ホタル

梅雨の時期が近づき、水辺ではそろそろホタルが光り輝きながら舞い飛ぶ姿を目にすることが出来るようになってきました。

日本では夏の季語やこの季節の風物詩として古くから親しまれてきたホタルですが、その生態等については今だに多くの謎があると言われています。

現在日本には主に大型 (12~15㎜) のゲンジボタル、ひとまわり小型な (7~10㎜) ヘイケボタル等、約50種類が生息しています。

そもそもホタルはなぜ光るのでしょうか?

ホタルは光の点滅によってそれぞれの個体間でコミュニケーションをとっていると考えられています。

またその光り方は刺激されたときの光り、敵を驚かせるための光り、雄が雌に求愛するときの光りの三種類があるそうです。

同じゲンジボタルでも光の点滅が東日本では4秒周期なのに、中部地方では3秒周期で西日本、四国では2秒周期だそうです。

地域による遺伝子の違いなのか環境なのか、その原因は不明です。

ホタルの成虫は10日間前後でその一生を終えます。その短い期間に精一杯生きているホタルたち。

そのはかなく美しい光景を失くさないためにも、ホタルの住みやすい環境を保護していく事が大切だと思います。

プロキング

ゴミを拾いながらジョギングする北欧発祥のスポーツ「プロキング」が名古屋で広がっているそうです。

プロキングはスウェーデン語の「拾う」と英語の「ジョギング」を組み合わせた造語だそうで、登山愛好家の常田英一朗氏らが北欧から取り入れ、日本で広めようと活動しています。

常田氏は「ゴミを拾うためにしゃがみこむことでジョギングの1.2倍のカロリーを消費する。参加者が協力しながらゴミ拾いをして新たな交流も生まれる」と効果を説明しています。

名古屋市は2020年10月より定期的にプロキングのイベントを開いており、徐々に人気が高まっています。

「会話をしながらゆっくりと走れて社会貢献もできて心地よい」

「ただ走るだけじゃなくて、ゴミ拾いが加わるだけで走る苦しさが薄れる」と参加者の反応も上々です。

約1時間のプロキングで45キロのごみが集まるそうです。

市環境局の担当者も「決まった人にゴミ拾いをしてもらうよりはスポーツにすることでいろんな人が参加できる。ごみを捨ててはいけないという意識にもつながる」と言っています。

スポーツをしながら社会貢献ができるので全国的にヒットするのではないかと思っています。

 

焼き芋ブーム

2000年代初頭から長く静かに続いてきた「焼き芋」ブームがコロナ禍でさらにヒートアップしています。

焼き芋専門店のニューオープンや多店舗展開は全国に広がっています。

さらに最近の焼き芋ブームの過熱ぶりを象徴しているのが、2月23日から5日間にわたって開催された「さつまいも博 2022」です。

2021年はコロナ禍で開催が見送られ、2022年は入場制限などの対策を実施しながら開催されましたが、それでも5日間で約3万人の入場者を集めました。

同イベントの目玉は出店する全国の焼き芋店から来場者の投票で選ばれる「全国焼き芋グランプリ」です。

2020年グランプリ受賞の焼き芋「長期熟成シルクスイート」は、ねっとりとした食感が特色。あぜ道1つ越えただけで芋の味が全く変わってしまうとワイン醸造家のごとく畑まで指定して選び抜いたそうです。

今後のブームの行方について、さつまいも博実行委員会の石原氏は「ねっとり系の人気は今後も続くだろうが、最近は一周してホクホク系の焼き芋を求める方も増えている。今後は希少品種や地域性のあるサツマイモが注目され、焼き芋ブームが次のステージに行くのでは」と予測しています。

