米粉チーズ

コメ卸最大手の神明がコメから作るチーズの本格生産に乗り出しました。

熱するとトロリと伸び、見た目は本物そっくりの「米粉チーズ」は米粉の生産に際して「加水分解」と呼ばれる技術を応用したのが特徴です。

精米したもち米を砕いた後、高温・高圧の水に入れて溶かすことで冷めても固まりにくい性質に改良しました。又、オリーブオイルを加えてチーズらしい色と風味を実現し、酒かすで香りも再現しました。

神明は約10億円を投じて神戸に専用工場を設け、月に200トンの生産量を見込んでいます。

原料には秋田県の契約農家から仕入れるもち米を使う予定です。

まずは冷凍食品メーカー、飲食店チェーン向けに販売を始め、2022年秋ごろには消費者向けにも販路を拡大する計画だそうです。

販売価格は1キログラムあたり1000円程度となる見通しで、米粉チーズは通常のチーズより1~2割程度安くなります。

大豆肉をはじめとする代替食品は既存品より高価になるケースが多いのですが、割安な米粉チーズは価格競争力も魅力です。

欧米を中心にビーガン(完全菜食主義者) が増加傾向で、豆腐、ナッツ類などを使った植物性チーズの人気が高まっています。

米粉チーズも海外の乳製品メーカーからの引き合いが強く、世界的な大ヒット商品となる可能性があり、大注目の商品です。

音始末

新型コロナの感染拡大で巣ごもり生活が定着してきました。

アパレルや外食は不振でしたが、楽器関連は大きく売上を伸ばしました。

しかも意外なものが売れているのです。

島村楽器の2021年上期売上ランキングをみると1位はピアノで、2位はなんと「防音室」でした。

通常の家屋に備え付ける防音室は50万円以上かかるのですが、簡易型の防音室を12万円前後のお手頃価格で販売したところ想定以上のヒットとなりました。

楽器の練習用以外でもリモートワーク用やパソコンを利用した音楽配信用のスペースとしての需要があったのです。

音を巡るご近所トラブルを避けるための後始末ならぬ音始末に新たな需要があるのだそうです。

電子楽器のローランドも音始末の需要をつかむ商品を発売しました。

ステージで弾いているような臨場感を味わえるワイヤレス型のヘッドホン型ギターアンプシステムで品切れになるほどの売れ行きで、ベース版も追加発売しました。

音の始末で問題解決、令和の新しいビジネスの予感がします。

Z世代

人は生まれ育った時代で大きく考え方が異なります。

「X世代」と呼ばれるのは1965年から1980年までの生まれを指し、戦後復興から現代まで絶え間ないテクノロジーの進化と共に成長してきた世代です。

「Y世代」は1981年から1995年までの生まれを指し、インターネットを使用することが当たり前なデジタルネイティブ世代で価値観に多様性があります。

「Z世代」は1996年以降、インターネットが普及された世界に生を受け、新しいサービスが次々と生まれる世の中において、それを「消費すること」で自己を形成してきた世代です。

又、「Z世代」は小学生時代にリーマン・ショックに遭遇し、不況の時代しか知らないと言っても過言ではありません。

ですから、お金を使って遊ぶというよりかは、あるもので最大限の楽しみを引き出すことに価値を見いだすなど堅実な経済感覚を持ち合わせています。

意外と思考は保守的であり、SDGsに象徴される環境保全、社会貢献に対する感度は思いのほか高いのが特徴です。

「Z世代」の言動は、わからないとさじを投げる前に、彼らの育ってきた環境や考え方に焦点をあてると理解できるヒントがあるのではないかと思います。

シラファー

飲みニケーションという言葉に代表されるように、企業から大学サークルに至るまで潤滑油としての酒の役割は大きいです。

しかし、酒を飲まない、飲みたくない人にとって酒の場は苦痛です。

酒を飲まない人たちのことを最近では「シラファー」(しらふの変形) と呼ぶらしいのです。

シラファーを中心に飲めなくても楽しめる場を作りたいというムードが高まってきています。

新たなノンアルコール文化です。

ノンアルが普及し始めたのは2009年。道交法改正に伴う飲酒運転の罰則強化を受け、ノンアルコールビールが発売されました。

あくまで飲める人の代替品であったのがですが、次第にノンアルそのものを楽しむ商品が開発されてきました。

酒を飲めない、飲まない人は約4000万人といわれ、実は潜在需要はとても大きいのです。

2021年7月には東京秋葉原にノンアル飲料を提供する「LOW  NON   BAR」がオープンしました。

ダイヤモンドカットした氷を入れたカクテル、オーガニックの白ブドウを搾ったワインなどをそろえ、雰囲気もバーそのものです。

ノンアル市場のこれからに注目です。

新社会人

4月1日から新社会人となった人も多いと思います。

コロナ禍で十分な学生生活を送れなかった世代であり、時代の転換期に就職するという点では注目を集めるのではないでしょうか。

コロナの世界的大流行だけでも世界を一変させてしまったのに、ロシアのウクライナ侵攻でより先の読めない不透明な世界になってしまいました。

全世界が環境問題の解決に同じ方向で努力していき、グローバル経済が発展していくと思われていたのにロシアの蛮行によりその前提が崩されてしまいました。

米ソ冷戦時代のブロック経済に逆戻りしそうです。

でもモノは考えようです。

それほどの苦難を経験した若者は過去にそんなにいません。苦労をしたからこそ精神的にも成長したはずなので、その点は自信を持って下さい。

これからは前例や正解のない課題が待ち受けています。

それらは、ほとんどの大人にとっても経験という武器が使えないので難しい問題なのです。

今まで受動的にみてきた問題も主体的に解決すべき問題として取り組んでほしいと思います。

新たな知恵や発想が世の中を変えていくのです。