ジャーニー

ここ数年、若い頃によく聴いていたアーティストが来日するとコンサートに行ってました。

ディープ・パープル、TOTO、BOSTON、ABC等、80年代ロックバンドが中心です。

そして昨年、アースウインド&ファイアーが来日するニュースを聞き、これは行かねばと思っていたのです。

しかし、ボーカルのモーリス・ホワイトは亡くなってしまっているので少しためらってしまいました。

それが運のツキ、やっぱり行こうと思った時にはチケットが完売していました。

コンサートに行った人に感想を聞くとすごくよかったとのこと。

メンバーももう高齢なので次回は難しいかもと、悔しさをかみしめていました。

そんなところでジャーニー来日のニュースが・・・

ジャーニーの顔ともいうべきボーカルのスティーブ・ペリーはいないけれど、行こうという今回の決断は早かったです。

コンサートはオープニングの「セパレイト・ウエイズ」から「オープン・アームズ」 「ドント・ストップ・ビリーヴィン」等ヒット曲メドレーで、昔によく聴いていた頃の記憶がよみがえります。

新しいボーカルのアーネル・ピネダの声も往年のスティーブ・ペリーの声とよく似ていて、目を閉じると遜色ありません。

しかし、聴き込んでいくと何かが違う。別人だから仕方がないのですが、息づかい、くせ、オーラ等、違いが気になりだします。

「百万人に一人の声」と多くの音楽関係者が称賛したスティーブ・ペリー。

彼の存在の偉大さを痛感したジャーニーの来日公演でした。

 

もみじの永観堂

京都にはたくさんの紅葉の名所がありますが、その中で別格と呼ばれているのが永観堂です。

先日、はじめての訪問が叶いました。

その紅葉の美しさは、私の想像をはるかに超えるものでした。

赤、オレンジ、緑と絶妙な色のコントラスト。

東山を借景として広大な敷地に広がる数百本の紅葉。

紅葉の美しさをひきたてるように配置された寺院や池。

私が今まで見てきた紅葉の中で一番壮大で美しい光景でした。

永観堂の正式名称は禅林寺で創建は863年、千年以上もの輝かしい歴史のある京都有数の古刹です。

創建後約200年を経て、幼少より秀才と呼ばれた永観律師が住職になりました。永観律師は恵まれない人たちのために奔走し、たくさんの人たちを救いました。

永観律師を慕う人々によって、禅林寺はいつしか永観堂と呼ばれるようになったそうです。

永観堂のご本尊は首を左にかしげ、ふりむいている「みかえり阿弥陀」です。

遠い昔、永観律師を穏やかな笑みをうかべ、励ましている姿がそのままあらわされているといわれています。

永観堂の紅葉とみかえり阿弥陀、是非おすすめしたい名所です。

おや?

上記のタイトルを聞いてピンとくる人はポケモンGOをしている人でしょう。

ポケモンGOでタマゴをふ化させている時に「おや?」という表示が突然出てきて、タマゴからポケモンが生まれます。

何が生まれるかはわからない瞬間なので、私は一番ワクワクする時間です。

しかし、すでに持っているポケモンが出てくるとがっくり感につつまれます。あれほど歩いたのに・・・

ゲームをしている人なら、この感情が共有できるのではないでしょうか?

先日のアップデートでポケモンGOは格段に改善されました。

一番の改善点は、運転中の操作に制限がかかったことです。

以前までは「私は運転者ではありません」というボタンを押すと操作が可能でした。

そのため事故も起きていました。改善に心から拍手です。

世界中で愛されているポケモンGO。日本では若者よりも中高年に人気です。

自分のペースでできる、遊び方が単純、課金ではなく歩くことでレベルが上がる等が受けているのでしょう。

日常的な運動不足をポケモンGOで解消する方法が今の自分には合っているような気がします。

キンキーブーツ

トニー賞6部門受賞の大ヒットミュージカル「キンキーブーツ(来日版)」を観ました。

もともとは2005年のイギリス映画で、靴工場が舞台のストーリーなので昔に観て印象深かった映画でした。それがミュージカルとしての来日です。

「キンキーブーツ」とは女装用ブーツという意味で、倒産しかけのイギリスの老舗紳士靴メーカーが起死回生策として、ニッチ市場であるキンキーブーツにかけて再生するというストーリーです。

