今年の正倉院展

正倉院は奈良時代に建立された東大寺の倉庫で、聖武天皇の遺愛品を中心に約9000件の宝物が納められています。

その中から毎年60件ほどが選ばれ、奈良国立博物館で公開されるイベントが正倉院展です。

入場者数は15年連続で20万人を超え、入場待ちの長蛇の列ができる様子は奈良の秋の風物詩となっています。

特に去年の正倉院展は東京国立博物館においても御即位記念の正倉院宝物の特別展が行われたこともあり、例年以上のにぎわいを見せていました。

しかし今年はコロナ禍での正倉院展となり、事前予約の日時指定入場制が導入されることになりました。

1時間ごとの入場者は約260人に制限され、入館待ちで列に並べるのは指定された時間の30分前からに限られるので例年通りの長い列は今年は見られることはないでしょう。

今年の正倉院展では、漢方薬の一種で象の歯の化石と称される「五色龍歯」など光明皇后が病人などに分け与えるために東大寺に献納した薬や薬にまつわる宝物もあり、奈良時代における疫病や災厄との闘いを伝える作品も展示されます。

人類の歴史は病との闘いでありました。コロナ禍での正倉院展は10月24日(土) から11月9日(月) まで開催されます。