昭和レトロ

「令和」になって「昭和」は若者にとって未体験の新鮮な世界となりました。

そうした中で「昭和レトロ」と呼べるブームがじわじわと盛り上がっています。

音楽業界ではすでに数年前から昭和だった80年代のレトロブームがあり、日本で大人気のK-POPも80年代ダンスミュージック風が流行っています。

ちなみにアメリカではいまだに根強いレトロなLPレコードの発売数がネット配信によって落ち込んだCDを上回るという現象もおきました。

又、日本ではインスタントカメラが若者に人気です。逆光やちょっとしたぼけた感じなどのアナログ写真のテイストがうけ、現像した写真をスマホで撮影してSNSに投稿する人も多いのだそうです。

極めつけは純喫茶という業態です。

ある有名なプロデュース会社が長年の喫茶店をリノベーションしてオープンした「不純喫茶 ドープ」の1号店は中野というサブカル聖地という立地もはまり、人気店となりました。すでに湯島に2号店をオープンさせています。

食べ物も原色のクリームソーダや硬めのプリンなどの純喫茶の定番に加え、窒素を使った最先端のニトロコーヒーもそろえる等、昭和と現代が共存しています。

ニューノーマルの時代のリアル店舗には、わざわざ出かけても行きたくなる価値がますます求められるでしょう。再開発によって似たようなステレオタイプの街が増えれば増えるほど、正反対の非日常感を持つ昭和レトロの価値は高まるのではないでしょうか。