レナウンの選択

先日、中国の大手繊維メーカー山東如意が東証1部上場のレナウンを買収した
と新聞で報じられていました。

具体的には、レナウンが山東如意を引受先に約40億円の第三者割当増資を7
月末に実施し、資本・業務提携を結ぶというものです。山東如意が41%超の筆
頭株主となりレナウンは山東如意の傘下に入り、経営の立て直しを図るというも
のです。

最近のグローバルな動きからすると必然の流れかもしれませんが、私の率直な
感想は「あのレナウンが中国メーカーの傘下になるなんて・・・ おまけに40億円
とは安すぎる」といったものでした。

ここ数年、中国系企業による日本企業買収の動きは活発になってきていました。
しかし、東証1部上場企業の買収は初めてです。

レナウンの狙いは高い成長が見込まれる中国市場です。山東如意の持つ販売、
物流網を活用して市場を開拓し、需要の取り込みを図ります。

一方、山東如意はレナウンの品質や技術力、ブランド力に魅力を感じ、中国と
日本はもとよりアジア市場での事業拡大を視野に入れているでしょう。

両者の思惑は一致しているように思えます。しかし、売上高の7割以上がデパ
ート向けで占めていたレナウンが万策尽きて、中国の新興企業に買収されると
いう事実は、そのレナウンのビジネスモデルが今の時代には通用しなくなってき
ているという事を見せつけられている感じがします。

事実、この報道後、株式市場は好意的に受け止めレナウンの株価は上昇してい
ます。

女性のズボン着用は厳禁?

女性のズボン着用は厳禁という法律がフランスに存在するそうです。18世
紀に制定された法律が今も残っていることがわかり、左翼政党が廃止を求
めているそうです。もちろん法律はあっても運用はしていないのですが、ファ
ッションの聖地フランスでの事なので興味深い話です。

法案が制定されたのは、フランス革命直後の1799年「健康上の理由以外」
での女性のズボン着用を禁じ、その後の改正で「乗馬などの際に限って」の
着用が認められたそうです。

当時、馬に乗る時に適しているとされたズボンがファッションアイテムとして
注目されたのは比較的最近で、50年ほど前からだそうです。その後のパン
ツルックの浸透は世界の女性のファッションを見れば火をみるよりも明らか
だと思います。

そう思うとファッションというのは時代や社会の変化によって大きく変貌して
きているのがわかります。

女性の社会進出が進むにつれ、より機能的なパンツスーツ等が求められて
きたのはその典型的な例でしょう。

しかし、先日「男性のスカート着用が流行」というニュースを目にしました。

これが今後の社会の変化につながるのか、一種の嗜好なのかは20年後
の判断を待ちたいと思います。

イタ車

先日、バスに乗っていると前の座席の若者の会話が聞こえてきました。

「うわっ!イタ車や!」と窓際の男子。

「ほんまや!」と返す通路側の男子。

その目線の先には私が想像していた車とは大違いの車がありました。

恥ずかしながら私が想像したのは「イタリアの車」で「イタメシ」(イタリア料理)
「イタカジ」(イタリアンカジュアル) の延長線上での発想でありました。

実際に目に飛び込んできたのは、美少女系のアニメキャラクターを全面に装
飾した車でした。

帰って調べてみると「イタ車」ではなく「痛車」で装飾のモチーフが「痛々しい」
のが痛車の基準であるらしいです。

2000年のはじめからオタク文化が世間一般に広く知れわたるようになり、キャ
ラクターを全面に装飾した「痛々しい」車が現れはじめたそうです。一部の人た
ちの間でブームとなっているようです。

モータースポーツの世界では様々なキャラクターを配した「レーシング痛車」が
活躍しているそうです。

ちなみに同様の改造をしたバイクは「痛単車(いたんしゃ)」と呼ばれ、自転車
は「痛チャリ(いたチャリ)」と呼ばれるそうですが、残念ながらまだ見たことが
ありません。

バウリンガルボイス

バウリンガルとは2002年にタカラが発売した犬の鳴き声を通訳する機械です。
当時、大ヒット商品となりノーベル賞のパロディ版であるイグノーベル平和賞を
とったほどバカバカしい商品として話題になりました。

そのバウリンガルが機能をアップして発売されたのが「バウリンガルボイス」で
す。犬の気持ちがよくわかる犬語翻訳機というキャッチコピーについ気持ちが
ゆらいでしまいました。

これがあれば我が家の「チョコ」(トイプードル、オス)ともう少しわかりあえるので
はないかと思ってしまい、ついつい買ってしまいました。

商品としてはかなりレベルアップしていて対応犬種50種、音の専門家による
動物感情分析システムを応用した音響分析による解析という説明に自然と期
待がふくらんでいきました。

そしていざ犬種をセットして装着し、第一声を待ちました。

「・・・・」

鳴かない・・・。

室内で飼っているため鳴かないようにしつけをしていたのが裏目に出ました。

「チョコ!ほら鳴いてみ!」といっても鳴きません。

あれこれと格闘すること10分、しつこい飼い主に根負けしたかのように鳴きま
した。

「ワン ワン」

おお!ついに鳴いた!何と言っているのだろう!

翻訳機はもったいつけるように解析中と表示しています。そして次の瞬間、次
のような文字が出てきました。

「ボク、ここにいるよ!」

恐るべし バウリンガルボイス。