基礎研究とPL脳

先日、京都大学の本庶教授がノーベル賞を受賞しました。

がんの免疫療法を確立したことを評価されましたが、地道な基礎研究があったからこそ発見に結びついたと思います。

最近のノーベル賞受賞者は同じコメントをしています。「日本は基礎研究への予算が足りない。このままでは10年後20年後には日本からノーベル賞は出なくなってしまう。」

研究には基礎研究と応用研究の2つに大別されます。

基礎研究は特別な応用や用途を考慮せずにまだ解明されていない物事のしくみを追求し理論化することで、応用研究は基礎研究などで解明された知識を応用し、特定の目的のために製品に結びつけるための研究です。

どちらともとても大事なのですが、近年日本では基礎研究への予算が減少しています。

これは日本全体がPL脳に陥っている証拠ではないかと危惧します。

PL脳は会計上の損益計算書(PL)からきている言葉で目先の利益を最大化することに重きを置く考え方です。

「こうした方が稼げる」「コスパがいい」そういった言葉が賞賛される世の中に本庶教授の言葉が心に響きます。

辛坊次郎講演会

大阪の高視聴率番組 「そこまで言って委員会」 等で司会を務める辛坊次郎氏。大阪が誇る名アナウンサーです。

先日、その講演会に行ってきました。

アナウンサーなので話し方がうまいのは当然ですが、驚くべきはその記憶力です。細かいデータの数字まで資料を見ずにスラスラとしゃべります。時には笑いをまじえながら。

テーマは「長生き」というリスク。

平均寿命とは0歳からみた寿命で、一番死亡率の高い幼少期を乗り越えた人にはあてはまりません。

知るべきは平均余命です。現年齢からあと何年生きる可能性が高いか。厚生労働省は年齢別の平均余命を発表しています。

例えば55歳男性の平均余命は28年、83歳まで生きるということです。しかしこれは平成28年度のデータで平均余命は年々上昇傾向なのです。

特効薬オプシーボの登場で、末期がんも完治する時代です。

又、IPS細胞の応用が進むと臓器は再生され、内臓はほぼ入れ替え可能になります。

たった一つ再生できないのが脳で、脳の寿命は120年だそうです。

人生100年時代でびっくりしていたのも束の間。人生120年時代がもうそこまで来ているのです。

平穏な日常の大切さ

9月4日に関西を直撃した台風21号。

いまだかつて経験したことのない暴風は街のインフラを破壊し、看板や屋根を吹き飛ばしました。

信号機は曲がり、街路樹は折れ、シャッターでさえ壊されてしまうぐらいの風の強さでした。

又、沿岸部を襲った高潮は関西空港の機能を奪いました。

そのニュースの衝撃が冷める間もなく、9月6日には北海道で震度7の地震が起こり、北海道全土で停電となる事態が発生しました。

こんな立て続けに大規模な自然災害が起こるとは誰が予想したでしょう?

今年の夏は猛暑、豪雨、台風、地震と気の休まる時がないくらい災害が頻発しました。

新聞やテレビなどのマスコミも次々と起こるニュースに振り回され、普段なら伝えられるニュースも埋没してしまっているのではないかと危惧します。

そう思うと、くだらないニュースを延々と伝えている日々がいかに平和で平穏な日常であったかと思います。

今は早く、くだらないニュースを延々と伝える日々に戻ってほしいと願っています。

不要不急な外出

今年の夏は記録的な暑さで酷暑と言われています。

気象庁も猛烈な暑さで不要不急の外出はお控え下さいと連日のように注意喚起していました。

熱中症の恐れがあるので、その趣旨には大賛成なのですが、そもそも不要不急の外出とはどんな用事なのかなと素朴に疑問を感じます。

何か用事があるので外出するのですが、それが不要不急なのかそうでないのかは人によって意見が分かれるところでしょう。

不要不急は字のごとく「重要ではない」「急ぎではない」という意味ですが、考えれば考えるほど不要不急の外出例が気になります。

「近所の猫の様子を見に行く」

「ふらっと散歩しに公園に行く」くらいしか思い浮かびません。

仕事や学校は「不要不急」ではないので休みにはなりませんが、不要不急な仕事も世の中には存在します。

もしある人が「私の仕事は不要不急でないので休みます」と言ったらどうなるでしょう?

