コメ卸最大手の神明がコメから作るチーズの本格生産に乗り出しました。
熱するとトロリと伸び、見た目は本物そっくりの「米粉チーズ」は米粉の生産に際して「加水分解」と呼ばれる技術を応用したのが特徴です。
精米したもち米を砕いた後、高温・高圧の水に入れて溶かすことで冷めても固まりにくい性質に改良しました。又、オリーブオイルを加えてチーズらしい色と風味を実現し、酒かすで香りも再現しました。
神明は約10億円を投じて神戸に専用工場を設け、月に200トンの生産量を見込んでいます。
原料には秋田県の契約農家から仕入れるもち米を使う予定です。
まずは冷凍食品メーカー、飲食店チェーン向けに販売を始め、2022年秋ごろには消費者向けにも販路を拡大する計画だそうです。
販売価格は1キログラムあたり1000円程度となる見通しで、米粉チーズは通常のチーズより1~2割程度安くなります。
大豆肉をはじめとする代替食品は既存品より高価になるケースが多いのですが、割安な米粉チーズは価格競争力も魅力です。
欧米を中心にビーガン(完全菜食主義者) が増加傾向で、豆腐、ナッツ類などを使った植物性チーズの人気が高まっています。
米粉チーズも海外の乳製品メーカーからの引き合いが強く、世界的な大ヒット商品となる可能性があり、大注目の商品です。