これからの150年

東京 築地に日本初の靴工場が誕生し、靴産業が始まってから今年3月で150年になります。

1870年、陸軍が正式に洋靴を軍装に定めたものの、欧州製の靴は日本人の足に合わず、訓練もままならなかったそうです。

陸軍の創始者だった大村益次郎が旧知の実業家で佐倉藩 (現在の千葉県佐倉市) 出身の西村勝三に靴の製造を依頼し、国内初の靴工場が作られました。

西村勝三は明治維新で職を失った旧佐倉藩士たちに手に職をつけるために製靴技術を教えました。

そこで学んだ大塚岩次郎が1872年に創業したのが今の大塚製靴で国内最古の靴メーカーです。

明治維新という日本の一大変革期に武士を捨て、新しい産業に未来を賭けた人たちが今の靴産業の礎を築いていったのです。

軍隊の靴から始まった靴産業ですが「おしゃれは足元から」と言われるように靴のファッション化が進み、さまざまな靴が作られようになりました。

最近は輸入靴の増加や職人さんの高齢化等、困難な問題を抱える靴産業ですが、これからの150年を考えたときに靴作りを志す若い人たちのために活躍できる場を提供することが私たちの使命ではないかと思います。