それは靴工場を父親の急死により継いだ若社長チャーリーがドラァグクイーン(女装する男性)ローラと出会うところから始まります。

女性用の靴を無理やりはいていたローラをみて、チャーリーはキンキーブーツを作ることを決心します。

ローラをデザイナーとして迎え、キンキーブーツを作ります。

しかしそこには難題が・・・

男性の体重を支えるにはヒールを太くしないといけない。しかしローラはセクシーなピンヒールでないと意味がないと主張します。

製造上、非常に難しいことは同じ靴製造業としてわかります。なんとかヒールを補強して問題をクリアしていきます。

ミラノの展示会でキンキーブーツをはいて踊りまくるドラァグクィーン達。

その姿は圧巻で、とても楽しい気分になりました。

笑いあり涙あり、自分らしく生きることの大切さを再確認させてくれるミュージカルでした。

 

捨てられないもの

不要な物を減らす断捨離がブームですが、なかなか捨てられないものもあります。

悩ましいのは、今後使うことがないと断言できるのに捨てられないものです。

発見するまではその存在自体も忘れてしまっていたのに、偶然に発見してしまい、捨てられずにいる想い出の品々。

1つ目はカセットテープです。

レコードの時代ではカセットテープに録音して聴くのが主流でした。今は聴きたくても再生するカセットデッキもありません。しかし、若い人の間でカセットテープがにわかにブームになっているそうです。もしかしてブーム再来かと思うと捨てられそうにありません。

2つ目はベースギターです。

若い頃に弾いていたのですが、アンプもないし弦もボロボロ。明らかに無用の長物ですが、想い出がつまった一品なので捨てる勇気が出てきません。

3つ目は腹話術の人形です。

もうほとんど忘れてしまっていたのですが若い頃、腹話術の人形を使って、場を盛り上げたりした記憶があります。今考えると、とても寒い思い出です。しかし人形に罪はなく、その愛らしい表情をみていると捨てることはできません。

捨てられない苦悩はまだまだ続きそうです。

君の名は。

大ヒット上映中の映画 「君の名は。」を観ました。

満員の客席のほとんどは10代の世代かと思われます。

こんなオジサンが観に来るのは場違いかなと思いながら、観ましたが途中から妙に感動してしまい、最後には涙にくれて立つこともやっとの情けない状態になってしまいました。

世代によって感じ方は様々だと思いますが、ストーリー、映像、音楽とのコンビネーションが素晴しかったです。

観た人のほとんどが「人に勧めたい」 と言っているのを聞くと、ロングランのヒットとなるのは確実のような気がします。

都会と田舎、女性と男性、大人と大人になりきれていない世代、昼と夜といった対比のコントラストがうまく描写され、あらゆる世代の様々な想い出の共感となっているのではないでしょうか?

