涙のシュークリーム

出張先のある夜、翌日の朝食を買おうとコンビニに寄った時の話です。

ついでにプリンも買おうと思ったのですが、お気に入りのプリンがなかったのでや
めようか思ったところ、その横においしそうなシュークリームを発見しました。

「今日はプリンではなくシュークリームにしよう」と思い、かごに入れレジに向かい
ました。

レジで精算しようとしたところ、そのシュークリームだけバーコードが異常な音をた
て、反応したのです。

「お客さん、このシュークリーム ダメですね。消費期限が切れています。」と店員さ
んが言いました。

そのシュークリームを見てみると、約1時間前に消費期限が切れていました。

「別にいいけど・・・。」と言いそうになった時、別の店員さんが陳列棚の方で叫びま
した。

「最後の1個のようです。」

買えませんオーラを出す店員さんの前で、私は「わかりました。」と、ものわかりの
いいお客を演じざるを得ませんでした。

でも心の中では違っていました。

「1時間ぐらいやったら大丈夫でしょう。消費期限切れはどうせ捨てるのだから売っ
てくれてもいいのに。店の売上は上がるし、お客さんも楽しい夜が過ごせるし、おま
けに環境にもやさしいし・・・」と愚痴っぽく考えていました。

シュークリームの入っていないコンビニ袋を持った背中が、店員さんにはさびしそう
に見えたかもしれません。

テレビ出演

先日、24時間生放送の通販専門チャンネルに生出演しました。

もちろん弊社の靴を販売するために出演したのですが、はじめてのテレビ出演でおま
けに生放送であったため緊張しました。

前日より紹介する商品のカラー、ワイズ、ヒール高などのスペックを頭の中にたたきこ
みました。ここはまちがってはいけないポイントです。

事前のゲストトレーニングで、放送上好ましくないNGワードも教えてもらいました。最
高、抜群という表現も主観的すぎるということでNGワードでした。

最高の皮革を使った抜群のはきごごちはNGワードだらけです。

NGワードを使わずに商品の良さを紹介しなければいけないので余計に緊張します。

24時間生放送なので直前まで違う商品を売っています。

その商品がかたづけられ、弊社の靴が並べられます。手際のいいセット替えです。

「呉本さん、どうぞこちらへ」と案内されるやいなや

「本番はいりま~す。5、4、3、2、1、スタート・・・」

「ええ~、いきなりですか」(心の声)

