二人の佐藤氏

最近、二人の佐藤氏に注目しています。
一人は佐藤可士和氏、もう一人は佐藤オオキ氏です。
二人とも世界に誇るデザイナーです。
可士和氏はユニクロ、楽天、セブン・イレブン等を顧客に持ち、オオキ氏はエルメス、ルイ
ヴィトン、バカラ、トッズ等の有名ブランドからも依頼があり、世界が尊敬する日本人100人
に選ばれたこともあります。
私自身が共感するところは、企業のブランディングを意識したデザインをクリエイトするとこ
ろです。
商品デザインだけではなくロゴ、店舗、パッケージ等で統一した印象を作り上げていくの
が両佐藤氏のすごいところです。
ブランディングといっても、どういうものなのか少しわかりづらいところがあります。
可士和氏はうまく言っています。
「ブランディングとは企業のたたずまいを作るコト」
その企業らしさを商品や店舗でみせていくことだと氏は考えています。
サロンドグレーのたたずまいとは?
 
サロンドグレーらしさとは何か?
上質な商品はもちろんのこと品格ある会社、品格ある社員を目指して、来年もがんばって
いかねばならないと想いを新たにいたしました。
今年最後のブログとなりました。
皆さん、良いお年をお迎え下さい。

25周年

先週の11月22日に株式会社サロンドグレーが創立25周年を迎えました。
これもひとえに支えていただいた得意先様、仕入先様、社員さんならびに職人さんたちのお
かげだと思います。
感謝の一言に尽きます。
私たちは、今から5年前の20周年創立記念日に「10年後にはブランド企業になる」という誓
いをたてました。
つまり、あと5年後の30周年創立記念日までにということです。
はきやすい靴だけで選ばれるのではなく、サロンドグレーの靴だから買いたいと思っていた
だくことが目指すべき目標だと思っています。
そのためには品質はもちろん、サービスや社員の品格が大事であると考えています。
先日、日本で発行されている英字新聞のThe Japan Times の取材をうける機会がありまし
た。
インタビューに答えていると、私たちの歩んできた軌跡やこれから進むべき道などが、言葉
にするたびに自分の中で固まっていくような感覚になりました。
それは頭の中で考えていることが質問という形で答えていくと、過去・現在・未来という時間
軸の中で整理されていったような気がします。
はきやすさとスタイルを両立させる靴で、お客様の人生を楽しくしていきたいという原点に返
って、今後も邁進していきたいと強く思いました。
尚、The Japan Times の記事は当社ホームページの新着情報からご覧いただけます。

バナメイエビの未来

食品の偽装、誤表示問題が次々と発覚しています。
特に多いのが、バナメイエビを芝エビと表示、ブラックタイガーをクルマエビと表示という
エビ誤表示です。
ここまでいくと、外食業界の「常識」なのかと思ってしまいます。
バナメイエビと芝エビの違いをわかる人はほとんどいないでしょう。
というよりも、大半の人はこの問題が明るみに出てはじめてバナメイエビという存在を知
ったのではないでしょうか?
報道がされるたびに、バナメイエビが不憫に思えて仕方がありません。
バナメイエビがエビ界のランクでは下位であるという印象が暗に伝わってくるからです。
バナメイエビ自身は何も悪いことをしていません。単に安くておいしいだけなのです。
バナメイエビの持っている潜在能力は十分にあると思われます。
あとはブランディングでしょう。
バナメイエビという名前のひびきは、あまり食欲をそそりません。
いっそ「ゴールデンシュリンプ」や「極旨エビ」に改名して、再デビューすればどうかと思
います。
もしかしたら、芝エビやクルマエビ、伊勢エビを押しのけてのエビ界のスーパースターに
なれるかも知れません。

