基礎研究とPL脳

先日、京都大学の本庶教授がノーベル賞を受賞しました。

がんの免疫療法を確立したことを評価されましたが、地道な基礎研究があったからこそ発見に結びついたと思います。

最近のノーベル賞受賞者は同じコメントをしています。「日本は基礎研究への予算が足りない。このままでは10年後20年後には日本からノーベル賞は出なくなってしまう。」

研究には基礎研究と応用研究の2つに大別されます。

基礎研究は特別な応用や用途を考慮せずにまだ解明されていない物事のしくみを追求し理論化することで、応用研究は基礎研究などで解明された知識を応用し、特定の目的のために製品に結びつけるための研究です。

どちらともとても大事なのですが、近年日本では基礎研究への予算が減少しています。

これは日本全体がPL脳に陥っている証拠ではないかと危惧します。

PL脳は会計上の損益計算書(PL)からきている言葉で目先の利益を最大化することに重きを置く考え方です。

「こうした方が稼げる」「コスパがいい」そういった言葉が賞賛される世の中に本庶教授の言葉が心に響きます。