世界の靴産業の興味深いレポートがあります。
発行はポルトガル靴・皮革製品工業会で、内容は生産・消費・輸出・輸入の世界データとその分析、それに79ヶ国の国別データです。
昨年に発表されたものなので、データはすべて2015年のものです。
まず生産ですが、2015年の世界靴生産は230億足、前年より13億足の減少。そのうち中国が60%で圧倒的シェアを占めています。
次に消費ですが、ベスト3は中国、米国、インドで人口の多い国が上位です。
輸出についても中国がダントツで世界靴輸出の70%のシェアを占めています。2位はベトナム、それ以下もアジア諸国が多く、アジア全体で84%のシェアです。
不可解なのが輸出第3位のベルギーです。ベルギーの靴生産はほとんどないので、アジアから輸入してヨーロッパへ輸出する中継点としての役割から輸出量が増えているようです。
興味深いのは素材別シェアの推移です。
2005年から2015年の10年間で革靴のシェアが減少し、布製の靴が増加しています。
世界靴生産のうち革靴は17%ぐらいで、主流の材料ではないのです。
先進国の靴生産に限ってみると意外なことがみえてきます。
米国2900万足、フランス2300万足、ドイツ3300万足、英国600万足に対し、日本5700万足と意外に多いのです。
そのうち1900万足が革製で輸出はほとんどなし、ほぼ国内消費です。
世界の潮流に逆らいながらも踏んばっている日本の靴産業の姿を感じ、今年もがんばろう決意した次第です。