社会に出よう

今春卒業予定の大学生の就職内定率が68.8%と過去最低となっています。

大学を卒業しても就職ができない人がかなり増えています。

就職が決まらないので大学院に進学したり、他の専門学校に入学したりする学生もい
ると聞きます。就職活動に失敗したので次の年の就活にかけるという就職浪人です。

しかしその一方で、3割の若者が3年以内に会社を辞めるというデータもあります。イメ
ージしていた仕事と違うというのが主な原因だそうです。

イメージ通りの仕事に従事している人はどのくらいいるでしょう?

それほど多くないと思います。

社会に出ると学生時代とは違う世界が広がっています。一つの商品をとってみてもそれ
を作るメーカー、原材料を扱う業者、工程別に加工する会社、販売する人、輸送する人、
保管する倉庫会社、機械をメンテナンスする人等、学生時代には想像もしなかったよう
な多種多様な会社があり、それらに従事している人たちがいるのです。

まず社会に出て自分の視野を広げ、本当に自分がやりたい仕事が何か、どのような仕
事に向いているのかを探す視点が今後の長い人生の中で大事なのではないかと思い
ます。

ある意味で社会に出てからの方が学生時代の就活とは違う、より現実的な就活ができ
るのではないでしょうか。

だから、まず勇気をもって社会に出るとびらを開けてもらいたいと思ってます。

私たちの会社も熱意とヤル気のある人には常に門戸を開けています。

十日戎

関西には1月10日の十日戎(えびす)というお祭りがあります。

戎様は七福神の中の一人で、釣り竿と鯛を両手に持ってほほえんでいる神様で、商
売繁盛の神として親しまれています。

私たちの会社は大阪の今宮戎神社の近くにあり、毎年行って福をもらってくるというの
が恒例になっています。

今年は成人の日と重なったので、11日の残り福に行ってきました。

気のせいか今年は人出もさい銭も少し少なめな感じがしました。

ひと通りお参りを終えて、これも恒例になっているおみくじを引きました。

今年の運はどうだろうと引いた番号をいかにも人のよさそうなおじさんに渡したところ、
おじさんはそのおみくじの紙片をチラッとみてこう言いました。

「もういっぺん引き」

「ええー、おみくじのやり直しですか?」と心の中でつぶやきながらもおじさんの好意を
うけて、もう一度引きました。

「うん、こっちのほうがええで」と吉と書かれた紙片をくれました。

最初の紙片に何が書いてあったのかわかりませんが、おそらく凶であったのでしょう。

お客様に気分よく帰ってもらおうとする関西のサービス精神がこんなところにもあふれ
ているのかと感慨を深くしました。

おじさんの満面の笑顔が印象的で、戎様から福をもらった気がしました。

企業理念の制定

新年あけましておめでとうございます。

年の始まりは思いを新たにするには絶好の機会だと思います。

私たちの会社も企業理念(存在意義)を新たに制定しました。

企業理念といってもなかなかピンとこない人も多いと思いますが、何のためにその企
業は存在するのかというごくごくシンプルなことです。

私自身もこの企業理念を制定するにあたりいろいろと考えました。

全ての会社は存在意義があって設立されていると思います。それは社会的意義、人
道的意義、経済的意義等様々な側面がありますが、何が一番大事で何の目的で事
業をしていくのかという原点回帰的な作業が企業理念の制定ではないかという考えに
至りました。

そして、私たちの企業理念は下記の様に決めました。

「靴を通じてお客様の人生を楽しくする」

私たちの靴をはいて外出が楽しくなった、旅行が楽しめた、コンサートや外食を楽しめ
た等、あらゆる場面で人生を楽しんでほしいと思っています。

靴が痛くて楽しめなかったということのないように、靴の存在を忘れるぐらい楽しんでい
ただきたいと思っています。

私自身も含めて自分の仕事に迷った時、それは「お客様の人生を楽しくする」ことなの
かどうかを判断基準にしたいと思っています。

2011年もよろしくお願い致します。

年の瀬に思うこと

今年の8月に公私とも大変お世話になった方が約1年間の闘病生活の末、この世を去
りました。

故人はビジネスの分野で大変有能なセンスの持ち主で、いろいろな局面において相談
した時に的確なアドバイスをしてくれていました。

何度も勇気と智恵をもらったことに感謝しています。

そして最後の1年間で私自身が学んだことは「人はやがて死を迎える」ということです。

だからこそ人は、生きているうちに悔いのないように精一杯努力しなければならないと
いう、ある意味あたり前のことを身をもって体得したような気がします。

死について考えるということは、生きるということを考えることだと思います。

先日、1000人の死を見届けた終末期医療の専門家が書いた「死ぬときに後悔すること
25」(致知出版社)を読みました。

この著書の中には、死ぬ間際にどのような後悔が多いのかが書いてあります。

例えば「故郷に帰らなかったこと」「会いたい人に会っておかなかったこと」「他人に優しく
しなかったこと」等、生きている時に意志さえあればできている事も多いのです。

この著者の言わんとすることは、死はいつおとずれるかわからないもので「後悔がないよ
うに」と普段から考え、自分にとっての後悔するかもしれないことに一生懸命はげんでみ
てはどうかということです。

