーンブック

アカデミー作品賞を受賞した 「グリーンブック」 最近観た映画の中で一番すばらしい映画でした。

題名のグリーンブックは1936年から66年まで発行された、黒人を泊めるホテルのガイドブックのことです。

当時、人種差別が厳しいアメリカでは黒人を受け入れる宿は少なかったので、グリーンブックが必要だったそうです。

1962年、黒人の天才ピアニストのドンは元ナイトクラブの用心棒トニーをアメリカ南部ツアーの運転手として雇います。

ドンは博士の学位をいくつも持ち、洗練された身のこなしをする上品な黒人です。

一方のトニーはたばこの燃えさしを車の窓から投げ捨て、汚い言葉をまき散らす粗暴な白人です。

なにもかもが正反対な二人なので、最初はぶつかります。

しかし、様々なトラブルや困難を経て、二人は心を通じ合わせていきます。

ドンの「尊厳のある生き方」 とは何なのかを説教くさくなく、トニーを通じて感じられる映画です。

又、トニーの「ファミリー愛」 をドンを通じて感じられます。

見終わったあと、心がほっこりと温まる映画でした。

トクサツガガガ

「トクサツガガガ」 NHKで2019年1月18日から毎週金曜夜10時からスタートしたドラマです。

原作は丹羽庭さんの人気漫画で、特撮オタク女子がリアル社会で直面する苦悩をコメディータッチで描いたドラマです。

特撮が好きなことを隠して生きているヒロインが同じ境遇の友人を通して成長していく姿を小芝風花さんが好演しています。

特撮オタクだけではなく、様々なオタクが登場します。

その人たちは「私の好きなこと」を人に言えず、ひっそりと生きています。

「多様性を認めよう」 と口では言っていても 「普通はこうだ」 というレッテル貼りが多い社会。

男性、女性、大人、子供とカテゴライスされて 「普通」 と 「普通ではない」 という価値観が知らず知らずに作られていて、同調圧力が多いのが現実です。

どんな性別、どんな年齢であっても 「好きなモノは好き」 と普通に言える社会へと変化していくきっかけになればいいと思います。

この番組は昨年ヒットした「おっさんずラブ」 に続く社会現象を引き起こすのではないかとひそかに思っています。