ブラックサンダー

1994年発売のチョコ菓子「ブラックサンダー」は年間2億本を出荷する超人気菓子です。

そこに至るまでの道すじは平坦なものではありませんでした。

大手メーカーのOEM生産等を手掛けていた有楽製菓 (東京都小平市) はココアクッキーとプレーンのビスケットの融合という菓子を開発します。

子供向け中心なのでネーミングも戦隊シリーズ的なイメージで「BLACK  THUNDER」に決定。既存のチョコバーより原材料が高いため、少し高めの30円に設定しました。

しかしながら子供に英語表記は伝わりにくく、値段の高さも敬遠され、結局鳴かず飛ばずでいったん販売休止に追い込まれます。

だが、なぜか九州での人気が根強く「せめて九州だけでも売ってほしい」と懇願され、販売を再開。立て直しに動き出します。

「BLACK  THUNDER」を子供に読みやすく「ブラックサンダー」に変更。

又、販路も拡大し、大学生協に売り込みました。30円は子供にとっては高くても、大学生には安いので売れていきました。

当時話題の「生協の白石さん」に紹介され「謎の菓子」として若い世代に広がっていきました。

人気を決定づけたのは、体操のレジェンド内村航平氏が2008年北京五輪前にブラックサンダー好きを公言し、人気に火がつきました。

味と品質に自信があった商品をあきらめることなく続けていったことが熱烈なファンを生み、ロングセラーにつながっているのだと思います。