天空の蜂

江口洋介と本木雅弘が出演している映画 「天空の蜂」 を観ました。

まず、びっくりするのが東野圭吾氏がこの原作を発表したのが20年も前のことだということです。原発は絶対に安全であると思われていた頃です。

そしてこれが映画化された今という時代は、人々の心にその中心的なメッセージを伝えるには最適な時代であるということのめぐりあわせ。

20年前では誰の心にも響かなかったでしょう。

原発反対のテロリストは、遠隔操作により巨大ヘリを原発上空にホバリングさせ、日本中の原発を停止させるように要求します。

燃料切れの墜落までのタイムリミット8時間の中で手に汗にぎる迫力あるストーリーが展開されていきます。

便利で快適な生活を営む上で欠かせない電力。

その電力を作る原子力発電所が抱える問題は3.11以降、人々の心の中で最適な解決策がみつからない不安感を増大させていきました。

犠牲になるもの、排出されるものに目を背け、不安をまぎらわせるために考えることを止めてしまう。

「蜂に刺されないと痛みがわからない」 という犯人の言葉が心に残ります。

メッセージが痛いほど心に刺さる映画でした。