春を待つ昆布

北前船で北海道から運ばれていた昆布。

料理用やヨード分として珍重され、西日本でよく売れていました。

若狭湾に面する敦賀 (福井県) は昔から昆布交易の中継地でありました。

昔は敦賀に昆布が届くのは晩秋だったそうです。

京都や大阪へ運ぶには降雪地帯を越えねばならないので、仕方なく春が来るまで昆布を蔵に置いていたそうです。

するとうまい具合に若い昆布のカドが取れ、熟成が進みました。

蔵囲いという手法は偶然に生まれ、現在でも行なわれています。

「桜の花が散るまで、昆布は売るな」という格言は今も守られています。

現在は北海道と日本海を結ぶフェリーで昆布は届きます。

売り先は今や日本のみならず欧米にまで伸びています。

ウマミが欧米のシェフの注目を集め、ニューヨークやパリのレストランへの輸出も増えています。

2023年10月にはパリで昆布を切り口に日本文化を広く紹介するイベントが計画されています。

春を待っていた昆布はもうすぐ出荷されます。