どこか懐かしく感じる自然の風景、主人公が独り言のようにつぶやくモノローグ・・・ どこかで見たような・・・

新海誠監督のインタビューを聞いて、その疑問が解けました。

昔の大人気ドラマ 「北の国から」 にインスピレーションを受けたと。

私たちの世代はそこに反応したのかも知れません。

シン・ゴジラ

大ヒットしている映画 「シン・ゴジラ」 を観ました。

総監督・脚本はエヴァンゲリオンの庵野秀明氏。

劇場は予想外の満員で、老若男女、様々な人たちでいっぱいでした。

私の感想は想定外のおもしろさでした。

これは怪獣映画ではなく、災害シュミレーション映画です。

ゴジラは他の怪獣たちと戦って地球を救うようなゴジラではなく、人類を脅かす恐怖の象徴として描かれており、日本政府の対応が妙にリアリティーがありました。

官邸に省庁寄せ集めの対策会議を設けても 「想定外で」 と右往左往。

事態は急変しているのに、官僚の作文棒読みの報告や無駄な有識者会議のリスクをとりたがらない対応等でなかなか前へ進まない閉塞感がとても日本的であると感じました。

又、米国をはじめとした諸外国の対応も今の日本をよく表わしていると思います。

余計な恋愛や家族要素を意図的に排除して、事態の行方のみに集中できたのも好印象でした。

ただ、演出の一つだと思われますが、早口で専門用語の多いシーンは話の筋を理解するには難しく感じたことも事実です。

それがこの映画の本質をわかりにくくして、評価が二分されている理由だと思います。

そこだけがとても惜しいです。

ワイン勉強中

先日、父の日のプレゼントにワインの本を娘たちからもらいました。

お酒を飲む時はビールかワインか焼酎をいただくことが多いのですが、最近家でワインをよく飲むので、ワインの本のセレクトになったのかなと思います。

近くのスーパーで、ワインを選ぶ時は「VIVINO」というスマホアプリをよく使います。

このアプリは、ワインのラベルを撮影すると瞬時に評価、品種、ワイナリー、合う食事、価格の相場まで表示してくれるので便利です。

ワインの魅力は、自分に合うワインを見つけることかなと思います。

産地、品種、製造年等の組み合わせで種類の数ではその他のお酒の比ではありません。

価格や評判の高いワインが自分に合うとは限らず、いろいろと試してみて、だんだんとしぼられてくるような気がします。

感覚的に言うと肉を食べる時に塩か、タレか、ポン酢か、ポン酢ならやっぱり旭ポン酢(大阪で大人気)かなという選択の楽しみみたいなものだと思います。

まだまだ勉強途中な身ではありますが、私にとっての旭ポン酢的な存在のワインはソーヴィニヨン・ブランとセミヨンの組み合わせです。

もらったワインの本をよく読んで、違ったワインにも挑戦していきたいと思っています。

TOTO

TOTOは1970年代後半から活躍しているアメリカのロックバンドです。

そのユニークなネーミングは日本の便器メーカーからとったと言われていますが、真相は定かではありません。

私は高校生の頃、ロックが好きでディープパープルやBOSTON、TOTO等をよく聴いていました。

その頃の高校生も今や50代。

あの頃の懐かしい記憶がビジネスチャンスにつながると考えたのか、ウドー音楽事務所が招へいし、TOTOのジャパンツアーが開催され、行ってきました。満席です。

バンドメンバーもおそらく50代後半から60代ですが、エネルギッシュでパワーあふれる公演でした。

TOTOのすごいところは、再結成後の2015年にオリジナルアルバムを発表し、それをひっさげての今回のワールドツアーだということです。

昔はやった曲だけで勝負している他のバンドとは一線を画しています。

この歳になってオリジナル曲を作り、練習し、ツアーを行うことはなかなかできないことだと思います。

創造力、技術力、体力とどれもが落ちていく世代なのに、ふんばって頑張っている姿に心が打たれるコンサートでした。

等伯忌

2月24日は戦国の世に生き、果敢に天下一の絵師への道を切り拓いた長谷川等伯が亡くなった日です。

私は長谷川等伯が大好きです。

水墨画の最高峰と称えられる国宝 「松林図屏風」 等の彼の作品にも魅せられますが、一番興味深いのが彼の生き様です。

長谷川等伯は遅咲きの絵師です。

能登の七尾に生まれ、地元で仏画等を描いていたのですが、30歳代になって上洛し、本格的に絵師の活動をはじめました。

時は、信長から秀吉に変わる乱世で、絵の世界では室町時代から続く絵師の名門 狩野派の天才、狩野永徳が活躍していた頃です。

名門の出ではない一介の地方絵師、長谷川等伯が狩野永徳をもしのぐ地位を一代で築いたことはまさに絵筆で成しとげた下剋上といっても過言ではないでしょう。

狩野派のような盤石の地盤を築こうと等伯は奔走しますが、後継者 久蔵が急逝してしまいます。その後、久蔵の弟 宗宅を後継者として育てます。

時は流れ、天下は徳川家康の時代になり、等伯は宗宅を連れて江戸へ向かいます。

72歳という高齢を押してまで江戸へ向かった理由は、長谷川派を御用絵師として存続させたかったことに尽きると思います。

そして1610年2月24日、長谷川等伯は江戸で72歳の生涯を閉じました。

後継者 宗宅も翌年に亡くなり、長谷川一門が画壇で活躍することはありませんでしたが、長谷川等伯の絵画における造形的特質は確実に江戸絵画史に足跡を残しています。