天高く馬肥ゆる秋

ぬけるような青空をみていると「天高く馬肥ゆる秋」という言葉が脳裏に浮か
んできます。

空は澄みきって高く、牧草などの食べ物も豊かになって馬も肥える秋の好
時節になったという意味です。

しかし、昔の中国では馬が食欲を増し肥えてたくましくなるので、北方から
の侵入に備え、国防を固める時期であるとされてきました。

今の日本では、いろいろな秋の味覚が収穫の時期に入るので「食欲の秋」
と同じように使われていると思います。

秋の味覚の代表格はマツタケではないでしょうか?

今年は中国産のマツタケが復活の兆しです。農林水産省によると中国産の
マツタケは国内市場の約6割を占め、価格は国産の2割弱だそうです。

昨年は中国産の食品への不信が高まり、大幅に減少しましたが今年は復
権しています。

マツタケ以外でも中国産の食品は日本に大量に輸入されており、中国産の
食品がなければ日本の食卓は成り立たなくなっています。

グローバル化がより進んでいく中で、平和を維持することが全ての前提にな
っているのだなと澄みきった青い空をみて思いました。

うどん職人

家の近くにうどん職人の店があります。
比較的新しい店ですが街の名店となっています。

全国的にそばやラーメンは打ち方やスープにこだわった名店が各所にあり、
職人技の世界を形成しているような気がします。

同じ麺の仲間でも、うどんは職人の世界ではなくて、気軽に食べれるイメー
ジではないでしょうか?

この店はそのイメージの真逆をいく、うどん道を極めた職人の店なのです。

店主は無口で、もくもくとうどんを作っています。その気迫はカウンター越し
にひしひしと伝わってきます。

その気迫が店の雰囲気を支配しているのか、満席なのにお客さんは静か
です。

ひとつひとつ丁寧に作るので時間がかかります。そのためにテーブルには
パズルや知恵の輪が置いてあり、ほとんどのお客さんは無言でそれらを楽
しんでいます。

「遅い」とか「早くして」というお客さんは一人もいません。

天ぷらが揚がるのと同時にうどんがゆで上がり、すばやく盛り付けされます。

店主が低い声で「おまちどうさま」といい、天ぷらうどんをお客さんの前へ置き
ます。

店内が静かなのでその全ての音や声が舞台をみているようにお客さんに聞
こえるのです。

心地よい緊張感のあるこの店で、背すじがピンとしたうどん職人のうどんを
食べることが最近とても好きです。

その店のはし袋のうらに店主の素直な想いがかいてあったので記しておき
ます。

―「うどん」の美味しさ、素晴らしさをお客様へ!―

職人魂はこうあらねばならないと思いました。

 

不思議な世界

先日、知人が出演するというのでコンテンポラリーダンスの舞台に行って
きました。

渡された地図をたよりに行くと大きな通りから1つ辻を入ったところの小
劇場にたどりつきました。

「えっ、こんな所に」という軽い驚きを覚えながら中に入ると、30人も座れ
ば満員になりそうな予想外に小さい舞台でした。

開演時間が近づくと司会らしき優しそうな男性が、ボソボソとささやくよ
うに観客に語りかけはじめました。

「コンテンポラリーダンスをはじめてみられる方は、少しやさしい気持ちで
みて下さい。」

「?」

「ダンサーのパフォーマンスにどんな意味があるのだろうかということは
深く考えない方がいいと思います。」

「??」

「意味がある時もあるし、意味のない時もあるのですから・・・  」

「???」

「世の中には意味がわからないままほっといていいことも、あっていい
のはないでしょうか」 

「?????・・・」

「それではスタートします」

心の準備も心がまえも何もできていない状態でパフォーマンスがはじまり
ました。

音楽と照明にあわせてダンサーが踊り出します。時には激しく、時には
ゆっくりと走り出したり、寝そべってみたり、小道具もとびだします。国旗
やボール、靴、仮面それらを使って踊っています。うまいのかへたなのか
それさえもわからない。

とっさに入口で渡されたパンフレットに目をやると「空気のとらえ方」という
タイトルがかいてあります。よけいに混乱してしまいました。

そして全てのパフォーマンスが終り、なぜか出演者と観客のトークコーナー
が始まりました。

なぜトークをする必要があるのか「?」でしたが司会の言葉を思い出し強引
に納得しました。

とても不思議な世界でしたが、なぜか退屈とは思わず、次に何が起こるか
予想もつかないのでおもしろかったです。

後日、知人に会ってどうだったか聞いてみました。

「一応シナリオはあったけど半分以上はアドリブだったから・・・」

もう何があっても驚かないと心に決めました。
   

ブランディング部が出来ました。

昨年の11月に私たちは創立20周年を迎え、これからの10年は「ブランドに
なる10年にしたい」と宣言致しました。

ブランドになるということは、どういうことでしょう?

それは、はきやすい靴だから買うのではなく、サロンドグレーの靴だから
買いたいとお客様に思ってもらうことだと考えています。

しかもその選ばれる理由が「品質」でありたいと思ってます。

商品の品質、サービスの品質、社員の品質等そのどれをとっても卓越した
レベルを目指さなければならないと考え、そのために新たにブランディング
部という部署を設けました。

5年先、10年先をみすえて常に未来指向型の視点をもってブランド作りの
ための施策を立案、実践していきたいと考えています。

まだまだ私どもは未熟で改善すべき点はいくつもあります。

しかし志は高く、歩みはゆっくりと確実に進めていきたいと考えています。

私は毎日一生懸命に働いている社員さん達、販売員さん達、職人さん達
をみていると必ずお客様から選ばれるブランドになれると確信しています。

これからも頑張ってまいりますので、あたたかく見守っていただければ幸
いです。