年の瀬を迎えるにあたって、生かされているこの一分一秒を大切にしてがんばっていきた
いと思っています。

皆さん、よいお年をお迎え下さい。

今年の漢字

2010年の「今年の漢字」は「暑」に決まりました。

確かに今年の夏の暑さは異常で記録的な猛暑であったことは間違いないのですが、
寒い日々のつづく昨今では暑い夏は遠い記憶のような気がしてしまいます。

12月はいろいろな会の集まりが多く、その中で私にとっての「今年の漢字」はこうで
あったとスピーチをする方を多くみかけました。

そこで自分なりの「今年の漢字」は何だろうと考えてみました。

そして「挑」ではないかと思っています。

「挑戦」の「挑」で「挑む(いどむ)」です。

今年一年をふり返ってみると、新しいことに挑んだ一年であったと思います。

テレビ出演、ラジオ出演、講演等初めての経験をさせていただきました。

TOEICや日経テストも初めて受けて、学生に戻った気分も味わいました。

会社の方でもX線検査機を導入して独自の検査体制を構築したり、未経験の新入社
員に入社してもらい、一から育てていく人材育成システムに挑戦しています。

新しい事にチャレンジするということは大変なことも多いですが、知らない世界を知る
ことができるのが有意義だと思います。

人は年齢を重ねるほど新しいことをしなくなり、保守的になりがちです。

しかし、それでは成長はありません。

新しい世界を知り、恥をかき、勉強し、克服するというサイクルを経ないと真の成長に
はつながらないと考えます。

来年も新しい世界に挑戦し続ける自分でありたいと思います。

トイレの神様

今年の紅白歌合戦に選ばれた植村花菜さんの「トイレの神様」が気になって
いました。

以前、情報番組で取り上げられた時に少しだけ聴いたことがあったのですが、
全部通して聴いたことがなかったので思いきって iTunes Store で購入しまし
た。

9分52秒という長さでも話題になった歌ですが、1つのストーリーになっていて
紅白でもカットされることなく歌われるそうです。

花菜さん自身とおばあちゃんとの実際の話で、聴いてみるとすごくいい歌でし
た。

なぜかとてもリアルに頭の中で映像化され、思わず涙が出そうになりました。

はじめて聴いたのが地下鉄の駅だったのですが、まわりに人がいっぱいいた
ので必死で涙をこらえました。

2回目はデパートの人ごみの中でしたが、又涙が出てきそうでした。

「これはいかん。大人の男性がipodを聴きながら泣いている姿はみっともなさ
すぎる」と思い、3回目は一人で聴きました。

心に響く歌ってあるのですね。

今年の紅白は一人で観たいです。

龍馬伝

NHKの大河ドラマ「龍馬伝」を1年通して観ました。

大河ドラマを1年間欠かさずに観たのは久しぶりでした。

福山雅治演じる坂本龍馬は、はじめのうちは少し物足りなさを感じておりましたが、だ
んだんとよくなって終盤には流石と思わせる演技でありました。

時代が大変革する幕末に日本中を内戦状態にすることなく、近代国家への一歩をふみ
出すことができたのは奇跡であると言われています。

もし内戦状態になっていれば諸外国の支配をうけ、現代の日本の繁栄はなかったので
はないかと思います。

そう思うと当時の人の智恵と英断に頭が下がる思いです。

その中でも坂本龍馬の活躍は、その先見性と行動力において群を抜いていると思いま
す。

しかし、悔やまれるのは最終回の龍馬暗殺の場面です。

1年の中で最高のクライマックスシーンに地方選当選確実のテロップが流れたことです。

最終回が近づくにつれて、龍馬暗殺まであと何ヶ月と最高潮に向けてのカウントダウン
で視聴者をあおっていたのに、肝心の暗殺シーンで龍馬の顔にテロップがモロにかかっ
てしまいました。

