企業理念の制定

新年あけましておめでとうございます。

年の始まりは思いを新たにするには絶好の機会だと思います。

私たちの会社も企業理念(存在意義)を新たに制定しました。

企業理念といってもなかなかピンとこない人も多いと思いますが、何のためにその企
業は存在するのかというごくごくシンプルなことです。

私自身もこの企業理念を制定するにあたりいろいろと考えました。

全ての会社は存在意義があって設立されていると思います。それは社会的意義、人
道的意義、経済的意義等様々な側面がありますが、何が一番大事で何の目的で事
業をしていくのかという原点回帰的な作業が企業理念の制定ではないかという考えに
至りました。

そして、私たちの企業理念は下記の様に決めました。

「靴を通じてお客様の人生を楽しくする」

私たちの靴をはいて外出が楽しくなった、旅行が楽しめた、コンサートや外食を楽しめ
た等、あらゆる場面で人生を楽しんでほしいと思っています。

靴が痛くて楽しめなかったということのないように、靴の存在を忘れるぐらい楽しんでい
ただきたいと思っています。

私自身も含めて自分の仕事に迷った時、それは「お客様の人生を楽しくする」ことなの
かどうかを判断基準にしたいと思っています。

2011年もよろしくお願い致します。

創立記念日

11月22日に株式会社サロンドグレーは創立記念日を迎えました。

今年で22回目になったわけですが皆様のおかげでここまでこれたのだなと思い、感謝
の気持ちでいっぱいです。

人間でいえば22歳は学生から社会人になる瞬間で、これから社会のために働くように
なる年齢ではないかと思います。

私たちも気持ちを新たにしてがんばっていこうと思っております。

毎年恒例になっています創立記念交流会を開いて、来年度の方針を社員さん達と確認
致しました。

来年度の方針は2つありまして、1つ目は「あいさつをきっちりとする会社」になろうとい
うことです。

あいさつは人として大事なことで、おろそかにしてはいけないと思っています。

朝のあいさつからはじまって終わりのあいさつまで、全員が気持ちよくあいさつができ
る会社にしたいと思っています。

2つ目は「新規開拓、新規開発」です。

販売のチャンネルが多様化する中で、新たな販売ルートを開拓することが必要であると
考えています。

新たな販売ルートの先には新しいお客様がいらっしゃるので、新しい商品の開発が必
要となってくると思います。

もちろん従来のお客様も大事にする方針は変わっておりませんが、新しいお客様との
出会いが会社や商品をより強くするのではないかと思っています。

これからも末長くサロンドグレーの商品をご愛用いただけますよう全社員一丸となって
がんばってまいりますので、今後ともよろしくお願い致します。

ダイソーのマーケティング

100円ショップのダイソーと言えば、知らない人がいないくらい有名な店です。

実際、ダイソーは激しい参入合戦が繰り広げられるこの業界において、全国に約3000店
を展開し、売上高3,414億円を誇り、約6,000億円と推定される全体市場規模の6割を占
めているガリバー企業です。

そのマーケティング戦略は市場をよく分析したデータの下、ち密な戦略があるのではない
か思いがちですが、全然そうではないのがおもしろいところです。

ダイソーは安売りショップではなく、主婦のためのレジャーランドであり、エンターテイメント
企業であるということが重要なポイントだと思います。

「ええ~、これが100円!」という驚きや感動が店舗という劇場で毎日のように繰り広げら
れています。

経営方針もユニークです。

・経営目標や経営計画がなく臨機応変が方針

・東京は情報が多すぎるので本社は広島県のまま

・よく売れる商品はそのうち顧客に飽きられるので、よく売れない商品を仕入れる

特に最後の現代のマーケティング理論の全く逆をいくような手法は驚嘆に値します。

他社が絶対にまねのできないこの経営理論こそが、ダイソーが圧倒的首位を走る理由で
はないかと思うのです。

教科書的なビジネス理論を実践するだけならMBA(経営学修士)取得者は経営者として
全て成功しているはずです。

でも、現実はそうではありません。

ダイソーの成功はそれを如実に物語っています。

テレビ出演

先日、24時間生放送の通販専門チャンネルに生出演しました。

もちろん弊社の靴を販売するために出演したのですが、はじめてのテレビ出演でおま
けに生放送であったため緊張しました。

前日より紹介する商品のカラー、ワイズ、ヒール高などのスペックを頭の中にたたきこ
みました。ここはまちがってはいけないポイントです。

事前のゲストトレーニングで、放送上好ましくないNGワードも教えてもらいました。最
高、抜群という表現も主観的すぎるということでNGワードでした。

最高の皮革を使った抜群のはきごごちはNGワードだらけです。

NGワードを使わずに商品の良さを紹介しなければいけないので余計に緊張します。

24時間生放送なので直前まで違う商品を売っています。

その商品がかたづけられ、弊社の靴が並べられます。手際のいいセット替えです。

「呉本さん、どうぞこちらへ」と案内されるやいなや

「本番はいりま~す。5、4、3、2、1、スタート・・・」

「ええ~、いきなりですか」(心の声)

