いちご大福の粉

聞いた話です。

男性上司と女性部下がお客さんのところへ向かう途中で何気ない会話がかわされていました。

女性部下 「いちご大福は本当においしいですね。」

男性上司 「おいしいね。」

女性部下 「お店で売ってたら思わず買って、すぐ食べてしまいます。」

男性上司 「そうだね。そんな時もあるよね。」

ひとしきりいちご大福がいかにおいしいかを話しながらとあるオフィスビルのエレベーターに乗り込みます。満員のエレベーターの中で女性部下は続けます。

女性部下 「歩きながらいちご大福を食べると口の周りに白い粉がつくじゃないですか?そ れって気になります?」

男性上司は満員のエレベーターの中で話し続ける女性部下にあぜんとしました。この話を早く切り上げたい男性上司は言いました。

男性上司 「気にならない。」

シーンとしたエレベーター内に突き刺さる視線。

全員がこの話を聞いていて、その答えに反応したのです。

その男性はエレベーターが到着するまで「口の周りについたいちご大福の粉を気にしないデリカシーのない男性」という烙印を押され、冷たい視線にさらされました。

もし自分が同じ立場なら、どう言っただろうかと悩みます。満員のエレベーターに乗る時は少し緊張してしまいます。