緊張しながらもスタッフの人に助けられ、なんとか無事に1時間の生放送を終えること
ができました。

気になる販売額は1時間で約650万円の売上で、初めての商品紹介ではまずまずの
数字だそうです。

大変貴重な体験をさせてもらったのですが、一番感じたことは体調管理の大事さです。

自分以外の代役がいない状況で穴をあけることは、準備にたずさわった全ての人に迷
惑をかけてしまうので、出演前はストイックな生活になっていました。

そう思うとタレントさんや役者さん達の体調管理の気の使い方や、日常生活の緊張感
は相当なものであると想像します。

偶然みた「プロフェッショナル 仕事の流儀」というテレビ番組で、あるバレエダンサー
が言っていました。

「本番で100%のパフォーマンスをみせるには、準備段階で120%のパフォーマンスを
しなければいけない」

これぞプロフェッショナルであると心酔し、私たちもこうあらねばならないと心に誓いま
した。

親のメンツ

先日受けたTOEICテストの結果が判明しました。

このブログでも書いたのですが、私と娘(高3)と息子(高1)が同時に同じテストを
受けるというハメになったガチンコテストの結果です。

結果は、私が605点、娘が590点、息子が385点というスコアで何とか親のメンツ
は保たれたのではないかと思い、ホッとしています。

しかし、娘との差が僅差で、しかもリスニング分野では、娘が私を大きく上回ると
いう内容でした。

耳は今後きたえてもたかがしれてるので、文法力を娘が身につけると総合点で
逆転されることは十分に考えられます。

息子もこれからが伸び盛りになるので、急速に差を縮められる可能性は大です。

子が親を超える、弟子が師匠を超える、部下が上司を超える瞬間は必ずやって
くると思います。なぜなら、後者のほうが先に老いるからです。

しかし、大事なのはお互いが切磋琢磨して、成長することであると考えます。

成長するには弛まぬ努力が必要であるということを、後世に伝えることができれ
ばこれ以上に喜びはありません。

GACKTの眠狂四郎

先日、機会があってGACKT主演の眠狂四郎無頼控という公演に行ってきま
した。

この公演は東京で満員御礼になり、大阪にやってきた話題の公演です。

その後は名古屋、福岡、札幌、広島、仙台とまわり、最後に東京にもどってき
て凱旋公演を行う予定だそうです。

GACKTと時代劇がいまいちピンとこなかったのですが、大変よかったというの
が率直な感想です。

GACKTは思っていた以上に背が高く大柄で、鍛えぬいた体格でした。

その容姿は、妖艶な美しさと神秘的なオーラが重なり、存在自体が特別な感
じをかもし出していました。

脇をかためる共演者達も田中健、堤大二郎、有森也実などアラフォー世代にと
っては青春時代を共に過ごしたような感じの豪華キャストでした。

その共演者達がベテランの味を出して、GACKTというアーティストの時代劇を
サポートする、・・・そしてそれが見事にマッチしているところに時代の流れと変
化を感じずにはいられません。

眠狂四郎は外国人とのハーフで、冷酷な残虐性と独特の世界観を持っている
という設定なのでGACKTにイメージがぴったりだと思います。

このGACKTの眠狂四郎が、後世に伝えられる当たり役となっているような気
がします。

母娘でサロンドグレー

9月から10月にかけては弊社の展示会のシーズンになります。

札幌、東京、大阪、博多の四ヶ所で行うのですが季節の変わり目にあたるので、街
々の様子の変化もよく感じる時期でもあります。

秋の本番を迎える時ですが、展示会の内容は来年の春物の新作コレクションです。

春はオープントゥやパンチング使い等、すずしげなデザインが多く、又、色目もあざや
かなので華やかな感じがします。

今回のテーマは「母娘でサロンドグレー」です。

具体的イメージとしては、60代のお母さんと一緒に買い物に来た40代の娘さんにも
サロンドグレーのファンになってもらいたいという想いで作りました。

デザインや素材、カラー等も従来のコレクションよりは少し若いテイストをとり入れて
いるものもあります。

一般のお客様にお目にかかれるのは来年の春になりますが、母から娘へ、そして
次の世代へと確かな品質を語り継がれていくブランドを目指してまいりますので、今
後ともよろしくお願い申し上げます。

効率のTPO

東京の出張によく行くのですが、人の多さにびっくりします。

人の多さを実感するのは昼食時です。

先日の出張時にビジネス街のビル内で昼食をとろうと思い、カウンターのある和食屋
に行きました。正午少し前だったのでカウンター席、テーブル席ともにがらがらでした
が、カウンターの一番はしっこに案内されました。

ランチメニューは2種類のみ、AかBかです。もちろんデザートも飲み物も付いてなく、
680円だったと思います。

注文してほどなく料理が運ばれてきました。その頃にはお客さんが次々と入ってきて
店の人が効率よく席に案内して、12時10分には店は満席状態でした。

食べ終わったのが12時20分ぐらいでしたが、店の前には長蛇の列。押し出されるよう
に店をあとにしましたが、がらがらの店内でカウンターの一番はしっこに案内された理
由や、ランチメニューが2種類しかない理由がわかりました。

効率を最優先にしているということです。

味やサービスも一定レベル以上で悪くなかったですし、その店にメニューの選択肢や
より良いサービスを求めたらお客様の数をさばけなくなるので効率を最優先にするの
はよいことだと思います。

しかしながら、私たちの靴の販売ではあまり効率を求めるものではないと思っています。

お客様の求めるニーズは様々でありますので選択肢は多いほうがいいし、おもてなし
の心で接客したいと考えていますので居心地のいい空間を目指しております。

同じお客様を迎える立場のお店でもこれだけスタンスが違うので、効率がいいとか悪
いという前にTPOがあるのではないかと思います。

こけら落とし

大阪のなんばにあった新歌舞伎座が上本町に移転し、新装開場されました。

新劇場は総席数1453席で、廻り舞台をはじめとした最新の設備を備えており、演
者と観客の距離が近い臨場感あふれる空間を創り出しています。

このたび、こけら落とし公演である二十一世紀歌舞伎組を観てまいりました。

ちなみにこけら落としとは、新しく建てられた劇場で初めて行われる催しのことです。
こけらとは木片のことで、工事の最後に木片を払いおとすことからそのような名前に
なったようです。

二十一世紀歌舞伎組は、スーパー歌舞伎で有名な市川猿之助が総監修を努める
一座で右近、笑也等、実力者ぞろいです。その演目はどれも期待通りのすばらしい
ものでした。

私はそれほど歌舞伎通ではないので、場内で借りたイヤホンガイドがとても役に立
ちました。歌舞伎を観ている間中、ストーリー展開から衣装、三味線等の解説をそっ
と絶妙のタイミングで教えてくれるのです。

