完全栄養食

日清食品ホールディングスの強みは創業家トップが前任者の仕事を踏襲しないことです。

2代目の安藤宏基社長は「カップヌードルをぶっつぶす」と宣言し、父で創業者の百福氏と言い争いました。

3代目の安藤徳隆副社長も2代目と言い争いを恐れていません。もちろん日清食品やカップヌードルの価値を高めていくというベクトルは同じということが大前提です。

カップヌードルも誕生から50年経ち、周りの社会情勢もガラリと変わりました。そんなカップヌードルが開発を進めているのが「罪悪感なきカップヌードル」です。

ジャンクフードなどを食べ過ぎると栄養のバランスを欠いたり、体重が増えたりして罪悪感を覚えてしまいます。逆に健康ばかりを気にしていても人生の楽しみが半減するのも事実です。

3代目の目指すのが「食欲に寄り添った健康食」すなわちインスタント食品を食べていれば大丈夫というフードビジネスモデルです。

これまでカップヌードルは食べ過ぎてはいけないと言われてきたが、今後は食べても食べても身体の健康を守るどころか、増進さえする理想のカップヌードルを作ろうというものです。

それを実現するために研究しているのが「完全栄養食」で、「見た目やおいしさはそのままに、カロリーや塩分、糖質、脂質などがコントロールされ必要な栄養素を全て満たす食」を意味します。

最終的に日清食品のインスタント食品を完全栄養食に切り替え、技術を外部にも提供するそうです。

インスタント食品が健康を維持、増進させる、そんな夢のような時代が生まれようとしています。