直感と人工知能

東芝の不正会計問題についてある新聞はこう論評しました。

「トップの指示を忠実に実行するやり方が浸透し、逆に問題が起きやすくなった。現場は直感を大事にすべきだ。ビッグデータ、人工知能時代の盲点は数値化できない直感に重きが置かれなくなっていること。おかしいと思ったときの直感は案外正しい。」

実生活では頼ることの多い直感。

しかし、論理や統計を重んじる分野では「思い込み」「感覚的」と非難され、端に追いやられてしまう。

会議等の場面では、立派な統計やデータの前に「なんかちょっと違うような気がするけど・・・」と思っていてもそれらを論破する論理性がないのが直感です。

直感は「メタ認知」と呼ばれる脳の機能の1つです。

ただ、この機能には個人差があって、鋭い人と鈍い人がいます。

だから会議等で直感的な発言をしても同調者が少なく、統計やデータに負けてしまうのです。

ファッションの分野では売れ筋のデータを収集し、安価に大量生産した手法は売場の同質化を招き、失敗しています。

人工知能は情報の分析、仕分け、予測分野ではすぐれていますが質感の理解、意思、感情の分野ではとうてい人間を超えることはできません。

人間は直感を鍛えるべきです。なぜなら受験エリートのような頭の良さや計算力は、いずれ人工知能に置き換えられてしまうからです。

専門家は、直感力は訓練で鍛えやすいと言っています。

直感の鋭い人と一緒にいることや、新しい分野にチャレンジすることで新たな視点が生まれ、直感力は上がります。

やがて訪れる人工知能時代に備え、直感力を鍛えていきたいと思っています。