まるで歌舞伎通の人といっしょに観ているような楽しさでした。

特に演者の衣装や持ち物の世話をする後見と呼ばれる人たちの立ち居振る舞いは、
その所作に無駄がなく見事なものでした。まさしく役をわきまえているといった感じで
した。

その後見といった役まわりも、イヤホンガイドがなければほとんど気にも留めなかっ
たでしょう。

物事を深く観る、深く知ることによって新しい発見があるのだということをあらためて
感じたこけら落とし公演でした。

日本以外のアジア

先日、一流ブランドメーカーの決算が発表されました。

一流ブランドとは、ルイ・ヴィトン、エルメス、シャネルや、グッチなどですが、実
際は複数のブランドを束ねたり、違う事業を展開したりしているので個別ブラン
ドの売上の推移とかは詳しく載っていませんが、地域別の売上の推移は興味
深かったです。

全てのブランドが日本以外のアジアで売上を伸ばしているのです。
それも、ものすごい勢いで・・・

リーマンショック以降、未だ回復しきれていないアメリカやヨーロッパは減少して
いました。

アジアで日本は一人負けの状態で減少率も大きかったです。

日本人のブランド好きは世界でも有名で、ブランド側も日本に力を入れてきまし
た。

しかしこれからは、日本以外のアジアに力を入れることは間違いなさそうです。

中国を中心とした日本以外のアジア諸国は、経済成長により富裕層が増大し、
ブランド品の購買意欲が高まってきたのでしょう。

そして益々、富裕層の増えつづける日本以外のアジアにブランド側は最優先に
商品をまわすでしょう。ビジネスとしては当然の行為です。

次に日本から、じわじわと店舗を撤退させていくでしょう。

日本の街からブランドショップがなくなった時、どのような街になっているのでしょ
う。

経済力は落ちたけれども心豊かに暮らしていける街になったと評価されるように
なりたいと思います。

負けられない闘い

近所のよしみで永年通っている英会話学校が、TOEICテストを受けてみ
ないかと熱心にすすめてくれたので受けてみることにしました。

TOEICテストとは英語によるコミュニケーション能力を幅広く評価する世界
共通のテストで、世界約90ヶ国、年間500万人が受験するテストです。

今まで英検とかは受けたことがなかったので、軽い気持ちで受けてみるこ
とにしたのですが、予想外の展開になってしまいました。

娘(高3)と息子(高1)もその英会話学校に少しお世話になっていた関係で
TOEICテストを受けることになったのです。

なんと同日、同時刻に同じ内容のテストを親子で受けるというガチンコ対決
になってしまいました。

結果は合否ではなくスコアででるので、どのくらいの差があったのかも一目
瞭然です。

親として負けられない闘いです。

試験当日は親子で机を並べて受験するという未体験の世界でしたが、120分
200問の問題は予想以上に難しく、集中力を保つことがつらかったです。

結果はどうあれ、同じ苦しみを味わった同士のような気持ちになりました。

1ヵ月後の結果通知のあと、親のメンツが保たれていればいいのですが・・・。

心惑わす宝くじ

9月2日は「くつの日」かと思いきや「宝くじの日」でした。

個人的には宝くじはあまり買う方ではなく、公認されているギャンブルの中
で一番確率の悪いものだと思っていました。

実際ほとんど当たったことがあるのは末等で掛け金の1割しか戻ってこず、
買うたびに9割取られていたので最近はあまり買わなくなっていました。

しかし先日、ある記事が目にとまりました。

全国の宝くじ高額当選者「1000万円以上当たった人」のモデル像が載って
いました。

まず「イニシャル」は男性のM.Kがトップだそうです。

な、なんと私はM.Kなのです。

更に読み込んでいくと「60歳以上で宝くじ購入歴10年以上」、「購入頻度」は
ジャンボの時だけや年数回が多く、「1回の購入数」は30枚だそうです。

イニシャルはぴったりなので、購入キャリアは今からがんばれば理想の当選
者モデルになれるのではないかと思ってしまいました。

しかしながら、気になるのはそれらすべての条件を満たしながら当選しなかっ
た人の確率を知りたいものですが、そのような統計をとっているヒマな人はい
るはずもありません。

今後、ジャンボ宝くじが発売されるたびに自分の心がゆれてしまうのではない
かと今から心配しています。