東京レザーフェア

第81回東京レザーフェアが1月21日と22日に東京浅草で開催されました。今年
の秋冬物の資材展示会で皮革はもちろんのこと、底やヒールの副資材、お手入
れ用品等、レザー関係の日本最大の展示会です。

毎回行くと思うのですが、いつも人が多くにぎわっているなと感じます。私たち
のような靴を作るメーカーはもちろんのこと、かばん、ベルト、財布のメーカーや
アパレル関係、報道関係や学生さんなど多種多様な方が集まってきています。

特に学生さんの来場が目につきます。レザーを使った学生さんの創作展や、学
生さん達が作った作品のファッションショーなどがあり、創作の発表の場でもあ
るから来場が多いのだと思います。

しかし、以前から気になっていたことがひとつあります。

それはこのようにレザーを使った物作りに興味をもった人たちが、靴メーカーに
ほとんど就職していないという現実です。

理由はお互いの目指すべきものが違うからだと思います。

学生さんは自分の作りたいものを作る、しかし企業は市場の要求するものを作
らなければならない、いわゆる趣味の世界とビジネスの世界の違いです。

しかしこれは、両者が歩み寄ることで解決できると信じています。

そのキーワードはマーケティング発想だと思います。学生さんは創作したモノが
どれくらい市場性があるのかを冷静に分析する視点が必要ですし、企業は学生
さんの創作したモノが従来の市場ではない新しい市場性があるのかどうかを柔
軟に考える必要があると思います。

同じような商品を同じような市場に流していけばやがて停滞していくでしょう。

だから新しい商品を新しい市場に売っていくというチャレンジ精神が最も重要な
共通テーマではないかと思います。

そして、お客様に認知され受け入れられることがプロフェッショナルとしての最大
の評価だと思います。