イマドキのシェアビジネス 2

前回のブログで空いている店、工場、車、ヒトを利用するアイドルエコノミービジネスについて書きましたが、一番分かりやすい事例はUber(ウーバー)でしょう。

日本ではまだあまりよく知られていませんが、全世界でものすごい勢いで浸透している配車サービスです。

米・サンフランシスコ発祥のサービスで、Uberアプリのスマートフォンやタブレットへのダウンロードとクレジットカード番号の登録が必須です。

登録後は車で迎えに来てほしい場所をアプリの地図上でタップすると、近くにいるUber契約車が迎えに来て、目的地まで行ってくれるサービスです。

注目すべきはUber契約車の車はその人の所有車であり、その人のアイドルタイムを使って仕事をしている点です。会社勤めの人が休みの日に、フリーランスの仕事の人が仕事の合い間にお小遣いを稼ぐ感覚です。

目的地はアプリで伝えており、代金も登録されたクレジットカードで決済されるのでトラブルが起きません。

又、お客がUber契約車を、Uber契約車もお客を相互に評価するシステムがあり、悪い評価ばかりだと契約解除や乗車拒否の憂き目にあうので、マナーにおいても心配ありません。

そして驚くべきことにタクシーよりも料金が安いのです。

全世界でUber利用者が増えていますが、一方、旧来のタクシー業界は顧客を大量に奪われ、大打撃を受けています。

日本ではタクシー大手の日本交通が日本初のタクシー配車アプリを開発し、他のタクシー事業者も相次いで配車アプリを導入しています。

Uberが今後、日本に本格的に参入してくるのかどうか注目されます。

イマドキのシェアビジネス 1

高度経済成長期からバブル期まで日本は車や家、自社ビルなどの所有欲が日本経済の原動力になっていたのではないかと思います。

バブル崩壊後は国内景気が低迷し、消費形態に変化が生じてきています。

モノを持つという所有の概念から共有するというシェアの概念に変わってきているようです。

戸建ての住居やマンションを数名で住み、自室以外のキッチン、浴室、リビングなどの空間を共有するシェアハウス。

自家用車を持たずに何名かで共同使用するカーシェアリング。

このシェアのスタイルをさらに進化させたのがアイドルエコノミーです。

アイドルとは「使用されていない」 「遊んでいる」 という意味で使われる英語の形容詞。

飲食店でお客の一番少ない時間や工場で機械が稼働していない時間帯を「アイドルタイム」と呼びます。

このような空いている店や工場を見つけ出し、それらを借りたい企業に紹介するビジネスが急成長を遂げています。

例えば、夜だけ営業している居酒屋の昼間の時間帯を貸してもらい、カレーショップを営業する。居酒屋は賃料が入り、カレーショップは設備投資なしで店ができます。

店や工場だけでなく、車やヒトのアイドルタイムを利用してのビジネスはアイデアひとつで際限なく広がっていくような気がします。

海北友松

海北友松(かいほうゆうしょう)は桃山時代の絵師ですが、その時代に活躍した狩野永徳、長谷川等伯にくらべてあまり知名度はありません。

友松は近江の浅井家の有力武将の息子として生まれます。

時は戦国時代です。3歳の時に父が戦死し浅井家は滅亡、兄達も討ち死にしました。

その後、京都・東福寺で禅僧となりますが、和尚の勧めもあり狩野派に入門します。

師匠の永徳が亡くなった後は独自の世界を展開します。

彼が画壇で頭角を現すのは60代になってからで、非常に遅咲きの絵師です。

京都・建仁寺の大方丈の間に描かれた「雲龍図」は縦2メートル近い画面の8面構成で「日本一の龍」と呼ばれています。

又、最晩年の水墨画の「月下渓流図屏風」は月明かりに照らされた春の宵の情景が見事に表されています。

上記の作品をみても友松が狩野永徳、長谷川等伯に影響を受けていることは明らかです。

しかし、友松は永徳や等伯のように自分の流派を広げようとはしませんでした。

そのようなことには関心はなかったようです。

武家出身の矜持、そして茶の湯や連歌に親しむ教養人としての誇りがそうさせたのかもしれません。

そんな海北友松の特別展覧会が京都国立博物館で4月11日から開催されています。

興味のある人は是非どうぞ。

 

エア花見

エア花見とは、飾られた桜又は桜をモチーフにしたグッズをみて、屋内で楽しむ形態の花見です。

時には桜の写真や動画を見て楽しむこともあるそうです。

通常の花見は公園等の桜が見える屋外でシートを敷いて宴会というパターンですが、寒かったり雨が降ったりという天候リスクや花粉症、場所どり等、心配事も多いのが現実です。

そこで考えられたのがエア花見です。

天候リスクや花粉症、場所どりの心配も一切なし。

エア花見のできるお店に予約して行くだけです。

「そんなのは花見じゃない」 という意見がある一方で、「それはいい」 という意見もあり賛否両論のようです。

そもそも花見の真の目的は何でしょう?

桜を見ながら皆で酒を飲むことでしょう。

それが本物の桜なのか写真なのかの違いのみで、皆で酒を飲むという目的は達成されるわけです。

それでは今度、エア花見の是非について酒を飲みながらゆっくり議論しましょうか?