日本近海の水産資源に異変が起きています。
北海道函館市では6月に漁が解禁された名物のイカが今年も不漁になり、7月解禁の天然真昆布も海中で昆布が育っておらず、収穫はほとんど見込めない状態になっているそうです。
近年は他地域でもサバやサケ、サンマといったなじみのある魚で漁獲量が減少しています。
数十年単位で海水温や海流などが変化し、とれる魚の種類が変わる魚種交代と呼ばれる現象があります。
しかし、最近起きている不漁は周期的な変化の一面ではなく、温暖化による海水温の上昇が影響した、従来とは質の違う変化ではないかと危惧する声が強いのです。
関西の伝統的な食文化は昆布のだしがベースになっています。
京料理では淡白で清澄な利尻昆布、大阪料理では味に深みのある道南の真昆布がよく使われるなど、産地によって味わいや香りが異なります。
昆布を使うことは繊細な日本人の味覚、食文化の継承という点で大変重要であるといわれています。
そこで注目されるのが魚や海藻類の養殖です。
農産物では味の良い品種を生む改良の努力が今も続いています。
技術と工夫で改良するのは日本の得意技です。
水産資源の養殖は歴史が浅い分、改良の余地が大きいのではないかと思われますので期待したいです。