自分の携わっている仕事がどれだけの価値があるのかを改めて客観的に見直してみたいと思います。

自分の「べき」

新幹線や飛行機のリクライニングシート、後の人に声をかけるべきか、かけないべきかちょっとした論争になっています。

ある調査では、ほぼ半々。意見が割れています。

「一声かけるのがマナー」「リクライニングできる構造になっている以上、一声かける必要はない」と意見は様々です。

鉄道会社や航空会社の見解は「後の人への御配慮を」というあいまいな言い方です。

これは自分の「べき」の問題です。

「べき」は自分の理想、願望、譲れない価値観などを象徴する言葉です。

「~であるべき」 「~するべき」 と思うことがその通りにならない、守ってもらえない時に怒りが生まれ、相手に対し攻撃的になるのです。

ただ「べき」は人それぞれに違います。

自分の「べき」は相手の「べき」とは違うことを認識することが大事です。

「5分前までに集合するべき」 「返信はすぐするべき」等、自分と相手の「べき」のちょっとした差異でトラブルになることがあります。

自分はどのような「べき」を持ち、大事にしているのかを知り、相手の「べき」を推し量り行動すれば無用なトラブルに巻き込まれないのではないかと思います。

LINEの決済革命

電子メールより簡単に連絡を取り合える「対話アプリ」で名をはせたLINEが「銀行」への道を走り始めました。

電子決済サービス「LINEペイ」を今後3年で拡散させる戦略を打ち出しました。

その内容は全国どこでも24時間365日、手持ちのスマホで送金できるというもの。しかも無料です。

「決済革命」と称した新戦略は3年間小さな飲食店や商店から受け取る手数料をゼロにし、端末の初期費用も一切かからないという店側にとって夢のようなはなしです。

送金や決済の手数料で稼ぐ銀行やクレジット会社とは違い、LINEはそこで得られるデータや顧客情報を収益につなげるモデルです。

そのようなことを可能にしたのは規制緩和です。

従来は「預金と融資」 「決済取引」のいずれかを手掛ける場合には銀行免許が必要でしたが、少額の「決済取引」なら資金移動業者の登録で済むようになりました。

スマホ決済を巡ってはヤフーやメルカリなどIT大手も参入を急いでいます。

7500万人の利用者を持つLINE。3年後にはメガバンクを超えるギガバンクになっているのかもしれません。

野菜シート ベジート

わずかな傷や不揃いで捨てられてしまう野菜。

いわゆる規格外野菜と呼ばれるもので、農家の人たちもきれいな商品にするための代償と割り切っていますが、その量は収穫量の20~30%とかなり多いです。

規格外といっても味や栄養価は変わらないのでもったいないです。

そのムダをなくしてなんとか農家の人たちのお役に立ちたいと、長崎の小さな企業が画期的な商品を開発しました。

その名も野菜シート「ベジート」 (5枚入り 350円)