ねっとり系かホクホク系か熱い闘いが続いています。

ボタン押したい

目の前にボタンがあると人は押そうかどうか、むずむずとするらしいのです。

生態心理学を専門とする東京大学の佐々木正人名誉教授は「バスやエレベーターなど重要な社会的公共物でボタンの意味を学んでいるからだ」と語ります。

ボタンを押したいというニーズに応えるため開発されたのはカプセル玩具「バス降車ボタン」です。

カプセルの中にはバスでよく見るあのボタンが1つ。押せば「次、止まります」のアナウンスが流れます。

その他にレストランなどで見かける店員の呼び出しボタンや食券のボタンなどがあり、カプセル玩具の中ではヒット商品となっています。

エレベーター用表示器を製作する島田電機製作所 (東京都八王子市) は社内に1000のボタンを展示して話題を呼んでいます。

月に最大3度開かれる工場見学の予約競争は苛烈を極め、年内はすでに予約でいっぱいだそうです。

人はなぜボタンを押したいのか。

バスでは降りる時、レストランでは人を呼ぶ時等、用がある時しか押せないボタン。

知らず知らずのうちに自制している「押したい感情」が好きな時に押せるボタンの前で表れるのかも知れません。

日本のアート市場

新型コロナウイルス下で住環境への関心が高まるなか、アート作品を身近に置いて楽しむ人が増えています。

先行き不透明な時代に思考や感情を刺激する一助としてアートを求める流れも背景にあるようです。

アート通信サイト「WASABI(ワサビ)」を運営する平山氏は「コロナ禍以降、特にアート人気を感じている」と話します。

WASABIでの平均単価ですが、19年は1万5千円程度であったのが20年以降は3万円台に上昇しました。

同社のアンケートによると、以前は家族世帯が引っ越しを機に買うケースが多かったのですが、今は単身者が半分を占め、男女の比率も半々だそうです。

在宅勤務でテレビ会議が増え、画面の背後にアートを置きたいニーズがあるそうです。

世界の展覧会の入場者数に関するデータで、日本の展覧会は常に10位以内に複数が名を連ねるほど日本はアート鑑賞が盛んです。

しかしながらアートの市場規模はまだ小さいです。

日本のアート産業に関する市場調査によると20年の日本の美術品市場規模は1,929億円。5.2兆円とされる世界市場の3.7%にすぎません。

日本のアート市場は伸びしろがいっぱいです。

米粉チーズ

コメ卸最大手の神明がコメから作るチーズの本格生産に乗り出しました。

熱するとトロリと伸び、見た目は本物そっくりの「米粉チーズ」は米粉の生産に際して「加水分解」と呼ばれる技術を応用したのが特徴です。

精米したもち米を砕いた後、高温・高圧の水に入れて溶かすことで冷めても固まりにくい性質に改良しました。又、オリーブオイルを加えてチーズらしい色と風味を実現し、酒かすで香りも再現しました。

神明は約10億円を投じて神戸に専用工場を設け、月に200トンの生産量を見込んでいます。

原料には秋田県の契約農家から仕入れるもち米を使う予定です。

まずは冷凍食品メーカー、飲食店チェーン向けに販売を始め、2022年秋ごろには消費者向けにも販路を拡大する計画だそうです。

販売価格は1キログラムあたり1000円程度となる見通しで、米粉チーズは通常のチーズより1~2割程度安くなります。

大豆肉をはじめとする代替食品は既存品より高価になるケースが多いのですが、割安な米粉チーズは価格競争力も魅力です。

欧米を中心にビーガン(完全菜食主義者) が増加傾向で、豆腐、ナッツ類などを使った植物性チーズの人気が高まっています。

米粉チーズも海外の乳製品メーカーからの引き合いが強く、世界的な大ヒット商品となる可能性があり、大注目の商品です。

Z世代

人は生まれ育った時代で大きく考え方が異なります。

「X世代」と呼ばれるのは1965年から1980年までの生まれを指し、戦後復興から現代まで絶え間ないテクノロジーの進化と共に成長してきた世代です。

「Y世代」は1981年から1995年までの生まれを指し、インターネットを使用することが当たり前なデジタルネイティブ世代で価値観に多様性があります。

「Z世代」は1996年以降、インターネットが普及された世界に生を受け、新しいサービスが次々と生まれる世の中において、それを「消費すること」で自己を形成してきた世代です。

