縁起担ぎ

なぜ日本人は縁起担ぎをする人が多いのでしょう?

脳科学の視点から「縁起担ぎ」をする理由を考えると2種類に分かれます。

1つ目は「成功体験による縁起担ぎ」です。物事が非常にうまくいった時はセロトニンとドーパミンが大量に分泌されます。

その快感は脳に明瞭な記憶として残り、もう一度味わいたいと脳は欲します。その時着用していた「赤い服」や「黒い手袋」などが成功体験の縁起物として脳が記憶しているのです。

2つ目は「負の遺産としての縁起担ぎ」です。思わぬ失敗をした時はストレスホルモンであるコルチゾールが大量に分泌されます。

その強度なストレスも脳に明瞭な記憶として残り、もう二度と味わいたくないと脳は欲します。その時の失敗体験をできるだけ避けようとします。1つ目とは逆の意味での縁起担ぎです。

「縁起担ぎ」にぴったりの英語がないように、日本人は「縁起担ぎ」にこだわる人が多いといわれています。

最近の研究でセロトニンの量を調節しているセロトニントランスポーター遺伝子が不安に関係することがわかってきました。

世界的な調査で日本人は遺伝的にその不安遺伝子を持つ人が多いのです。

そのため日本人はあらかじめ自分なりの「縁起担ぎ」をして自分の心を落ち着かせようとしているのかもしれません。