販売会で思うこと

先日、某百貨店での特別販売会で2日間、販売致しました。
久しぶりだったのですが、お客様と会話をしていくうちにだんだんと勘が戻ってきた感じで
した。
靴の選び方等のアドバイスをするという告知だったのですが、実際のところ、お客様と会
話させてもらった半分以上は靴以外の事だったと思います。
そこで感じたことは、お客様の気持ちに寄り添い、気持ちよく買い物をしていただく「おもて
なし」の心が一番大事だなと思いました。
もちろん色々な靴を見ていただき、はいていただくのですが、短い会話の中でお客様のラ
イフスタイルや今の気分、欲しい物等を察知して、さりげなく提案していくことが販売の極
意ではないかと考えます。
そこで気をつけないといけないのは、あまり押しつけがましくならないこと。
自社の商品の良さを知ってほしいために、相手のムードを考えずにアピールしてしまうこと
は避けなければいけません。
販売員としてすぐれた能力とは、豊富な商品知識ももちろん重要ですが、それ以上に相手
の気持ちを自然と察することができる力ではないかと改めて思いました。

メンタルスキル

先日、メンタルスキルというあまり聞き慣れない言葉を新聞で読みました。
技術的なスキルではなく、気持ちの能力をメンタルスキルという一つのスキルとしてとらえ
るという事でした。
主にスポーツの世界で使われるようで、サッカー等でここ一番の決定力不足やケアレスミ
スの原因としてメンタルが弱い等と表現されています。
ビジネスではどうでしょう?
おもしろい企画や商品アイデアが浮かび、得意先を含めた少人数で盛り上がる事は少な
くありません。
しかしながら、いざ実行の段階でたくさんの人を巻きこんで仕事を進めていくうちに、元の
種である「おもしろさ」が半減していく事がよくあります。
なぜでしょう?
企画プランがたくさんの人の伝言ゲームを介していくうちに変容していくのです。
特に熱の伝わりにくいメンタルスキルの低い人が途中で入ると、無難なものに変わってい
きます。
そこには「失敗したくない」「面倒だ」といった保守的な思考が底流にあると思います。
新しい挑戦は誰もが不安で面倒臭く感じるものです。
その苦労をしてまでも、お客様に喜んでもらいたいという、メンタルスキルの高い人と一緒
に仕事がしたいです。

世間話

得意先の方と商談する時は、本題に入る前に軽い世間話をします。
話題は特に決まっていませんが最新の新聞記事の事、食べ物の事、スポーツの事等、そ
の時々に応じて話をするのですが、盛り上がりすぎて本題の時間が少なくなってしまうこと
もよくあります。
世間話は商談をスムーズに運ぶための潤滑油のようなものだと思い、ビジネスマンの誰も
がしている事だと信じていました。
しかし、実はそうでもないようで、いきなり本題から入る営業マンも多いと得意先の人から
聞かされました。
知人から聞いた話ですが「最近の若い人は世間話ができなくて困っている」と嘆く上司が
指導するために部下にこう言いました。
「まずは、天気の話でいいから最低5分くらいは世間話をしなさい」
すると部下は天気の話をしたのですが、高気圧や低気圧、等高線、等圧線など、まるで講
義のような話をきっちり5分間して、本題に入ったそうです。
「そうじゃないんだけどなー・・・」上司のため息が聞こえてきそうです。
いまの若い世代の人は、上記の例のように真面目なのに的が外れている事が多いと感じ
ることもあります。
情報は多いのだけどれども羅列であって、ストーリーとして話を組み立てて興味深くしてい
く展開力が欠けているような気がします。
それには情報を点としてとらえるだけでなく、探究心をもって深く掘り下げていく好奇心が大
事であると考えます。
たかが世間話、されど世間話、ビジネススキルのひとつだと思います。

セール今昔物語

夏のセール時期も終盤戦を迎えています。

最近のセールは昔のセールと比べて、いまいち盛り上がりが欠けているような印象です。

かつてのセールは、高くて買えなかった憧れのブランドの商品を手に入れるチャンスであ
りました。

ブランド志向が強かった時代ですので、街全体がセールに突入すると「この時を待ってま
した」と言わんばかりのお客さんがワクワクしながら買い回っていたような記憶があります。

今の時代はそれほどブランド志向が強くないので、シーズン遅れでも手に入れたいと思う
ことが少ないのかも知れません。

又、トレンドサイクルが短くなる中で、ZARAやH&Mのファストファッションの台頭が大きく
影響しているのでしょう。

百貨店業界に於いては各社の戦略があり、セール開始時期が違うのでセールの盛り上が
りが一気にではなく、小さな盛り上がりが何度もという風になってきています。

私たちのお店でもそうですが、「セール期間中にもプロパーの商品が売れている」という声
も聞きます。

今と昔のセールを比較して、どちらがよいとか言うつもりはないですが、時代の流れにより
お客様の嗜好が変わってきたのだと思います。

それは欲しい物は値引きがなくても買うし、欲しくないものは7割引きでも買わなくなってき
ているということです。

購買動機が安いから買うのではなく、欲しいから買うという本来の行動に戻ってきたという
証しではないかと思います。

 

何のために働くのか?

