メルケル首相の演説

3月18日ドイツのメルケル首相は、国民に向けテレビ演説を行いドイツ国民は一致団結しました。以下はその抜粋です。

「新型コロナウイルスによりこの国の生活は今、急激な変化にさらされています。何百万人もの方々が職場に行けず、お子さんたちは学校や保育園に通えず、劇場、映画館、店舗は閉まっています。

そうした取組においてなぜ皆さんが必要なのか、一人ひとりに何ができるのかについてお伝えしたいと思います。

現在、世界中で急ピッチで研究が進められていますが、未だ治療法もワクチンも開発されていません。こうした状況においてあらゆる取組の唯一の指針となるのはウイルスの感染拡大速度を遅くする、数ヶ月引き延ばす、そして時間を稼ぐということです。時間を稼ぎ、研究者に治療薬とワクチンを開発してもらうのです。同時に発症した人ができるだけよい医療を受けられるようにするための時間稼ぎでもあります。

そのためには社会生活を極力縮小するという手段に賭けなければならない。これは非常に重要です。もちろん国の機能は引き続き維持され、物資の供給体制は確保され、経済活動は可能な限り維持を図っていきますのであくまで理性と慎重さに基づいて行っていきます。

日常生活における制約が今すでに、いかに厳しいものであるかは私も承知しています。こうした制約は渡航や移動の自由が苦難の末に勝ち取られた権利であるという経験をしてきた私のような人間にとり、絶対的な必要性がなければ正当化し得ないものであります。民主主義においては、決して安易に決めてはならず、決めるのであればあくまでも一時的なものにとどめるべきです。しかし今は命を救うためには避けられないことなのです。

不要な接触を避けることは感染者数の増加に日々直面している全ての医療機関関係者のサポートになります。そうすることで私たちは命を救っているのです。

私たちはこの危機を克服していくと、私は全く疑っていません。

かつて経験したことのない事態ではありますが、私たちは思いやりと理性を持って行動し、命を救っていくことを示していかねばなりません。例外なく全ての人、私たち一人ひとりが試されているのです。」