似ている人

自分に似ている人は世界に3人いるといわれています。

生きているうちに出会える確率はそう高くはないでしょう。

私にとってその3人のうちの1人がピアニストの舘野泉 (たてのいずみ) さんかもしれません。

舘野泉さんは日本を代表するピアニストですが、2002年に脳溢血のため右手が不自由となり、左手だけで演奏する奇跡のピアニストです。

以前、街中で見知らぬ人から舘野泉さんに間違われて以来、一度コンサートに行ってみたいと思っておりました。

そしてその機会が訪れました。

バイオリンの千住真理子さんとの共演コンサートでしたが、左手だけの演奏とは思えないくらいのすばらしいものでした。

似ている度合いは自分ではよくわかりませんが、周りの評は「そっくりだ」といいます。

たまたま知り合ったドイツ人音楽家にその話をすると「そっくりだけれど、あなたの方が若く見える」と言ってくれました。

舘野泉さんは86歳なので、ドイツ人らしい実直なコメントです。

舘野泉さんのようにいつまでも輝きを失わない人でありたいと改めて思いました。

洗濯市場

料理、掃除、洗濯と家事はいつも大変ですが、時短に向けた合理化も進んでいます。

料理はレンジ、冷凍食品、自動調理器、食器洗い機の開発・普及が加速しています。

掃除もダイソンのような吸引力の高い掃除機やロボット掃除機の普及が進んでいます。

一方でなかなか進まないのが洗濯です。

もちろん洗濯板の時代と比べると全自動洗濯機、乾燥機とかなり作業負担は軽くなってきましたが、干したり、取り込んだり、たたんだり、片づけたりと手間が多い仕事が未解決です。

花王の調査によると、1日あたり2時間20分の家事全体の時間のうち洗濯時間は1時間18分に及びます。

以前、ある企業が全自動で衣類をたたむロボットの開発を進めていましたが、製品化が難しく倒産してしまいました。それほど洗濯の自動化のハードルは高いのです。

コロナの感染拡大により洗濯のニーズは高まるばかりです。それゆえに洗濯市場の商品開発が盛んです。

洗剤では部屋干し用洗剤、除湿ではサーキュレーター付除湿機が売れています。又、乾きやすいハンガー、折りたたみ式屋内用物干し台などアイデア品が満載です。

もうすぐ洗濯を一変させる商品ができるのではと期待しています。

青い富士山カレー

食欲の秋です。マクドナルドやロイヤルホスト、吉野家の看板のように赤や黄色、オレンジ色が食欲をそそります。

ところがこうした色の常識を破った「青い富士山カレー」が大人気です。

開発したのは山梨県の富士山世界遺産センターを運営するフォネットグループです。

担当者は富士山の特徴をより生かすカレーはないかと考えました。

ほとんどの人がイメージする富士山は白と青のコントラストであることに注目し、あえて食品にとって禁じ手である青色に挑戦しました。

カレーを青に着色することは難しかったそうですが、なんとかクリアし、施設内のカフェで売り出したところ大人気になりました。

SNSで拡散され、施設全体の売上高が2.5倍になりました。

そこでお土産用としてレトルトカレーを販売したところ、1個864円という価格にもかかわらず爆発的に売れました。

人気の理由を分析すると「期待値が低い」ということがわかりました。

どうせうまくはないだろうと思って買った人が「青なのにおいしい」と絶賛しているのです。

フォネットグループでは富士山グッズを増やすため「青い富士山カレーパン」「青い富士山生ビール」など裾野を広げています。

エレキソルト

塩分を取り過ぎると高血圧につながり、脳卒中や心臓病のリスクが高まると言われています。

厚生労働省によると日本人の1日の塩分摂取量は20歳以上の男性が10.9グラム、女性が9.3グラムです。世界保健機関 (WHO) が推奨する「1日5グラム未満」を大きく上回ります。

