泣いて馬謖を斬る

「三国志」の中で蜀の有能な武将の馬謖が軍のルールを破ってしまい、諸葛亮に処刑
されてしまうという話です。

諸葛亮は非常に有能な武将を失うのは惜しいと思い悩むのであるが、ルールを破った
者を甘い処分にしてしまうと他の者への示しがつかないと涙を流しながらも処刑に踏み
切ります。

諸葛亮は全体の規律を守るために苦しい決断をしなければなりませんでした。

先日、こんなことがありました。

私たちの会社に長年勤めている職人さんが社内のルールを破ってしまいました。

指定された場所以外は禁煙というルールを破り、作業場でたばこを吸っていました。

本人はごく軽い気持ちで「すみません、次回から気を付けます。」ということで済むと思
っていたのでしょう。

私たちの製造スタッフは「三度目の注意である」 「社内ルールの守れない人とは信頼
関係を持って仕事ができない」という理由でやめてもらうことを進言してきました。

慢性的な職人さん不足の中で職人さんにやめてもらうことは痛手ではあるけれど、あ
えて規律を重んじることを優先させた製造スタッフの勇気ある決断を支持し、その職人
さんにはやめてもらうことになりました。

その後、その職人さんの穴を埋めるのは大変ですが、製造スタッフと他の職人さんの
中で規律を守ることの重要性が広く浸透していっているのをみると、この決断は正しか
ったと思います。

ほんの少しだけ、諸葛亮の気持ちがわかったような気がします。