ホテルニューオータニのアソシエイトホテルの中で不思議な名前のホテルイタリア軒。
新潟に行く機会があったので泊まってみました。
クラシカルなヨーロッパ調の内装がとても素敵なホテルでした。
その名前の由来がすごいのです。
1874年の夏、開港で活気づく新潟にフランスの曲馬団の一行がやってきました。その中のイタリア人コック、ミリオーレは大けがをしてひとり新潟に取り残されてしまいました。
新潟で曲馬団に雇われていた権助とその娘おすいは、残されたミリオーレを親身になって介抱しました。
この話に感動した当時の県令 楠本正隆は200円という大金をポンと出してミリオーレに牛鍋屋を出すことをすすめました。
親身になって世話をしてくれる新潟の人たちとふれあい、心を動かされたミリオーレは新潟に残る決心をしました。
港町のハイカラな気風もあり、店は大繁盛しました。いつしかミリオーレはおすいと結ばれて夫婦となりました。
牛鍋だけでなく本格的な西洋料理も出すようになり、名前も「イタリア軒」となりました。
その後「イタリア軒」はホテルとして生まれ変わりました。
ホテルのレストランにはミリオーレが異国の地で一心に創り上げた「イタリア軒の味」が今も脈々と続いているのです。