健康志向の高まりから減塩・無塩食品へのニーズが高まっています。富士経済によると国内の減塩・無塩市場は20年に1413億円と見込まれ、5年間で26%拡大しました。

一方、減塩食を行なっている人は味に対する不満があり、いかに美味しい減塩食を提供できるのかが課題でありました。

その課題を解決する画期的な技術が開発されました。

キリンホールディングスが明治大学と開発した減塩食の塩味を5割増しにする食器「エレキソルト」です。

食器に人体に影響のない程度の微弱な電流を流し、食品中のナトリウムイオンが少なくても塩味を強く感じられるというすぐれものです。

微弱な電流で疑似的に味の感じ方を変化させる「電気味覚」という技術です。

流す電流の強さは4段階で調節でき、感じる塩味の強さも変えることができます。

エレキソルトが成人病リスクの救世主となるかもしれません。

撮り鉄イベント

鉄道を撮影したり、乗ったりする有料のイベントが人気を集めています。

普段は立ち入れない車庫や引退した車両を間近で見られる特別感はもちろんのこと、場所取りや周りの目を気にする必要がなく、駅や線路沿いで撮影や見学をするよりゆっくり楽しめる点が好評のようです。

「往年の名機、一堂に会す。」

JR東日本が1月末、そう銘打って品川駅で開いたイベントは予約開始からわずか3分で完売し、2日間で計260人の鉄道ファンが参加しました。

参加料は1人27000円~30000円です。

国鉄時代から数十年にわたって寝台列車「ブルートレイン」をけん引した機関車など歴代4種類が線路に並び、当時の車両基地を彷彿とさせる光景です。参加者は約2時間にわたり間近での撮影を楽しみました。

参加者は「通常は写真を撮るために場所取りなどが必要だが、イベントでは落ち着いて好きなだけシャッターが切れる。料金を払って参加する価値がある。」と満足げです。

鉄道ファンを巡っては、一部で写真を撮るために立ち入り禁止エリアに入るなど危険行為に及ぶケースが発生しています。

JR側もイベント開催により駅や沿線でのトラブルの減少につながればと期待しています。

 

ヒートポンプ暖房

欧州連合 (EU) がロシア産燃料からの脱却を急いでいます。

ポイントは冬季のガス利用の多くを占める燃焼暖房から省エネ性能の高いヒートポンプ暖房への切り替えです。

ヒートポンプ暖房は空気中の熱を集めて、その熱を移動することで暖められる技術です。

必要なのは小さな電気だけで、二酸化炭素 (CO₂) 排出量は燃焼暖房に比べてとても少ないです。

脱炭素に向けて欧州で環境規制が厳しくなる中、地球に優しいヒートポンプ暖房の需要が急速に高まっています。

そんな中で注目を集めているのが日本のダイキン工業です。

ダイキンは欧州で50年も事業を展開しており、欧州委員会などの人脈も持っています。そのため各地域での規格づくりやルール形成にも参画しています。

EUが2023年3月末までの天然ガス消費量の削減を決めたことで、今後4年で3倍以上とされた市場拡大ペースはさらに拡大しそうな勢いです。

絶好のチャンスとみたダイキンは、400億円を投じてポーランドに工場を作ることを決めました。

ダイキンのエアコンが欧州に普及する日はそれほど遠くはないでしょう。

ジャパンエキスポ

フランス人による日本のポップカルチャーと文化の祭典「ジャパンエキスポ」が7月、3年ぶりにフランスで開かれました。

新型コロナの影響で開催が見送られていたので多くのファンが待望していました。

2019年は25万人を集めましたが、今年も大盛況だったようです。

例年以上に大人気だったのがマンガ、アニメ、eスポーツのコーナーです。

コロナ禍の中で外出することができない中、今までアニメに興味のなかった人たちも観たりして、全世代にファンが広がったそうです。マンガの売上も上がっています。

会場内ではおにぎり、カレー、唐揚げ、ギョーザ、たこ焼き、たい焼などの日本食スタンドもあり、長い行列ができるほどの大人気です。

又、日本伝統文化を紹介するコーナーでは柔道、剣道、相撲などの武道を体験するコーナーがあったり、カルタや囲碁、将棋などのアナログゲーム、折り紙や習字、太鼓や指圧等を教えてくれるコーナーもあります。

