デュフィ展

先日、大阪に新しくできた、あべのハルカス美術館で「デュフィ展」をみてきました。
デュフィはピカソやマティスなどとともに、20世紀前半にフランスで活躍した画家で、私の
一番好きな画家です。
彼は明るい色彩と軽快な筆さばきで社会や生活の明るい側面を描き、常に「生きる喜び」
を表現し続け、人々に夢を与える作品が多いので有名です。
この回顧展をみて、新たなデュフィの魅力に出会えた気がします。
デュフィはその独自のスタイルを確立するまでに絵画以外の分野にチャレンジしています。
木版画の制作、テキスタイルのデザイン、舞台装飾、陶器の絵付け、家具等のジャンルで、
どの分野においてもその才能を発揮しています。
その作品をみていると、着想とデザインがすばらしく、新しいものをとり入れる柔軟性にすぐ
れた天才肌の職人という感じがします。
しかしながら、絵画以外の分野での活躍が目立ちすぎたのか、20世紀の美術史における
デュフィの評価はあまり高くありません。
美術批評家のアポリネールがデュフィを「不遇にして、偉大なる画家」と評しています。
晩年、デュフィは病に悩まされ、時代は戦争に翻弄されます。
しかし、彼は絵画でそれらの暗さを出してはいけないという強い想いで「生きる喜び」を死ぬ
まで描き続けました。
私は、そのことが画家として最も評価されるべき点ではないかと思います。