規格外野菜をペースト状にして乾燥させシート状に加工したものです。原料は野菜と寒天のみで、野菜の色味をそのまま活かした食材です。

人参と大根が発売されており、トマト、カボチャが開発中だそうです。

厚さ0.1mmとうすくてパリッとした食感なのでスナック菓子のようです。

水にさっと浸すと弾力が出て、いろいろな惣菜に利用できます。

生野菜をラッピングしたサラダや、ごはんを巻いたベジロール巻等、野菜嫌いの子供にも食べられそうです。

又、色もカラフルなので食卓に華やかさが出ます。

捨てられていた野菜を使ってお手軽に野菜が食べられるという一石二鳥の商品。大ヒットの予感がします。

好みの喫茶店

人はそれぞれ好みの喫茶店があるのではないかと思うのです。

スターバックスやタリーズに代表されるようなシアトル系コーヒーショップが好きな人もいれば、コメダ珈琲のような昔ながらの喫茶店が好きな人もいます。

私は昭和の人間だからなのか、昔ながらのレトロ喫茶店が大好きです。

地方や都会から少し離れた郊外に行くとそんなレトロな喫茶店が奇跡的に生き残っていることがあります。

たいがいは年季のはいったマスターやベテランウエイトレスがいて「昔からこの街で生きています」といった雰囲気を醸し出していて、なぜかホッとします。

私にとっていい喫茶店の条件とは、おのおのが自由気ままに過ごしているかどうかだと思います。

お気に入りの新聞、雑誌を読みふけっている人。

一点をみつめながら思索にふけっている人。

ニヤニヤしながら漫画を読みふけっている人。

それぞれが一人の時間を誰にも邪魔されずに楽しんでいる空間、それこそが喫茶店の醍醐味だと思います。

全国各地でおすすめのレトロ喫茶店があれば是非紹介して下さい。

 

大人のカタチ

明治時代以降、140年あまりにわたって「満20歳」とされてきた成人の定義が見直されることが決まりました。

現行の20歳から18歳に成人年齢を引き下げる改正民法が国会で成立し、2022年4月に18歳、19歳も新成人となる見通しです。

しかしながら、飲酒や喫煙、公営ギャンブルは20歳未満禁止を維持するため18歳になったからといってお酒は飲めず、タバコも吸えず、ギャンブルもできません。

できるのは有効期間10年のパスポートを作ることができるくらいで、いわゆる世間でいう大人の仲間入りという感じではないのです。

私が最も心配するのが成人式です。

毎年1月に全国で開かれる国民的なイベントには着物、着付、メイク、写真といったビジネスの人がたくさん携わっています。

18歳が新成人となると、ほとんどの人が高校3年生在学中で、1月の成人式シーズンには大学受験の本番前となりそれどころではありません。

着物を着る人が少なくなっている中で、着物業界にとっての成人式の振袖需要は一大イベントです。

せめて成人式がすたれても、お酒、タバコ、ギャンブルが解禁となる大人記念式のようなイベントを着物を着て祝うカタチで定着できればいいなと思います。

チコちゃんに叱られる!

「チコちゃんに叱られる!」(NHK総合) は毒舌な女の子チコちゃんが普段見過ごしている素朴なギモンを解説してくれるクイズバラエティー番組です。

2017年より単発での放送が始まり、2018年4月からレギュラー放送になりました。

好奇心旺盛でなんでも知っている5歳の少女チコちゃんが岡村隆史をはじめとする大人に素朴なギモンのクイズを出題します。正解できなかった大人は「ボーっと生きてんじゃねえよ!」とチコちゃんにすごい勢いで叱られてしまうのです。

「人と別れるときに手を振るのはなぜ?」「セピア色のセピアって何?」など、普段考えもしない事を出題されるので、ほとんどの大人は叱られてしまいます。

そもそもの企画の原点は「素朴なギモンに答えられない大人たちを5歳の女の子が叱り飛ばしたら面白いのでは」というところから生まれました。

プロデューサーはフジテレビで「笑う犬」シリーズを手掛けた共同テレビの小松純也氏。

民放バラエティーのキワを知っている方を起用する大胆さにNHKの変貌ぶりを感じます。

加えてチコちゃんのCG合成が半端ないのです。

眉毛や目、口元が表情豊かに変わるだけでなく、瞳に映り込むライトや頭の照り返しなども動きにぴったりと合っているのです。

NHKアートが最新のCG合成技術を使っているとのこと。

まだみたことのない人は是非一度みて、チコちゃんの「ボーっと生きてんじゃねえよ!」という叱りっぷりを感じてもらいたいと思います。想像以上ですから。