聞こえる「NO」と聞こえない「YES」

商品やサービスは改善し続けることが重要です。
そして改善ポイントを見つけ出すには、お客様からの声を集めることが最
適であると思います。

その手法は、有効であるのは間違いないのですが難しいのは分析です。

例えば「この靴はもう少しヒールが高ければ・・・」とか「巾がもう少しせま
ければ・・・」といった様々な御意見が私達にも寄せられます。

1つ1つの御意見は、そのお客様が思っておられる素直な感想であるし、
貴重な御意見として拝聴しております。しかしながら、そのままの仕様で
満足されているお客様がどのくらいいらっしゃるのかが、わからないところ
が難しいのです。

ヒット商品をよりよくしようと思い、マイナーチェンジをしたところ「なぜ変えた
のか」「前の方がよかった」という御意見を多数いただいたことがあります。

これはまさしく少数の聞こえる「NO」にのみ反応し、多数の聞こえない
「YES」を見落としてしまったことが原因です。

話は変わりますが、前原国交相の発言により「羽田空港のハブ化」の議論
が盛んです。新聞をはじめ、多くのメディアの報道は聞こえる「NO」を大きく
取り扱っているように思えます。

そこに利用者の聞こえない「YES」がどれくらいあるのかということを考える
必要があると思います。

このような国の大きな事業になると、立場により様々な利害が交錯し、難し
い決断になると思いますが、大事なのは利用者にとっての便益であると思
います。

何がお客様にとって大事なことであるのかという原点に立ち返ることが正し
い決断をする近道ではないでしょうか。

価格ではなく価値

衣料品の秋冬商戦がたけなわです。
カジュアル衣料の分野で独り勝ちを続けるユニクロは、9月の売上高が前年
同月比31.6%増で驚異的な伸びをしています。

そのユニクロから顧客を奪還すべく小売り各社がしのぎをけずっています。

その象徴的なアイテムはジーンズでしょう。ユニクロが990円ジーンズを
出すと、ダイエーが880円ジーンズを、西友が850円ジーンズを出しま
した。

消費者としては品質が良くて低価格であればあるほど、歓迎すべきことでは
あるのですが、低価格の争いがどこまでいくのだろうかと思うことがあります。

製造コストには大きく分けて材料費、人件費、経費があり、そこにいくらかの
利益をのせて売っていきます。

低価格競争が激化すると、その商品にたずさわる人たちに過剰な負担が強
いられるのではないかと心配してしまいます。

「安すぎて 作った人が かわいそう」

最近、ある新聞に載っていた川柳ですが、同じような想いです。

私自身の考え方は、価格ではなく価値で勝負していきたいと思っています。

私たちの靴の価値を分かっていただけるお客様に喜びをお届けしたいと思っ
ています。

そして私たちの靴の生産、流通、小売りにたずさわっている人たちが笑顔で
仕事ができるように、これからも頑張っていきたいです。

ブランディング部が出来ました。

昨年の11月に私たちは創立20周年を迎え、これからの10年は「ブランドに
なる10年にしたい」と宣言致しました。

ブランドになるということは、どういうことでしょう?

それは、はきやすい靴だから買うのではなく、サロンドグレーの靴だから
買いたいとお客様に思ってもらうことだと考えています。

しかもその選ばれる理由が「品質」でありたいと思ってます。

商品の品質、サービスの品質、社員の品質等そのどれをとっても卓越した
レベルを目指さなければならないと考え、そのために新たにブランディング
部という部署を設けました。

5年先、10年先をみすえて常に未来指向型の視点をもってブランド作りの
ための施策を立案、実践していきたいと考えています。

まだまだ私どもは未熟で改善すべき点はいくつもあります。

しかし志は高く、歩みはゆっくりと確実に進めていきたいと考えています。

私は毎日一生懸命に働いている社員さん達、販売員さん達、職人さん達
をみていると必ずお客様から選ばれるブランドになれると確信しています。

これからも頑張ってまいりますので、あたたかく見守っていただければ幸
いです。

 

 

 

 