又、「Z世代」は小学生時代にリーマン・ショックに遭遇し、不況の時代しか知らないと言っても過言ではありません。

ですから、お金を使って遊ぶというよりかは、あるもので最大限の楽しみを引き出すことに価値を見いだすなど堅実な経済感覚を持ち合わせています。

意外と思考は保守的であり、SDGsに象徴される環境保全、社会貢献に対する感度は思いのほか高いのが特徴です。

「Z世代」の言動は、わからないとさじを投げる前に、彼らの育ってきた環境や考え方に焦点をあてると理解できるヒントがあるのではないかと思います。

シラファー

飲みニケーションという言葉に代表されるように、企業から大学サークルに至るまで潤滑油としての酒の役割は大きいです。

しかし、酒を飲まない、飲みたくない人にとって酒の場は苦痛です。

酒を飲まない人たちのことを最近では「シラファー」(しらふの変形) と呼ぶらしいのです。

シラファーを中心に飲めなくても楽しめる場を作りたいというムードが高まってきています。

新たなノンアルコール文化です。

ノンアルが普及し始めたのは2009年。道交法改正に伴う飲酒運転の罰則強化を受け、ノンアルコールビールが発売されました。

あくまで飲める人の代替品であったのがですが、次第にノンアルそのものを楽しむ商品が開発されてきました。

酒を飲めない、飲まない人は約4000万人といわれ、実は潜在需要はとても大きいのです。

2021年7月には東京秋葉原にノンアル飲料を提供する「LOW  NON   BAR」がオープンしました。

ダイヤモンドカットした氷を入れたカクテル、オーガニックの白ブドウを搾ったワインなどをそろえ、雰囲気もバーそのものです。

ノンアル市場のこれからに注目です。

新社会人

4月1日から新社会人となった人も多いと思います。

コロナ禍で十分な学生生活を送れなかった世代であり、時代の転換期に就職するという点では注目を集めるのではないでしょうか。

コロナの世界的大流行だけでも世界を一変させてしまったのに、ロシアのウクライナ侵攻でより先の読めない不透明な世界になってしまいました。

全世界が環境問題の解決に同じ方向で努力していき、グローバル経済が発展していくと思われていたのにロシアの蛮行によりその前提が崩されてしまいました。

米ソ冷戦時代のブロック経済に逆戻りしそうです。

でもモノは考えようです。

それほどの苦難を経験した若者は過去にそんなにいません。苦労をしたからこそ精神的にも成長したはずなので、その点は自信を持って下さい。

これからは前例や正解のない課題が待ち受けています。

それらは、ほとんどの大人にとっても経験という武器が使えないので難しい問題なのです。

今まで受動的にみてきた問題も主体的に解決すべき問題として取り組んでほしいと思います。

新たな知恵や発想が世の中を変えていくのです。

春を待つ昆布

北前船で北海道から運ばれていた昆布。

料理用やヨード分として珍重され、西日本でよく売れていました。

若狭湾に面する敦賀 (福井県) は昔から昆布交易の中継地でありました。

昔は敦賀に昆布が届くのは晩秋だったそうです。

京都や大阪へ運ぶには降雪地帯を越えねばならないので、仕方なく春が来るまで昆布を蔵に置いていたそうです。

するとうまい具合に若い昆布のカドが取れ、熟成が進みました。

蔵囲いという手法は偶然に生まれ、現在でも行なわれています。

「桜の花が散るまで、昆布は売るな」という格言は今も守られています。

現在は北海道と日本海を結ぶフェリーで昆布は届きます。

売り先は今や日本のみならず欧米にまで伸びています。

ウマミが欧米のシェフの注目を集め、ニューヨークやパリのレストランへの輸出も増えています。

2023年10月にはパリで昆布を切り口に日本文化を広く紹介するイベントが計画されています。

春を待っていた昆布はもうすぐ出荷されます。