「何のために働くのか?」  深い問いだと思います。

端的に言えば「お金を稼ぐため」ということになるのかもしれませんが、働き続ける意義とな
ると「技術を生かしたい」「お客様を幸せにしたい」といった働きがいという意味合いが強くな
るような気がします。

今年に入って入社希望者の面接を多く行っています。

30分程度の面接でその人の人格、能力等、完璧にわかることは不可能です。

10年来の友人、知人でもこんな一面があったのかと驚くことがよくあるので、人を完全に理
解することは無理なのかも知れません。

ただ入社希望者の面接となると、この人と同じ目標に向かって苦難を共にできるかという視
点でみることが多いです。

そこには「何のために働くのか?」という根本的な問いに関して「大切な人を守りたい」とい
う動機があるかどうかも重要なポイントではないかと思います。

大切な人とは、家族であったり、親、兄弟、恋人等と人それぞれです。

仕事を続けるということは、楽しいことばかりではありません。苦しい事も多々あります。

苦難にあった時、人は試されるのです。

大切な人を守りたいから、土俵際でふんばることができ、再出発できるのではないかと思い
ます。

私の尊敬する京セラの稲盛和夫さんが著書「働き方」の中で以下のように書かれています。

「私たちは自らの心を高めるために働く。
 本当に価値のある人生を送るために・・・」

少しでもその境地に近づくために、今日もしっかりと働いていこうと決意を新たにしました。

 

なぜ通販で買うのですか

「なぜ通販で買うのですか」という突拍子もない問いかけは、実は本のタイトルなのです。

あの有名な「通販生活」を発行している、カタログハウスの社長 斎藤駿氏が2004年に出版
した本なのですが、これが実におもしろいのです。

郵便料金を安くするために読み物をつけて有料にしたこと。

70年代に「ルームランナー」が大ヒットしたこと。

その原因を「時代の欲望を通信販売という広告にしたから」と述べています。

つまり、健康ブームだけではなく、通販ブームとの相乗効果であったと。

斎藤氏の時代を読む力、消費者の嗜好の分析は鋭く、時には論理的に、時には自虐的にな
り、読む人を飽きさせません。

そして、あのデロンギヒーターの大ヒットに結びついていきます。

元々、デロンギヒーターはさっぱり売れていない不人気商品であったそうです。

それが「寝室に置いておくと、ひと晩中ホテルに泊まっているような快適さ」というコピーが大
ヒット商品に押し上げていったそうです。

その後、ミーレの掃除機やメディカル枕等、環境を意識した商品を紹介して消費者の心を掴
んでいきます。

そこには多くの機種から1つを選んで推薦する企業の思想が感じられます。

的確な商品説明と使用者の率直な感想。

無駄な宣伝はひとつもない。

「販売とは商品の使用価値を伝える行為だ」と斎藤氏は言っています。

その斎藤駿氏が今年から社長に復帰されたそうです。

今後の活躍が期待されます。

同じ思い

先日新聞に、あるアパレルの新興ブランドの思いが載っていました。

「夢はいつか国内に工場を作ること」

その理由は二つです。

一つめは、日本製の良さを伝えたい。

二つめは、海外への人材流出による日本の技術低下を防ぎたい。

この会社のように多くのアパレルブランドは海外生産をしています。

コストやロット等の問題で海外生産を選択したけれども、人件費増等でメリットが少なく
なっている苦悩が垣間見えます。

靴の業界でも同じような現象が起きています。

弊社は日本製のハンドメイドという選択をしています。

その理由は上記と同じ思いです。

日本製の良さを伝え、日本の技術を継承、発展していき、一人でも多くの雇用を産み出
したいということに尽きます。

これほど海外生産が進んでしまった今では、すぐに国内回帰というわけにはいきません
が、少しでも多くの企業が国内に工場を作り、雇用を創出し、メイドインジャパンの良さを
アピールできればと思っています。