播磨屋ステーション

播磨屋ステーションとは日本一のおかき処として有名な播磨屋
本店が運営するフリーカフェです。

フリーカフェとは文字どうり全てがフリー(無料)でコーヒー等の
「ドリンクバー」と朝日あげ等の「おかきバー」がいただけるという
ちょっと信じられないようなお店です。

それも場所が東京虎の門のビジネス街の真ん中という超一等地
にあるということが驚きです。

ビジネスマンや家族連れ、旅行客等が休憩に利用しているようで
いつも満員の状態です。

しかしなぜ、このようなフリーカフェをしているのか不思議でした。

その答えは播磨屋本店さんによると2つの運営目的があるそう
です。

1つ目は10代から30代の若い人たちにおかき、せんべいをPR
するためです。(なるほど)

2つ目は地球環境問題の重大性や緊急性を正しく伝えることだ
そうです。(すごい)

上記2つの目的のためにフリーカフェを運営するとは、目先の利
益のことばかりが優先される最近の世の中においては、なかな
かできることではありません。

もし、大阪にフリーカフェができたらどうなるのかなと思っていたら
大阪御堂筋のビジネス街の真ん中に、つい最近(2009.7.27)
オープンしたということです。

そして今後も同様のフリーカフェを日本全国の主要都市やパリ、
ニューヨークまで出店する計画だそうです。

その壮大な計画を前にしては、月々の家賃と人件費はいくら
くらいだろうかと考えることはちっぽけなことの様に思えて頭の
中から消し去りました。

 

靴メーカーの四季

もうそろそろ梅雨もあけて、夏本番を迎えようとしていますが、靴メーカーに
とって、今の季節感がどのようなものであるか少しお話したいと思います。

もちろん店頭では、春夏物セールの真最中です。

ほとんどのお店で8月末ぐらいまで続くと思います。

私たちの製造部門では、8月後半から出荷が始まる秋物のパンプス、カジュ
アルシューズの生産が最盛期を迎えています。

一方営業部門では、今年のブーツの受注のために展示会の開催、出張、
商談等で忙しくしています。

企画部門はというと、来年の春物商品の資材集め、情報収集、サンプル
製作に励んでいます。

この時期に靴用資材の展示会が東京や大阪で開催され、弊社も次の新
製品のための資材をいろいろと取り集めました。

このように、小売部門、製造部門、営業部門、企画部門がそれぞれ、夏、秋、
冬、春を迎えており、9月になるとカレンダーをめくる様に、各部門の季節が
1つずつ進んでいきます。

つまり、靴メーカーの四季は常に、それぞれ存在し、同時進行しているという
ことです。

時に混乱することもありますが、日本にこのような美しい四季があることで私
たちの仕事が成り立っているのでとても感謝しています。

雨が降りそうな時の靴は?

大阪は、梅雨入りしてから本格的な雨は降っていないようです。

雨が降らないと水不足が心配されますので、もうそろそろひと雨
ほしいところです。

さて、女性にとって雨降り用の靴は悩みのタネであります。

朝からドシャ降り雨なら、レインシューズや多少汚れてもかまわ
ない靴の出番となるでしょう。

しかし、雨が降りそうなビミョーな天気の時はどのような靴を履
けばいいのか迷ってしまいます。

まして、人と会う予定があり、おしゃれをして出掛ける時は服と
靴とのバランスは気になるところです。

弊社が最近発売したサロンドグレーオールウェザーシューズはシ
ンプルなデザインのヒールパンプスが中心でコーディネートしや
すいのが特長です。

又、撥水性のある素材を表面に使用し、裏面にも水の侵入を防
ぐフィルムを貼っていますので多少の雨は大丈夫です。ただミシ
ン目等から雨がしみこむことも考えられますので完全防水ではあ
りません。

少し宣伝っぽくなってしまいましたが、雨が降りそうな時の靴の
悩みに少しでもお役に立てればと思い開発致しました。機会があ
れば是非お試しください。

下取りセールにみる消費者心理

靴の下取りセールが大人気です。
4月東京都内の大手百貨店が始め大変話題になりました。
次々と同じような下取りセールが全国各地の百貨店で企画
されてどこもかなり盛況であると聞いております。

興味深いのは割引率からするとそれほど驚くような値引き
でないにもかかわらず大勢のお客様の心をつかんでいる点
です。

まず第一に下駄箱には不要な靴がいっぱいあり、きっかけ
があれば捨てたい、整理したいと思っている人が多数いる
ということだと思います。

そして「靴を捨てる」という行為が自治体によって様々だ
と思いますがけっこう「面倒くさい」ことになっているの
ではないでしょうか?

