「大阪都構想」がもたらしたもの

「大阪都構想」とは、大阪市を廃止して5つの特別区の新設を柱とした構想です。
5月17日に大阪市民を対象とした、前代未聞の大規模な住民投票が開かれ、反対70万
5585票、賛成 69万4844票とわずか1万票の僅差で否決されました。
投票率も67%で、3分の2の市民が投票した一大関心事でした。
選挙当日まで賛成、反対の陣営が声をからしてアピールしていました。
私を含めた大阪市民の人たちは、大いに悩んだと思います。
なぜなら、両陣営の話を聞けば聞くほど両極端だからです。
大阪都になると「無駄を省ける部分」と「新たな負担」があるわけなのですが、両陣営の試
算があまりに違うのです。
データというものは、抽出の仕方、加工の仕方によって見え方が大きく変わります。
あくまでも結論(賛成もしくは反対)にもっていくための試算にすぎないのです。
正直どちらを信じたらいいのかわからないけれど、棄権はしたくないという市民感情の表
れがこのような僅差での決着になったのではないかと思います。
選挙前、選挙後でも大阪都構想の話はよく話題にのぼり、政治論議が活発になったこと
は間違いありません。
私たちの住んでいる街には、こんな問題があったのかと気づかせてくれたのは橋下徹市
長だと思います。
長いものには巻かれろ式で、無関心だった大阪の人たちを考える市民、疑問を抱く市民
に育てたことが最大の成果ではないかと考えます。