緊張しながらもスタッフの人に助けられ、なんとか無事に1時間の生放送を終えること
ができました。

気になる販売額は1時間で約650万円の売上で、初めての商品紹介ではまずまずの
数字だそうです。

大変貴重な体験をさせてもらったのですが、一番感じたことは体調管理の大事さです。

自分以外の代役がいない状況で穴をあけることは、準備にたずさわった全ての人に迷
惑をかけてしまうので、出演前はストイックな生活になっていました。

そう思うとタレントさんや役者さん達の体調管理の気の使い方や、日常生活の緊張感
は相当なものであると想像します。

偶然みた「プロフェッショナル 仕事の流儀」というテレビ番組で、あるバレエダンサー
が言っていました。

「本番で100%のパフォーマンスをみせるには、準備段階で120%のパフォーマンスを
しなければいけない」

これぞプロフェッショナルであると心酔し、私たちもこうあらねばならないと心に誓いま
した。

母娘でサロンドグレー

9月から10月にかけては弊社の展示会のシーズンになります。

札幌、東京、大阪、博多の四ヶ所で行うのですが季節の変わり目にあたるので、街
々の様子の変化もよく感じる時期でもあります。

秋の本番を迎える時ですが、展示会の内容は来年の春物の新作コレクションです。

春はオープントゥやパンチング使い等、すずしげなデザインが多く、又、色目もあざや
かなので華やかな感じがします。

今回のテーマは「母娘でサロンドグレー」です。

具体的イメージとしては、60代のお母さんと一緒に買い物に来た40代の娘さんにも
サロンドグレーのファンになってもらいたいという想いで作りました。

デザインや素材、カラー等も従来のコレクションよりは少し若いテイストをとり入れて
いるものもあります。

一般のお客様にお目にかかれるのは来年の春になりますが、母から娘へ、そして
次の世代へと確かな品質を語り継がれていくブランドを目指してまいりますので、今
後ともよろしくお願い申し上げます。

効率のTPO

東京の出張によく行くのですが、人の多さにびっくりします。

人の多さを実感するのは昼食時です。

先日の出張時にビジネス街のビル内で昼食をとろうと思い、カウンターのある和食屋
に行きました。正午少し前だったのでカウンター席、テーブル席ともにがらがらでした
が、カウンターの一番はしっこに案内されました。

ランチメニューは2種類のみ、AかBかです。もちろんデザートも飲み物も付いてなく、
680円だったと思います。

注文してほどなく料理が運ばれてきました。その頃にはお客さんが次々と入ってきて
店の人が効率よく席に案内して、12時10分には店は満席状態でした。

食べ終わったのが12時20分ぐらいでしたが、店の前には長蛇の列。押し出されるよう
に店をあとにしましたが、がらがらの店内でカウンターの一番はしっこに案内された理
由や、ランチメニューが2種類しかない理由がわかりました。

効率を最優先にしているということです。

味やサービスも一定レベル以上で悪くなかったですし、その店にメニューの選択肢や
より良いサービスを求めたらお客様の数をさばけなくなるので効率を最優先にするの
はよいことだと思います。

しかしながら、私たちの靴の販売ではあまり効率を求めるものではないと思っています。

お客様の求めるニーズは様々でありますので選択肢は多いほうがいいし、おもてなし
の心で接客したいと考えていますので居心地のいい空間を目指しております。

同じお客様を迎える立場のお店でもこれだけスタンスが違うので、効率がいいとか悪
いという前にTPOがあるのではないかと思います。

日本以外のアジア

先日、一流ブランドメーカーの決算が発表されました。

一流ブランドとは、ルイ・ヴィトン、エルメス、シャネルや、グッチなどですが、実
際は複数のブランドを束ねたり、違う事業を展開したりしているので個別ブラン
ドの売上の推移とかは詳しく載っていませんが、地域別の売上の推移は興味
深かったです。

全てのブランドが日本以外のアジアで売上を伸ばしているのです。
それも、ものすごい勢いで・・・

リーマンショック以降、未だ回復しきれていないアメリカやヨーロッパは減少して
いました。

アジアで日本は一人負けの状態で減少率も大きかったです。

日本人のブランド好きは世界でも有名で、ブランド側も日本に力を入れてきまし
た。

しかしこれからは、日本以外のアジアに力を入れることは間違いなさそうです。

中国を中心とした日本以外のアジア諸国は、経済成長により富裕層が増大し、
ブランド品の購買意欲が高まってきたのでしょう。

そして益々、富裕層の増えつづける日本以外のアジアにブランド側は最優先に
商品をまわすでしょう。ビジネスとしては当然の行為です。

次に日本から、じわじわと店舗を撤退させていくでしょう。

日本の街からブランドショップがなくなった時、どのような街になっているのでしょ
う。

経済力は落ちたけれども心豊かに暮らしていける街になったと評価されるように
なりたいと思います。

何だろう、この違和感は?

