デュフィ展

先日、大阪に新しくできた、あべのハルカス美術館で「デュフィ展」をみてきました。
デュフィはピカソやマティスなどとともに、20世紀前半にフランスで活躍した画家で、私の
一番好きな画家です。
彼は明るい色彩と軽快な筆さばきで社会や生活の明るい側面を描き、常に「生きる喜び」
を表現し続け、人々に夢を与える作品が多いので有名です。
この回顧展をみて、新たなデュフィの魅力に出会えた気がします。
デュフィはその独自のスタイルを確立するまでに絵画以外の分野にチャレンジしています。
木版画の制作、テキスタイルのデザイン、舞台装飾、陶器の絵付け、家具等のジャンルで、
どの分野においてもその才能を発揮しています。
その作品をみていると、着想とデザインがすばらしく、新しいものをとり入れる柔軟性にすぐ
れた天才肌の職人という感じがします。
しかしながら、絵画以外の分野での活躍が目立ちすぎたのか、20世紀の美術史における
デュフィの評価はあまり高くありません。
美術批評家のアポリネールがデュフィを「不遇にして、偉大なる画家」と評しています。
晩年、デュフィは病に悩まされ、時代は戦争に翻弄されます。
しかし、彼は絵画でそれらの暗さを出してはいけないという強い想いで「生きる喜び」を死ぬ
まで描き続けました。
私は、そのことが画家として最も評価されるべき点ではないかと思います。

大世界史

お盆休みに 「BBC大世界史」 というDVD (全8巻) を観ました。
「BBC大世界史」 はどんなものかという説明を宣伝チラシから引用すると
歴史が動いた人類史の大転換点を中心に世界の歴史を振り返る、今だかつてないドキ
ュメンタリー超大作です。世界最高レベルの番組制作を誇るBBC (英国放送協会) だか
ら実現できた必見の内容になっています。
「世界史はこんなに面白かったのか」
あなたの歴史観が変わるに違いありません。さあ知的好奇心とロマンを満たす歴史紀
行へ。想像を絶するスケールで人類 70000年の壮大な物語が今、はじまります。
なんとも仰々しい宣伝文ですが、観た後の感想は同感で、内容と品質はすばらしいの
一言に尽きます。
21世紀の人類が存在しているのも70000年前から様々な戦い、発見、苦悩、欲望を経
て、今という通過点を通っているのだという考えになります。
人類は農耕を開始し、定住生活をするようになりました。
そこで、貧富の差が生まれ、暴力による支配へと続いていきます。
奪う対象が時代により食糧から金になり、エネルギー資源へと変わっていきました。
民衆は心の救いを宗教に求め、仏教、キリスト教、イスラム教の三大宗教が広がってい
きました。
権力者たちはその宗教を利用し、自らの支配欲を満たそうとしていきました。
人類が歩んできた歴史は、一言でいって争いの歴史であったと思います。
3000年前に文明が生まれて以降、ずっと戦争をしてきました。
そして、20世紀には2度の世界大戦という史上最大の戦争がありました。
21世紀はいくつかの紛争はありますが、とても平和な時代ではないかとこの大世界史を
観て思います。
日本の8月は戦争について考えることが多い月です。
人類の智恵で戦争のない社会を創り出さねばと強く思います。

セールの変調

夏のセールが苦戦しています。
今年は暦の影響で6月27日からスタートしたところが多かったようですが、以前のような各
店一斉スタートではなく、バラバラのスタートが盛り上がり感に欠ける原因の一つであると
も言われています。
又、天候不順も一因であると指摘する声もあります。
一方でセール期間中にプロパー商品がよく売れているという話もよく聞きます。
これはどういうことでしょう?
お客様は以前よりもセールに反応しなくなっているように思います。
価格が下がったから買うのではなく、欲しいから買うという素直な購買動機にもとづいて
いるのだと思います。
はたして、お客様が欲しい時に適正な商品が提案できているのか?
検証してみる必要があると思います。
3月の寒い時期に春夏物はあまり売れません。9月の暑い時期の秋冬物も同じです。
6月のレインシューズはよく売れます。
季節の先取りはせず、季節に入ってから売れ出しているという傾向です。
春も4月5月6月と同じではありません。秋も9月10月11月と違います。気分も気候によって
大きく左右されます。
そうなると、春物や秋物はもう少し時期によって違った商品を提案することが求められてい
るのではないかと考えられます。
どこに答えがあるのかわかりませんが、今年のセールの変調をみて、消費者の変化を感
じざるを得ません。

キュウリビズ

体を冷やす効果があるとされるキュウリを食べて、暑い夏を乗り切ろうというキャンペーン
が東京で開かれています。
JA全農グループが夏の代表的野菜のキュウリの消費拡大のため、「クールビズ」 になぞ
られて 「キュウリビズ」 という名前で展開しているそうです。
キャンペーンに参加している飲食店は、様々な試行錯誤を繰り返しながらキュウリを使っ
た新メニューを開発したそうです。
キュウリを使ったタルトやケーキなどのスイーツや、すりおろしたキュウリを使ったカクテル
等、予想外のメニューで人気を集めているようです。
キュウリは今までよく知られている野菜ではあったけど、主役として登場することはなく常
に脇役の存在でありました。
江戸時代の儒学者 貝原益軒に 「味よからず」 と書かれ、ギネスブックに 「世界一栄養価
の低い野菜」 と認定される等マイナスイメージが先行していました。
「栄養価の低い野菜」 だからダイエットに向いているという逆手に取った発想。
消費者に受け入れられるのか興味深いところです。
土用の丑の日にうなぎを食べる、バレンタインデーにチョコレートを贈る等、様々な習慣を生
み出してきた日本。
千載一遇のチャンスにキュウリはブームに乗れるのか、個人的に大注目しています。