不要な靴を割引券と交換してもらえる下取りセールは「も
ったいない」という理由だけで捨てられなかった不要な靴を
罪悪感なく捨てられる絶好の機会と思われたからこれほど
人気が出たのではないでしょうか?

おそらくこの各地でくり広げられている下取りセールによ
り靴が数十万足捨てられることになるでしょう。これは靴
業界にとっては大変喜ばしい事です。
なぜなら下駄箱に空きができると新しい靴が欲しくなるか
らです。

そもそもショッピング、買い物というものは楽しいもので
なければいけません。マスコミが連日不況のニュースばか
り流すので消費者心理は冷えています。つまりお金を使う
こと(ショッピング、買い物)が社会悪のように思われて
しまっています。

そうではないのです!

新しい服や靴を買いおしゃれをすることは人生にとって非
常に大切なことだと思います。特に女性にとっては外見的
にも精神的にも大変重要なことだと思います。

マーケティングの見地からみても欲しいものを提供すると
いうよりも、買い物をする罪悪感の軽減というアプローチが
日本の消費者には有効ではないかと思います。

さあ皆さん!
下駄箱を整理して新しい靴を買いに行きましょう!

『うっかり』と『しっかり』

人はたまにはうっかりするものだと思います。人から頼まれていたことを
忘れたり、指示とは違うことをしてしまったり、内容はさまざまであると
思います。私ももちろんうっかりしてしまうことがあります。     

では、頻度はどのくらいが普通なのでしょう?もちろん人により様々だと
思いますが、1ヶ月に1回位が平均的なのかなという印象です。
仮に1ヶ月に1回うっかりすると仮定すると社員が30人の場合、毎日誰
かがうっかりしてしまいます。社員が60人の場合2人の社員が毎日うっ
かりします。

社長の私の下へ「うっかりしました」と報告しに来る社員は「普段はしっ
かりしているけれどたまたまうっかりしてしまった」といった感じだと思
います。しかし、上記の様な仮定で考えると私にとって「たまたまうっか
り」ではなく「またまたうっかり」ということになります。

私は人がうっかりすることを責めようとは思いません。人間である限り仕
方がないと思うからです。しかし、「うっかり」したことをまわりの人た
ちが「しっかり」とサポートしてあげれば改善できる点はいっぱいあると
思います。

具体的には革の裁断ミスを次の工程の人が気づく、伝票の記入ミスを
出荷担当者が気づくといったことです。つまり自分の目の前の仕事が
指示通りになっているのかを確認する作業がいろいろなミスをカバー
できる唯一の手段だと思います。                    
「人は持ちつ持たれつ」という意識の下、「うっかり」を「しっかり」とカバ
ーしていける会社にしたいと思っています。

はじめまして

はじめまして。
このたびブログを開設することになりました。
気軽に読んでいただければうれしいです。
まずは簡単な自己紹介から。私は靴メーカーを経営しています。
毎日皮革のにおいと木型をたたく音の中で仕事をしています。
靴を作る現場は想像以上に手間ひまがかかります。
裁断から仕上げまで通常の流れでは1ヶ月以上かかります。
天然皮革であるがゆえに1枚1枚微妙に違う革を使い、
同じ品質の靴を作り上げることは容易ではありませんが、
毎日のお出かけが楽しくなる1足、
大切な記念日が素敵な思い出になる1足を目指して
日々作っています。
そのような現場から日々想うことを気軽に発信できれば
いいなと思っています。
これからもよろしくお願いします。