オークションスペシャリスト

世の中にはあまり人には知られていない色々な仕事があります。

先日、NHKのTV番組でみたオークションスペシャリスト。

クリスティーズなどの美術品のオークションに出品するお宝を探し出す仕事がオークションスペシャリストです。

その仕事は大きく分けて3つです。

① 発 掘 (お宝を見つける)
② 査 定 (落札価格を予想)
③ カタログ制作(買い手用の資料を作る)

美術品に精通した目利き力と情報を得るための信用力がとても大事です。

そのオークション業界で、その人ありと言われる日本人がいます。

山口桂さんです。

贋作も多数ある中で、これはというお宝を発掘する情報力と目利き力において一目置かれている人物です。

その番組の中で、伊藤若冲の世界的コレクターであるジョ―プライス夫妻が登場。コレクションの半分を日本で大切に展示してくれる人に譲りたいので手伝ってほしいと山口氏に依頼していました。

それは山口氏がプライス氏から絶大なる信頼をうけている証拠です。

美術品を後世に残していくという仕事にはお金だけではない、熱意と誠実さが最も必要なのだと感じました。

飛び級的進化

インド政府が電子決済による「キャッシュレス(現金のない)社会」の構築を進めています。

スマートフォンやクレジットカードがなくても支払うことができる、正に飛び級的進化をインドは目指しています。

以前よりインド政府は公共サービスの電子化を進めてきました。

2009年には国民に「アーダール・ナンバー」(ヒンディ語で「基礎番号」の意味)と呼ばれる12桁の識別番号の発行を開始。氏名や年齢に加え、両手の指紋や虹彩、顔写真とともに政府のデータベースに保管し、補助金の支給などの公共サービスに利用してきました。

インドは元々戸籍がなく、正式な身分証を持たない国民も多かったのですが、地元メディアによると、すでに成人の99%が登録済といわれています。

政府は4月、アーダール・ナンバーと銀行口座を連動させた新たな電子決済をスタートさせました。

店先で番号を伝え、専用の機械に指紋をかざすと代金が銀行口座から引き落とされる仕組みで、スマホやカードがなくても支払いができるのが特徴です。

店側は指紋を読み取る機械を購入し、専用アプリをダウンロードしたスマホに接続するだけでOKという手軽さです。

お寺のお布施も電子決済できるという新旧入り乱れたカオス状態です。

これは固定電話や戸籍制度という伝統的な社会インフラが未整備だったインドで、IT技術の進化により飛び級的進化が成功するかどうかという人類の壮大な実験の瞬間ではないかと思います。

先入観なく

4月下旬に星野リゾートが大阪に初進出するというニュースが流れました。

星野リゾートは地方の旅館やリゾート施設を再生して「星のや」「界」「リゾナーレ」のブランドとして生まれ変わらせて成功しています。

そんな同社が都市に大規模ホテルを建てるというニュースは意外な驚きをもって迎えられたと思いますが、私たち地元の人間は腰が抜けるくらいびっくりしています。

それは場所が新今宮という開発から忘れ去られたような土地だからです。

星野社長曰く
・関西空港、JR新大阪駅からのアクセスが良い
・新世界、天王寺動物園、あべのハルカスに近い
・USJにもすぐ行ける

つまり大阪の都市観光をする人にとってはとても便利な立地であるということです。

よく考えてみると、新今宮駅は関西空港につながる南海電鉄の主要駅であり、新大阪やUSJに行くJR線もあります。

星野リゾートが進出する土地はまさにJR新今宮駅の目の前の広大な土地で、そこに緑広がる庭やきれいなホテルが建つと地域の印象が大きく変わるでしょう。

大阪の人たちにとって、そんな発想は生まれませんでした。

先入観なく考えられる星野社長にとっては「ポテンシャルのある土地」に写ったのでしょう。

このニュースは先入観なく考えることの大事さを改めて感じました。