先日、I T関係のセミナーに参加した時のことです。

約90分のセミナーを受け終わったあと、何か言いようのない違和感を覚えました。

この違和感は何だろうといろいろと考えてみたのですが、はっきりとわからないの
です。

ただぼんやりと、心にしっくりこない感じが残っているのです。

帰ってみて資料を見ながら、セミナーの雰囲気や内容を思い起こしてみて、違和
感の原因がわかった感じがしました。

セミナーの内容は今、話題のクラウドを使うことによって日常のビジネスがより効
率的になるといったもので、近い将来に実現されるであろうことを予感させるもの
でした。

その内容に何の問題もありません。

ただ、導入する理由としてコストの低減と生産性の改善があげられていました。
成功事例として強調されていたのが、100人のスタッフで管理していたシステム
が導入後はたった2人で管理できるようになったという人的コストの削減だったの
です。

企業側のメリットは火をみるより明らかです。

株価も上がり投資家や銀行も喜ぶでしょう。

I T技術の進化により、機械が人にとってかわるのは時代の流れであるのは間違
いありません。

しかし、利益を追求するあまり企業のもう1つの使命である雇用の創出ということ
を忘れてしまっているのではないかと思うのです。

倉本聰さんのドラマでこんな一節が心に残っています。

「便利になるということは、人間が汗をかかなくなるということだ」

私たちはどのような社会を目指しているのでしょう?

そのためには企業はどうあるべきなのでしょう?

夏の終わりは遠いなぁと思いながらも、悩みのつきない今日このごろです。

はじめての講演

私の先輩が主催する集まりに講演をしてくれないかという依頼があり、断りきれ
ずに生まれてはじめて講演をするという機会がありました。

準備する段階から何をしゃべろうかと悩みました。

事業計画や製品説明のプレゼンは何度か経験はありましたが、一人で一時間も
ぶっ通しでしゃべり続けるのは初めてです。

私は人の講演を聞きに行くのは好きでよく行っていました。

笑いあり、涙ありの聴衆を魅了する講演者もいれば、自分の持論を淡々と展開し、
聴衆をしらけさせる講演者もいます。

そこでやはり気をつけなければいけないのは、自分の得意とする分野の話を聞い
ている人たちの興味をそそるように話さなければいけないなと思っていました。

講演の内容は靴の話を中心として、タイトルは「日本のフェラガモを目指して」に決
めました。

簡単な自己紹介のあと、天然皮革の靴が多い理由や靴選びのポイント等、全ての
人にかかわるような話をさせていただきました。

そしてメインのメイドインジャパンにこだわり、ハンドメイドにこだわる日本初のメーカ
ーブランドになりたいことと、はきやすい靴だから買うのではなく、サロンドグレーの
靴だから買いたいとお客様に思ってもらえるようになりたいということを熱く語ってし
まいました。

時計をみると予定の1時間を15分もオーバーしていました。

聴衆が熱心に聞いていたのか、しらけていたのかはわかりませんが自分の想いは
90%以上は語れたような気がします。

結果はどうあれ、新しいことに逃げずにチャレンジできたことと、忙しい中でも納得し
た準備ができたことは良かったなと思っています。

レナウンの選択

先日、中国の大手繊維メーカー山東如意が東証1部上場のレナウンを買収した
と新聞で報じられていました。

具体的には、レナウンが山東如意を引受先に約40億円の第三者割当増資を7
月末に実施し、資本・業務提携を結ぶというものです。山東如意が41%超の筆
頭株主となりレナウンは山東如意の傘下に入り、経営の立て直しを図るというも
のです。

最近のグローバルな動きからすると必然の流れかもしれませんが、私の率直な
感想は「あのレナウンが中国メーカーの傘下になるなんて・・・ おまけに40億円
とは安すぎる」といったものでした。

ここ数年、中国系企業による日本企業買収の動きは活発になってきていました。
しかし、東証1部上場企業の買収は初めてです。

レナウンの狙いは高い成長が見込まれる中国市場です。山東如意の持つ販売、
物流網を活用して市場を開拓し、需要の取り込みを図ります。

一方、山東如意はレナウンの品質や技術力、ブランド力に魅力を感じ、中国と
日本はもとよりアジア市場での事業拡大を視野に入れているでしょう。

両者の思惑は一致しているように思えます。しかし、売上高の7割以上がデパ
ート向けで占めていたレナウンが万策尽きて、中国の新興企業に買収されると
いう事実は、そのレナウンのビジネスモデルが今の時代には通用しなくなってき
ているという事を見せつけられている感じがします。

事実、この報道後、株式市場は好意的に受け止めレナウンの株価は上昇してい
ます。