2023年はアジアの人口動態で画期的な年になるといわれています。
国連が2022年7月に公表した最新の予測によると、長らく人口世界一の座にあった中国は2023年に14億2567万人となり、インドの14億2862万人に逆転される見通しです。
中国の人口は2022年から減少を始めた可能性がある一方、インドの人口は今後も増え続けるため、2050年には中国の人口13億1263万人に対し、インドは16億7049万人と差が開く予想になっています。
インド以外のアジアでは東南アジアの人口もペースこそ鈍るものの拡大を続けると見込まれています。
経済を見る上で重要なのは人口の規模だけでなく、その年齢構成です。
生産年齢人口 (15~64歳) が増え続け、かつ総人口に占める比率が上昇すると経済成長が見込まれます。
生産年齢人口が増えるにつれ労働集約型の製造拠点として発展しやすいのです。
又、現役世代の比率が増えることで貯蓄率が上昇しやすく、その貯蓄を活用した投資も活性化していきます。
インドは世界最大に膨らむ人口に雇用の受け皿を創出するためにも、労働集約型産業のテコ入れが急務です。
世界の工場が中国からインドに変わるのは人口動態の観点でみると歴史の必然といえるかもしれません。