以前、得意先に覆面調査について興味深い話を聞きました。
そのお店はテナントビルに入っており、ビルの運営会社がテナントを客観的に評価するた
めに年に1回、覆面調査員を使い、サービスの調査をするそうです。
調査結果が各テナントごとに報告され、改善を促すというしくみです。
そのお店の評価は驚きの結果だったのです。
なんと189店舗中189位で、最下位の評価でした。
理由は「販売員の声かけがない」ということでした。
しかしながら、そのお店は売上ランクでは189店舗中3位で、繁盛店として名が知れてい
ました。
そもそも覆面調査は、サービスを向上させて店を繁盛させることが目的です。
その店の店主は言いました。
「当店ではお客様にじっくりと商品をみてもらうために、お声かけはあえてしていない。お
客様の様子をみて声をかけています。その時はお客様の立場に立って、ていねいに接客
しています」
おそらく、そのような誠実な対応がお客様の好評価を得て、売上につながっているのでは
ないかと思います。
表面的な事象のみを数値化してランク付けをしてしまうと、本質的なものを見逃してしまう
ことがあります。
聞けば、覆面調査員もアルバイトでサービスのなんたるかを知っているプロではありませ
ん。調査項目に自分のみてきたことを記入するだけのようです。
覆面調査そのものの信ぴょう性を否定しているわけではありませんが、マニュアルでサー
ビスを一律に評価する手法は個性的なお店を正しく評価できない可能性があります。
マニュアル的なサービスがきらいという方もいるのですから・・・