「タイミングが悪すぎる・・・」

1年間大河ドラマの制作に苦労された人たちの努力を想うと、あまりにひどいタイミング
であったと思います。

もちろん地方選の結果が大事ではないと言っているのではありません。

ただ今回の選挙は自民、公明、民主の「相乗り」候補が次点候補を圧倒的大差で勝利
した選挙で、それほど緊急性を要するものではなく、又当確を打つタイミングはNHKの
判断でできたのではなかと思うのです。

せめてあと30秒でも遅くしていれば、こんな騒ぎにならなかったのにと悔やまれます。

創立記念日

11月22日に株式会社サロンドグレーは創立記念日を迎えました。

今年で22回目になったわけですが皆様のおかげでここまでこれたのだなと思い、感謝
の気持ちでいっぱいです。

人間でいえば22歳は学生から社会人になる瞬間で、これから社会のために働くように
なる年齢ではないかと思います。

私たちも気持ちを新たにしてがんばっていこうと思っております。

毎年恒例になっています創立記念交流会を開いて、来年度の方針を社員さん達と確認
致しました。

来年度の方針は2つありまして、1つ目は「あいさつをきっちりとする会社」になろうとい
うことです。

あいさつは人として大事なことで、おろそかにしてはいけないと思っています。

朝のあいさつからはじまって終わりのあいさつまで、全員が気持ちよくあいさつができ
る会社にしたいと思っています。

2つ目は「新規開拓、新規開発」です。

販売のチャンネルが多様化する中で、新たな販売ルートを開拓することが必要であると
考えています。

新たな販売ルートの先には新しいお客様がいらっしゃるので、新しい商品の開発が必
要となってくると思います。

もちろん従来のお客様も大事にする方針は変わっておりませんが、新しいお客様との
出会いが会社や商品をより強くするのではないかと思っています。

これからも末長くサロンドグレーの商品をご愛用いただけますよう全社員一丸となって
がんばってまいりますので、今後ともよろしくお願い致します。

原産国表示

消費者にとって製品がどこの国で作られたのかということは、購入する際の大きなポイン
トであると思います。

しかしこれほど経済がグローバル化すると、原産国を特定することは思っているほど容易
ではないのかも知れません。

A国に本社のある企業がB国のデザイナーに企画をしてもらい、C国の原料を使ってD国
にて半製品にして、E国で完成させた商品をF国にて販売したら原産国表示はどうなるで
しょう?

とっても複雑ですね。でもこのような事は世界で普通に行われています。

答えはモノによる、国によるというなんともあいまいなものなのです。

日本の場合は景品表示法という法律があり、その中の「原産国」という定義に「その商品
の内容について実質的な変更をもたらす行為が行われた国」とあります。

わかるようでわからないですね。

そこで運用細則にこう書いてあります。

アパレル ― 縫製

革 靴   ― 底付

「実質的な変更」とは、パーツから完成品に近い形になる瞬間の工程ではないかと思われ
ます。

それらは商品によって違うのです。

そして興味深いことに国によっても違うのです。

私たちの靴は日本において裁断から縫製、底付、仕上げまでを日本で生産して日本で販
売していますので間違いなくメイド イン ジャパンです。

日本製ハンドメイドのジャパンクオリティを世界の人にもはいてもらいたいと思っています。

ダイソーのマーケティング

100円ショップのダイソーと言えば、知らない人がいないくらい有名な店です。

実際、ダイソーは激しい参入合戦が繰り広げられるこの業界において、全国に約3000店
を展開し、売上高3,414億円を誇り、約6,000億円と推定される全体市場規模の6割を占
めているガリバー企業です。

そのマーケティング戦略は市場をよく分析したデータの下、ち密な戦略があるのではない
か思いがちですが、全然そうではないのがおもしろいところです。

ダイソーは安売りショップではなく、主婦のためのレジャーランドであり、エンターテイメント
企業であるということが重要なポイントだと思います。

「ええ~、これが100円!」という驚きや感動が店舗という劇場で毎日のように繰り広げら
れています。

経営方針もユニークです。

・経営目標や経営計画がなく臨機応変が方針

・東京は情報が多すぎるので本社は広島県のまま

・よく売れる商品はそのうち顧客に飽きられるので、よく売れない商品を仕入れる

特に最後の現代のマーケティング理論の全く逆をいくような手法は驚嘆に値します。

他社が絶対にまねのできないこの経営理論こそが、ダイソーが圧倒的首位を走る理由で
はないかと思うのです。

教科書的なビジネス理論を実践するだけならMBA(経営学修士)取得者は経営者として
全て成功しているはずです。

でも、現実はそうではありません。

ダイソーの成功はそれを如実に物語っています。