全て日本人が教えているわけではないのですが、来場者に違和感はないようです。

ジャパンエキスポは日本文化への入り口です。ここで興味を持ってさらに深い知識を深めていく人が多いのです。

そのうちの何人かは来日して、その道のプロフェッショナルになっていくのでしょう。

 

令和版3畳一間の幸せ

東京都新宿区の閑静な住宅街に白を基調としたスタイリッシュな外観の2階建てアパートが建っています。

共用の廊下は人がすれ違えないほど狭く、玄関は靴3足を置けばいっぱいになるほど小さいです。

3畳の居住スペースを含む専有面積はわずか9平方メートルしかないのですが、白い壁や3.6メートルの高い天井のせいか圧迫感はあまり感じないそうです。

リビングにかけられたはしごの上には専有面積には含まれない屋根裏部屋のようなロフトが付いていてベッドルームや物置として使うことができます。

立地の良さに加え敷金、礼金ゼロで、周辺の相場より2~3万円安い7万4500円という家賃です。

住んでいる人は「狭いけど気にならない。手を伸ばせば何でも届く距離にあるのが楽」と幸せそうです。

この物件を扱う不動産会社「スピリタス」(東京都港区) は新宿や恵比寿、目黒など都内の人気エリアの駅周辺で「3畳・ロフト付き」の賃貸アパート約100棟を展開しています。

全約1500室の入居率は98%で、ほぼ空室がありません。

入居者は男性が65%、女性が35%で、20代30代が80%を占めています。

狭くても幸せに暮らせると考える若者が多いようです。

ミャクミャク

大阪万博の開催まで1000日を切りました。

具体的には2025年4月13日から10月13日まで大阪の夢洲 (ゆめしま) で開催されます。

テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」で、どのような未来社会があるのか、各パビリオンの展示に大いに期待が高まります。

先日、公式キャラクターの愛称が決定し「ミャクミャク」と名付けられました。

人間の素晴らしさを「脈々」と未来に受け継いでくれるという意味です。

とてもいいネーミングだと思いました。

ネーミングが決まるまでは公式キャラクターにあまり親しみがわかなかったのですが「ミャクミャク」という名前が決まると、その変幻自在な姿がとても愛らしいと思うようになってきました。

キャラクターのコンセプトは細胞と水がひとつになったことで生まれた不思議な生き物で、その正体は不明とされています。

正体は不明ということなのでその自由奔放な変化には驚かされます。

今までのキャラクター達とは一線を画す、多様性の時代にマッチした唯一無二のキャラクターではないかと思います。

「ミャクミャク」の活躍を応援したいです。

ハチの役割

新型コロナウイルス禍による健康志向の高まりで需要が拡大したハチミツ。近年は価格も上昇傾向です。

日本で消費されるハチミツの9割が輸入品なのですが、カナダでは高温や干ばつが起こり、東欧では開花時期の多雨により不作となりました。

ハチミツは開花時期の天候に大きく左右されます。

米国での記録的なハリケーンや欧州での大洪水など、ここ数年続いている世界規模の異常気象はハチミツの採蜜量に大きな影響を与えています。

国産のハチミツも例外ではなく、採蜜量の減少で値上げが続いています。

ハチが十分に活動しないことの影響はハチミツの値上りにとどまりません。

秋田県名産のサクランボは4月下旬の開花の時期に長期の低温や降雪、霜などが重なったため授粉するハチが飛ばず収穫量が減少しました。

ハチは農作物の受粉にも欠かせない存在なのです。

だから異常気象でハチの活動が鈍くなるとハチミツの収蜜量だけではなく、あらゆる農作物の収穫量にも影響してくるのです。

自然界におけるハチの役割は重要です。